#秋
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ギリシャ語:φθινοπωρινός
読み方:フシノポリノス・フシノポリノース・フティノポリノス・フティノポリノース
ラテン文字:fthinoporinos
古代ギリシャ語 φθινοπωρινός(秋の、秋に属する、← φθινόπωρον「秋」+ -ινός 形容詞接尾辞)を、近代以降に書きことばから再導入した学術借用(λόγιο διαχρονικό δάνειο)。古典形がそのまま現代に取り入れられた、典型的な学術借用の形容詞。
源にある古代の φθινόπωρον(秋)は、動詞 φθίνω(衰える、減る、すり減る)と ὀπώρα(夏の終わり、果実の実る時期、晩夏)の合成で、文字どおり「衰え行く晩夏」「実りが衰える時期」を意味した。古代ギリシャ人にとっての秋は、夏の豊穣な実りが終わり、しだいに自然が衰えていく時期として認識されていた、季節感の表現が直接的に語形に反映された語。
源にある古代の φθίνω(衰える、減少する、消えていく)は、印欧祖語の「衰える、滅びる」を表す語根に由来し、サンスクリット kṣiṇāti(破壊する), ヒッタイト語 ḫazta-(弱る)と関連する古層語。同じ語根からは、φθίσις(衰え、結核、← 英 phthisis「肺結核」), φθορά(破壊、損耗), αφθαρσία(不滅、不朽、書きことば), ανθεκτικός(耐久性のある)が並び、「衰え・損耗・破壊」の概念領域の中核を成す。
源にある古代の ὀπώρα(晩夏、秋、果実の実る時期)は、ホメロス以来「夏の終わりから秋にかけての果樹の実る季節」を指す古い季節語で、現代ギリシャ語の οπωρικά(果物類、果樹園の実、書きことば), οπωροφόρος(果樹の、果実をつける), οπωροπωλείο(果物店)として継承されている。
派生・関連語族として φθινόπωρο(秋、季節名), φθινοπωρινά(秋に、副詞), φθινοπωριάτικος(秋らしい、形容詞、口語の異形), φθινοπωριάζω(秋になる、動詞)。
季節の語族では、四季の体系が、άνοιξη(春)/ ανοιξιάτικος(春の), καλοκαίρι(夏)/ καλοκαιρινός(夏の), φθινόπωρο(秋)/ φθινοπωρινός(秋の), χειμώνας(冬)/ χειμερινός(冬の)と整然と並び、形容詞は接尾辞 -ινός / -ιάτικος の二系統で派生する。φθινοπωρινός は書きことば寄り、φθινοπωριάτικος は口語寄り、と棲み分けがあり、現代では φθινοπωρινός が標準形として広く使われる。
意味の領域は、季節そのものに属する(秋の天気、秋の月、秋分), 雰囲気・色合いが秋らしい(秋の色、秋の悲しみ、秋の空気), 季節に向いた服装・品物(秋物のコート、秋向きの服)の三層に展開し、自然描写から比喩・実用まで広く使える形容詞として機能する。
ギリシャ語:φθινόπωρο
読み方:フシノポロ・フシノーポロ・フティノポロ・フティノーポロ
ラテン文字:fthinoporo
古代ギリシャ語 φθινόπωρον(秋)から。φθίνω(衰える, 減っていく)と ὀπώρα(晩夏の果実, 実りの季節)の合成で, 果実が少なくなっていく季節を表した。語末の -ν が脱落して現代ギリシャ語の φθινόπωρο の形になった。
派生に φθινοπωρινός(秋の), φθινοπωριάτικος(秋の, 秋らしい), φθινοπωριάζει(秋になる, 非人称), φθινοπώριασμα(秋の兆し)。同じ意味の言い方に χινόπωρο(φ が落ちた形), μεθόπωρο / μετόπωρο(古風な形)がある。
ギリシャ語:γαϊδουροκαλόκαιρο
読み方:ガイドゥロカロケロ・ガーイドゥロカロケロ
ラテン文字:gaidourokalokero
γάιδαρος(ロバ)と καλοκαίρι(夏)の合成語。直訳「ロバの夏」で、接頭辞的に使う γαϊδουρο- は「ロバのような」から「しつこい、過度な」の意味を付け加える。γάιδαρος は古代ギリシャ語の κάνθων(荷役獣)が中世ギリシャ語で γαϊδάριον となって今の形になった。
近い語に、気象用語の καύσωνας(熱波)と、小春日和の μικρό καλοκαιράκι(小さな夏)。

男性名詞
時
季節
形容詞 
夏
天気