ギリシャ語:αντηλιακός
読み方:アンディリアコス・アンディリアコース
ラテン文字:antiliakos
αντιηλιακός(日焼け止めの、日焼け止め)の別形。意味の中心は同じで、日焼け止めクリームの連語では αντηλιακή κρέμα の形がよく使われる。
単語帳 テーマ別の単語一覧
自然自然現象・天候・動植物・宇宙など、自然界に関する語
時季節・時間帯・速度・年齢など、時間に関する語。自然現象と関連が深いため自然の次に配置
人身体・感情・性格・家族・職業など、人の内面や営みに関する語。「人」タグは人の生活や営みに関わるが他のテーマに分類しにくい語の暫定分類で、該当語が増えたら細分化予定
生活食・衣・住・道具・嗜好品など、日常の身の回りに関する語
文化(仮)音楽・芸術・スポーツなど、日常寄りでない文化的な語(セクション名検討中)
信仰(仮)宗教・神話・魔術など、信仰や超自然に関する語(セクション名検討中)
社会政治・法・経済・軍事など、社会の仕組みや制度に関する語。場所的なもの(施設・建物など)は「場所」セクションに分離した
場所集落・国名・施設・建物など、人が作った場所に関する語。もとは「地理」だったが、地形は自然へ移し、社会から施設・建物を合流させた。社会は仕組み・制度に特化させたいので、場所的なものをここに集めている
科学・技術天文・物理・化学・力学・幾何・数量など、専門的・学術的な語。方角もここ。ざっくりまとめているため、該当語が増えたら細分化を検討する
動作・状態他のセクションに属さない動作・状態・性質・評価を表す語。評価(良い/悪い)、様態(美しい、静か)、勝敗・成否、基本動作などを収容予定
品詞ギリシャ語:αντηλιακός
読み方:アンディリアコス・アンディリアコース
ラテン文字:antiliakos
αντιηλιακός(日焼け止めの、日焼け止め)の別形。意味の中心は同じで、日焼け止めクリームの連語では αντηλιακή κρέμα の形がよく使われる。
ギリシャ語:τετράφυλλο
読み方:テトラフィロ・テトラフィーロ
ラテン文字:tetrafyllo
τετράφυλλος(四つ葉の、四枚の葉を持つ)の中性形。形容詞としては四枚の葉や板状の部分を持つものを表し、中性名詞 το τετράφυλλο は四つ葉や四葉形を指す。
ギリシャ語:μία
読み方:ミア・ミーア
ラテン文字:mia
古代ギリシャ語 εἷς(一)の女性形 μία を継承。現代ギリシャ語では、男性形は ένας、中性形は ένα。
もとは「一」を表す数詞だが、中世ギリシャ語の段階で「ある人、誰か」を指す不定用法も加わった。現代ギリシャ語では数詞のほか、不定冠詞や不定代名詞としての役割も担う。
アクセントのない短い形 μια は、通常の不定冠詞・不定代名詞や、μια ... μια ..., μια και, μια που などの固定表現で広く使われる。μία は、数としての「一」や「ただ一つ」をはっきり出すときに現れやすい。
関連語には μονάδα(単位、ユニット)、μοναδικός(唯一の、独特の)、καθένας(各自、誰でも)、κανένας(誰か、誰も〜ない)などがある。
ギリシャ語:μηδέν
読み方:ミデン・ミデーン
ラテン文字:miden
古代ギリシャ語の μηδέν(何もないもの)に由来。μηδέν は μηδείς(誰もない、何もない)の中性形で、さらに μηδέ(そして〜ない)と εἷς(一)に分解できる。
数としての 0、目盛りの基準、評価の最低値などの用法は、フランス語の nul(le) や zéro などからの意味借用で定着した。このフランス語の zéro はイタリア語や中世ラテン語を経て、アラビア語の sifr(空、ゼロ)に遡る。英語の zero や cipher も同じ語源につながる。
派生語には μηδενικός(ゼロの、無の)、μηδενίζω(ゼロにする、無効にする)、μηδενισμός(ニヒリズム、無化)などがある。
ギリシャ語:ακηδία
読み方:アキジア・アキジーア
ラテン文字:akidia
