#災害
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ギリシャ語:ηφαίστειο
読み方:イフェスティオ・イフェースティオ
ラテン文字:ifaisteio
フランス語 volcan の翻訳借用として近代に作られた語。古代ギリシャの火と鍛冶の神 Ήφαιστος(ヘファイストス)にちなむ「ヘファイストスの場所」という意味の構成。形容詞 ηφαίστειος(ヘファイストスの)の中性形を名詞化したもの。
ラテン語の火神 Vulcanus(ウルカヌス)にちなんで volcanus や volcano が西欧諸語の「火山」の名称となっており、これを翻訳借用する際、ギリシャ語側ではローマの火神に対応するギリシャの火神 Ήφαιστος を選んだ。
派生語には ηφαιστειακή πέτρα(火山岩)のほか、ηφαιστειακός(火山の)、ηφαιστειολογία(火山学)、ηφαιστειολόγος(火山学者)などがある。
ギリシャ語:κατολίσθηση
読み方:カトリスシシ・カトリースシシ・カトリスティシ・カトリースティシ
ラテン文字:katolisthisi
ヘレニズム期ギリシャ語 κατολίσθησις(下へ滑り落ちること、← κατά-「下へ」+ ὀλίσθησις「滑ること」, ← ὀλισθάνω「滑る」)を、近代以降に書きことばから再導入した学術借用(λόγιο διαχρονικό δάνειο)に、フランス語 glissement de terrain(地滑り、文字どおり「土地の滑り」)の意味用法を取り込んだ意味借用(σημασιολογικό δάνειο)の層を併せ持つ、二層構造の近代地質学用語。語末は古代の -σις が中世以降のパターン -ση に音変化した形。
源にある古代の動詞 ὀλισθάνω(滑る、滑り落ちる、過つ)は、印欧祖語の「滑る、滑らかな」を表す語根に由来し、ラテン語 lābī(滑る、流れ落ちる、← 英 lapse「過失、経過」, collapse「崩壊」, elapse「経過する」)と同族。古代ギリシャ語の ὀλισθάνω からは、現代ギリシャ語に ολίσθηση(滑り、誤ち), ολισθαίνω / ολισθαίρω(滑る、書きことば), ολισθηρός(滑りやすい、危険な), αντιολισθητικός(滑り止めの、雪道用タイヤなど)が継承され、地質・交通安全・抽象的「過失」の語彙として広く使われる。
接頭辞 κατά- は「下へ、徹底的に」を表す古代以来の生産的な造語要素で、自然現象・運動方向を表す合成語に頻出する:κατάβαση(下降、下りること), κατακρήμνιση(崩落), κατάπτωση(落下、下落), καταρράκτης(滝、← 「下に注ぐもの」), κατακλυσμός(洪水、← 「徹底的な氾濫」、聖書のノアの大洪水)が並ぶ。
近代地質学・防災の用語としての κατολίσθηση は、19-20 世紀の地質学・土木工学の発達とともに、ヨーロッパ各語の地滑り語彙が国際的に標準化される過程で確立された:英 landslide / landslip, 仏 glissement de terrain