古代ギリシャ語の ἀκηδία(無関心、倦怠、放置)に由来。これは ἀκηδής(気にかけない、顧みない)に、抽象名詞を作る接尾辞 -ία が付いた語である。
ἀκηδής は、否定を表す ἀ- と κῆδος(気遣い、世話、心配)からなる。つまり「気遣いがない、顧みない」という構成から、無関心、放置、精神的な倦怠を表す語になった。
英語 acedia も、中世ラテン語 acedia を経て古代ギリシャ語 ἀκηδία に由来する。キリスト教・修道制の文脈では、祈りや霊的生活への倦怠、気力の喪失を指す語として扱われる。
類義語には αμέλεια(怠慢、放置)、αδιαφορία(無関心)、αμεριμνησία(無頓着)、αθυμία(気落ち、意気消沈)などがある。οκνηρία は「怠惰」を表す一般的な語として使われる一方、ακηδία は教会系の文書で「怠惰」に対応する語として出ることがある。
キリスト教神学の七つの大罪(επτά θανάσιμα αμαρτήματα)では、教会系の一覧で ακηδία が「怠惰」にあたる語として用いられる場合がある。現代の一般的な一覧では οκνηρία が使われることが多い。対応する美徳は επιμέλεια(勤勉、配慮)や εργατικότητα(勤勉さ)など。
ギリシャ語:οκνηρία
読み方:オクニリア・オクニリーア
ラテン文字:okniria
ヘレニズム期ギリシャ語の ὀκνηρία(ためらい、気おくれ)に由来。これは ὀκνηρός(ためらう、気の進まない、怠惰な)から作られた抽象名詞である。
ὀκνηρός は、動詞 ὀκνέω(ためらう、気が進まない)や名詞 ὄκνος(ためらい、気おくれ、怠惰)と同じ語族に属する。印欧語根に遡るさらに前の由来は確定していない。
現代ギリシャ語では、活気や行動力が欠けている状態を指す。近い語には τεμπέλης(怠け者、怠惰な)に対応する τεμπελιά(怠け癖、怠惰)などがある。οκνηρία は書きことば寄りの表現であり、τεμπελιά はより口語的に使われる。
キリスト教神学の七つの大罪(επτά θανάσιμα αμαρτήματα)では、現代の一般的な一覧で οκνηρία が「怠惰」にあたる語として使われる。教会系の文書では ακηδία が用いられる場合もある。対応する美徳は επιμέλεια(勤勉、配慮)や εργατικότητα(勤勉さ)など。
ギリシャ語:μακροθυμία
読み方:マクロシミア・マクロシミーア・マクロティミア・マクロティミーア
ラテン文字:makrothymia
ヘレニズム期ギリシャ語の μακροθυμία(忍耐、辛抱強さ)に由来。これは μακρόθυμος(辛抱強い、怒りを長く抑える)から作られた抽象名詞である。
μακρόθυμος は μακρός(長い、遠い)と θυμός(怒り、気持ち)からなる。直訳的には「長い θυμός を持つ」という構成で、すぐに怒らず、怒りや衝動を抑えて耐える性質を表す。
類義語には υπομονή(忍耐、我慢)、ανεκτικότητα(寛容さ)、εγκράτεια(自制、節制)などがある。関連語には μακρόθυμος、μακροθύμως(辛抱強く)など。
キリスト教神学の七つの大罪(επτά θανάσιμα αμαρτήματα)では、οργή(憤怒)や θυμός(怒り)に対応する美徳として μακροθυμία が挙げられることがある。
ギリシャ語:γαστριμαργία
読み方:ガストリマルイア・ガストリマルイーア
ラテン文字:gastrimargia
古代ギリシャ語の γαστριμαργία(大食、貪食)に由来。これは γαστρίμαργος(腹が貪欲な、大食の)から作られた抽象名詞である。
γαστρίμαργος は γαστήρ(腹、胃。属格 γαστρός)と μάργος(激しい、貪欲な)からなる。γαστήρ は現代ギリシャ語の στομάχι(胃)にあたる古い語で、英語の gastric, gastro-, gastronomy などに含まれる gastr- もこの語に由来する。
同じ μάργος を含む語に λαιμαργία(暴食、大食)がある。γαστριμαργία は辞書上も λόγ. とされ、現代の一般的な一覧では λαιμαργία が使われやすい一方、教会系の一覧では γαστριμαργία が「暴食」にあたる語として用いられることがある。
関連語には γαστρίμαργος(大食の)、φαγητό(食べ物)、αδηφαγία(貪食)、βουλιμία(過食)などがある。対応する美徳としては νηστεία(断食)や εγκράτεια(自制、節制)などが挙げられる。
ギリシャ語:λαιμαργία
読み方:レマルイア・レマルイーア
ラテン文字:laimargia
古代ギリシャ語の λαιμαργία(食い意地、貪食)に由来。これは λαίμαργος(食い意地の張った、むさぼるような)から作られた抽象名詞である。
λαίμαργος は λαιμός(喉)と μάργος(激しい、貪欲な)からなる。λαιμός はさらに前ギリシャ語由来の可能性がある語で、喉や飲み込む動きに関わる語群と結びつけられる。一方、μάργος の語源は確定していない。
類義語には αδηφαγία(貪食)や βουλιμία(過食)、απληστία(強欲)などがある。関連語としては λαίμαργος(食い意地の張った)や φαγητό(食べ物)などの語が挙げられる。
キリスト教神学の七つの大罪(επτά θανάσιμα αμαρτήματα)では、現代の一般的な一覧で λαιμαργία が「暴食」にあたる語として使われる。教会系の一覧では γαστριμαργία が用いられることもある。対応する美徳としては νηστεία(断食)や εγκράτεια(自制、節制)などが挙げられる。
ギリシャ語:σωφροσύνη
読み方:ソフロシニ・ソフロシーニ
ラテン文字:sofrosyni
古代ギリシャ語の σωφροσύνη(健全な心、分別、節制)に由来。これは σώφρων(分別のある、節度のある)に、抽象名詞を作る接尾辞 -σύνη が付いた語である。
σώφρων は σῶς(無事な、健全な)と φρήν(心、思考)からなる。もとは「心が健全である」という発想から、分別、慎重さ、節制、自制を表す語になった。
類義語には σύνεση(分別、思慮)、φρόνηση(思慮、実践的な知恵)、εγκράτεια(自制、節制)などがある。関連語には σώφρων、σωφρονισμός(矯正、教化)、σωφρονίζω(戒める、矯正する)などがある。
英語 sophrosyne は、古代ギリシャ思想の概念語として σωφροσύνη を借用した語で、心の健全さ、節度、自制を備えた徳を指す。
キリスト教神学の七つの大罪(επτά θανάσιμα αμαρτήματα)では、λαγνεία(色欲)や πορνεία(性的な不品行)に対応する美徳として σωφροσύνη が挙げられることがある。
ギリシャ語:πορνεία
読み方:ポルニア・ポルニーア
ラテン文字:porneia
古代ギリシャ語の πορνεία(売春、不品行)に由来。これは πορνεύω(売春する、不品行を行う)に、抽象名詞を作る接尾辞 -ία が付いた語である。
πορνεύω は πόρνη(売春婦)から作られた動詞。πόρνη は古代ギリシャ語の πέρνημι(売る)と関係し、さらに印欧祖語で「売る、対価を得る」ことを表す語根に遡る。
派生語には πορνεύω、πορνείο、πορνικός などがある。英語 pornography, pornographic などの porno- も、古代ギリシャ語 πόρνη / πορνεία の語族に由来。
現代ギリシャ語では、対価を伴う性的行為や、それに関わる社会現象などを指す。聖書・教会の文脈では、より広く「性的な不品行」を指す語として用いられる。
キリスト教神学の七つの大罪(επτά θανάσιμα αμαρτήματα)では、教会系の一覧で πορνεία が「色欲」にあたる語として使われることがある。
現代の一般的な一覧では λαγνεία が使われることが多い。対応する美徳としては σωφροσύνη(節制、慎み、貞潔)などが挙げられる。
ギリシャ語:λαγνεία
読み方:ラグニア・ラグニーア
ラテン文字:lagneia
古代ギリシャ語の λαγνεία(性交、みだらさ、好色)に由来。これは λαγνεύω(性交する、みだらな行いをする)に、抽象名詞を作る接尾辞 -ία が付いた語である。λαγνεύω は λάγνος(好色な、みだらな)から作られた。
λάγνος のさらに前の由来は確定していないが、λαγαρός(ゆるい、締まりのない)や λαγαίω(ゆるめる)と関係づけ、ラテン語 laxus(ゆるい)や英語 slack と同じ印欧祖語の語根に結びつける説がある。
類義語には φιληδονία(快楽への愛着、享楽)、έρωτας(恋愛、性愛)、πόθος(欲望、あこがれ)などが挙げられる。七つの大罪の教会系の一覧では、近い領域の語として πορνεία(性的な不品行)が使われることもある。
キリスト教神学の七つの大罪(επτά θανάσιμα αμαρτήματα)では、λαγνεία が「色欲」にあたる語として使われる。対応する美徳としては σωφροσύνη(節制、慎み、貞潔)が挙げられる。
英語の -lagnia / -lagniac は、古代ギリシャ語 λαγνεία に由来し、医学・心理学系の語で性的嗜好や性愛に関わる要素として使われる。
ギリシャ語:φιλαργυρία
読み方:フィラルイリア・フィラルイリーア
ラテン文字:filargyria
古代ギリシャ語の φιλαργυρία(金銭への執着、金銭欲)に由来。これは φιλάργυρος(金銭を愛する、金銭欲の強い)から作られた抽象名詞で、φίλος(友、好む者)と ἄργυρος(銀、銀貨)からなる。
古代ギリシャ語の ἄργυρος は銀を表す語で、印欧祖語で「白く輝く」ことを表す語根に遡る。ラテン語 argentum(銀)も同系統で、英語 argent や地名 Argentina などにもつながる。現代ギリシャ語で銀を指す語には ασήμι がある。
類義語には φιλοχρηματία(金銭愛、拝金)、απληστία(強欲、貪欲)、πλεονεξία(より多くを欲しがること、貪欲)などが挙げられる。関連語には χρήμα(金、お金)や φιλάργυρος(金銭欲の強い)など。
キリスト教神学の七つの大罪(επτά θανάσιμα αμαρτήματα)では、正教系・教会系の一覧で φιλαργυρία が「強欲」にあたる語として用いられることが多い。一方、現代の一般的な一覧では απληστία が使われる傾向にある。対応する美徳としては ελεημοσύνη(施し、喜捨)が挙げられる。
ギリシャ語:απληστία
読み方:アプリスティア・アプリスティーア
ラテン文字:aplistia
古代ギリシャ語の ἀπληστία(飽くことのない欲望、貪欲)を継承。これは ἄπληστος(満たされない、貪欲な)から作られた名詞である。
ἄπληστος は、否定を表す ἀ- と、古代ギリシャ語の動詞 πίμπλημι(満たす、いっぱいにする)からなる。つまり「満たされない」という構成から、飽くことのない欲望を指す語になった。
関連語には άπληστος(貪欲な)、πλεονεξία(より多くを欲しがること、貪欲)、φιλαργυρία(金銭への執着、金銭欲)、βουλιμία(過食、強い食欲)などがある。
キリスト教神学の七つの大罪(επτά θανάσιμα αμαρτήματα)では、現代の一般的な一覧で απληστία が「強欲」にあたる語として使われる。正教系・教会系の一覧では φιλαργυρία が用いられることが多い。対応する美徳としては ελεημοσύνη(施し、喜捨)が挙げられる。
ギリシャ語:αλαζονεία
読み方:アラゾニア・アラゾニーア
ラテン文字:alazoneia
古代ギリシャ語の ἀλαζονεία(ほら吹き、見せかけの自慢、高慢)に由来。これは ἀλαζών(放浪者、いかさま師、ほら吹き)から派生した名詞で、ἀλαζών のさらに前の由来は確定していない。ギリシャ語外からの借用と見る説がある。
派生語に αλαζόνας(傲慢な人)、αλαζονικός(傲慢な)、αλαζονεύομαι(思い上がる)など。類義語に κομπορρημοσύνη(大言壮語)、υπεροψία(尊大さ)、υπερηφάνεια(誇り、傲慢)などが挙げられる。
キリスト教神学の七つの大罪(επτά θανάσιμα αμαρτήματα)では、現代の一般的な一覧で αλαζονεία が「傲慢」にあたる語として使われる。正教系・教会系の一覧では υπερηφάνεια が用いられることが多い。
英語 alazon は、古代ギリシャ語 ἀλαζών に由来する文学用語。ギリシャ喜劇などの「ほら吹き、見せかけの人物」を指す。
ギリシャ語:στοργή
読み方:ストルギ・ストルギー
ラテン文字:storgi
στοργή(ストルギ)は、古代ギリシャ語の στοργή(愛情、いつくしみ)を継承。これは動詞 στέργω(愛する、愛情を示す)から作られた名詞である。
στέργω はさらに、印欧祖語で「覆う、守る」ことを表す語根に由来する説がある。そこから家族や近しい相手を守り、いたわる愛情を表す語につながったと考えられる。
英語の storge は、古代ギリシャ語 στοργή からの学術借用。キリスト教思想や愛の分類においては、家族愛や親子の愛を表す語として用いられることが多い。
関連語には αγάπη(愛)や、形容詞の στοργικός(愛情深い)、φιλόστοργος(愛情深い)、άστοργος(愛情のない)など。 δείχνω στοργή で「愛情を示す」という表現になる。
ギリシャ語:δείχνω
読み方:ディフノ・ディーフノ
ラテン文字:deichno
中世ギリシャ語の δείχνω を継承。これは古代ギリシャ語 δεικνύω / δείκνυμι(示す、見せる、明らかにする)に遡る。
現代形 δείχνω は、古代ギリシャ語のアオリスト ἔδειξα の語幹 δειξ- をもとに、中世ギリシャ語で -χνω 型に作り替えられた形とされる。
古代ギリシャ語 δεικνύω / δείκνυμι は、印欧祖語で「示す、指し示す」を表す語根に由来する。英語 deictic(直示の)や deixis(直示)は、ギリシャ語 δεικτικός / δεῖξις を経た語。英語 teach や token も、同じ印欧語根に属する。
関連語には δείκτης(指針、指標、人差し指)、απόδειξη(領収書、証明)、δείγμα(見本、サンプル)、ένδειξη(兆候、表示)、επίδειξη(展示、誇示)、αποδεικνύω(証明する)などがある。
受動形 δείχνομαι は、口語で「目立とうとする、見せびらかす」という意味を持つことがある。また δείχτηκε άξιος のように、受動形が「〜であることが示された、証明された」という意味で使われることもある。
ギリシャ語:είμαι
読み方:イメ・イーメ
ラテン文字:eimai
中世ギリシャ語の είμαι を継承。さらに古代ギリシャ語 εἰμί(ある、いる、〜である)に遡る。
εἰμί は、印欧祖語 *h₁es-(ある、存在する)から作られた一人称単数形 *h₁és-mi(エスミ、私はある)に対応する。同じ *h₁es- から作られた三人称単数形 *h₁és-ti(エスティ、彼・それはある)は、古代ギリシャ語 ἐστί に対応する。英語では am が *h₁és-mi、is が *h₁és-ti に対応する。
現代形 είμαι は、古代形をそのまま残したものではなく、κείμαι(横たわる、ある)や στέκομαι(立つ、立っている)のような -μαι 動詞に引かれて作り替えられた形とされる。あるいは、ヘレニズム期ギリシャ語の接続法形に由来するとも説明される。
現在分詞にあたる形は όντας。過去形は ήμουν。未来や完了などは、意味に応じて γίνομαι(なる)、υπάρχω(存在する)、στέκομαι(立っている、位置している)などで補う。
口語や文学的な表記では、語頭が落ちて ΄σαι, ΄ναι, ΄μαστε, ΄μαι などの形で書かれることもある。
印欧祖語の *h₁es- は「ある、存在する」を表す語根である。h₁ は再建された喉音を表す記号で、ここでは細かい音価よりも、後の言語で母音 e と関係する古い要素として見ればよい。
この語根に人称語尾が付いて、現在形の各人称が作られた。読み方は便宜的な目安である。
このうち、古代ギリシャ語 εἰμί に対応するのは一人称単数の *h₁és-mi である。三人称単数の *h₁és-ti は、古代ギリシャ語 ἐστί に対応する。つまり εἰμί と ἐστί は別語ではなく、同じ語根 *h₁es- から作られた同じ動詞の別人称形である。
英語の be 動詞のうち、am と is はこの *h₁es- 系に属する。
一方、英語の be 動詞全体は、歴史的には複数の語根に由来する形が一つの活用体系に合流したものである。
そのため、現代英語の be という見出し語だけを見ると、現代ギリシャ語 είμαι とは形が離れている。しかし、英語 am / is と、古代ギリシャ語 εἰμί / ἐστί は、同じ *h₁es- 系の人称形として対応している。
ギリシャ語:συμπονετικός
読み方:シンボネティコス・シンボネティコース
ラテン文字:symponetikos
συμπονώ(同情する、思いやる)の語幹 συμπονε- に、形容詞を作る接尾辞 -τικός が付いた語。
副詞形は συμπονετικά(思いやりをもって、同情的に)。関連語には συμπόνια(同情、憐れみ)、ευσπλαχνία(慈愛)など。類義語には σπλαχνικός(情け深い、慈悲深い)などがある。
ギリシャ語:συμπονώ
読み方:シンボノ・シンボノー
ラテン文字:sympono
古代ギリシャ語の συμπονῶ(ともに苦しむ、ともに苦労する)を継承。これは σύν(ともに)と πονέω / πονῶ(苦しむ、苦労する)からなる動詞で、後半は πόνος(痛み、苦痛、労苦)と同じ語族に由来。
現代ギリシャ語では、相手の精神的・身体的な痛みを感じ取り、苦しみを和らげようとする態度を表す。英語 compassion も「共に苦しむ」という発想を持つ語。語源は異なるが、ラテン語の構成要素を直訳した翻訳借用のような構造を持っており、意味の作り方は συμπονώ とよく対応している。
派生語には συμπόνια(同情、憐れみ)、συμπονετικός(思いやりのある)、συμπονεύω(同情する、別形)など。類義語に συμπάθεια(同情、好意)、έλεος(慈悲、憐れみ)、οίκτος(憐れみ)、ευσπλαχνία(慈愛)などが挙げられる。
ギリシャ語:ελεημοσύνη
読み方:エレイモシニ・エレイモシーニ
ラテン文字:eleimosyni
ヘレニズム期ギリシャ語の ἐλεημοσύνη(憐れみ、施し)に由来。これは ἐλεήμων(憐れみ深い、慈悲深い)に、性質や状態を表す接尾辞 -σύνη が付いた語。ἐλεήμων は έλεος(慈悲、憐れみ)から作られた形容詞で、動詞 ἐλεέω(憐れむ)とも同じ語族に属する。
もとは憐れみや慈悲を表す語だが、キリスト教の文脈では、貧しい人や困っている人に具体的に与える金品や支援、すなわち施し・喜捨を指す語として定着した。英語 alms も、後期ラテン語 eleemosyna などを経て、同じ ἐλεημοσύνη に遡る。
現代ギリシャ語では、貧しい人や物乞いに与える小さな援助を指すほか、話し手が侮辱的・恩着せがましいと感じる支給や申し出を指して使うこともある。
関連語には έλεος(慈悲、憐れみ)、ευσπλαχνία(慈愛)、αγάπη(愛)、συμπάθεια(同情、好意)、φιλανθρωπία(慈善)など。キリスト教の実践としては νηστεία(断食)、προσευχή(祈り)と並ぶ。
七つの大罪に対応する美徳としては、απληστία(強欲)や φιλαργυρία(金銭欲)に対置される。
ギリシャ語:οίκτος
読み方:イクトス・イークトス
ラテン文字:oiktos
古代ギリシャ語の οἶκτος(憐れみ、哀れみ)に由来。さらに前の語源は確定していない。
οίκτος は、苦しんでいる人や非常に悪い状況にある人に対して抱く、悲しみと同情の感情を指す。ただし、単に温かい思いやりだけでなく、相手を下に見るような憐れみや、軽蔑の混じった同情を表すこともある。
類義語には λύπη(悲しみ、同情)、συμπάθεια(同情、好意)、συμπόνια(同情、憐れみ)、έλεος(慈悲、憐れみ)など。関連語には οικτίρω(憐れむ)、οικτρός(哀れな、惨めな)などの語がある。対照的に、他人の不幸ではなく成功や幸福に向かう否定的感情には φθόνος(妬み)が挙げられる。
ギリシャ語:ευσπλαχνία
読み方:エフスプラフニア・エフスプラフニーア
ラテン文字:efsplachnia
ヘレニズム期ギリシャ語の εὐσπλαγχνία(慈愛、憐れみ深さ)に由来。
これは εὔσπλαγχνος(情け深い、慈悲深い)から作られた抽象名詞で、εὖ(よく、善く)と σπλάγχνα(内臓、はらわた)からなる。
古代ギリシャ語の σπλάγχνον は、主に複数形 σπλάγχνα で内臓を指し、感情の宿るところとしても考えられた。そのため、「よい内臓を持つ」という構成が、深い慈しみや憐れみを表す語につながった。
古代ギリシャ語では「安定、しっかりしていること」を指す用法もあったが、現代ギリシャ語では、人の不幸を悲しみ、助けようとする気持ちなどを表す。
表記には ευσπλαχνία と ευσπλαγχνία があり、前者は子音連続 γχν が χν に簡略化した形である。
類義語には συμπόνια(同情)、έλεος(慈悲)、οίκτος(憐れみ)など。関連語には εύσπλαχνος(情け深い、慈悲深い)、φιλευσπλαχνία(慈悲深さ)などがあり、対義語には ασπλαχνία(無慈悲)などが挙げられる。
ギリシャ語:ευσπλαγχνία
読み方:エフスプラングフニア・エフスプラングフニーア
ラテン文字:efsplagchnia
ευσπλαχνία(慈愛、憐れみ深さ)の別形。意味の中心は同じで、古い子音連続 γχν を保つ形である。
ギリシャ語:έλεος
読み方:エレオス・エーレオス
ラテン文字:eleos
古代ギリシャ語の ἔλεος(憐れみ、慈悲)は、古くは男性名詞としても使われた。ヘレニズム期には πάθος のような中性名詞の型に合わせて το ἔλεος となり、現代ギリシャ語の έλεος はこの中性形に由来。
ἔλεος のさらに前の由来は確定していない。嘆きや悲しみを表す感嘆の声に関係づける説があるが、決定的ではない。
έλεος は、人の苦しみに対する憐れみや助けたい気持ちを指す。聖書や神学の文脈では、罪ある人間に向けられる θεός(神)の愛や慈悲を表現する。関連語には συμπόνια(同情)、οίκτος(憐れみ)、ευσπλαχνία(慈愛)、ελεημοσύνη(施し)など。
成句 στο έλεος του Θεού は「神の慈悲に委ねられて」、転じて「まったく助けのない状態で」という意味にもなる。間投詞的には Έλεος! と言って、「勘弁してくれ」「いい加減にしてくれ」と不満を訴える際にも使われる。
ギリシャ語:στρίγκλα
読み方:ストゥリングラ・ストゥリーングラ
ラテン文字:strigkla
中世ギリシャ語 στρίγκλα と στρίγλα を継承。語源的には、ラテン語 *strigula からの再借用で、これは striga(夜に叫び、子どもに害をなす悪い霊)の指小形。さらにラテン語 strix(不吉なフクロウ)に遡り、これはヘレニズム期ギリシャ語 στρίγξ(フクロウ)に由来する。
民間伝承では、痩せて醜い老女の姿をした悪霊で、特に産婦や乳児に魔術で害をなす存在とされた。比喩的には、非常に気むずかしく意地悪な女性をののしる語として使われる。この比喩的な意味では、男性形 στρίγκλος / στρίγλος も存在する。
関連語には μέγαιρα(意地悪で気むずかしい女)、λάμια(ラミア、人食いの女の怪物)、σκύλα(雌犬、嫌な女)、γριά(老女)、μαγεία(魔術)、δαίμονας(悪霊、精霊)などが挙げられる。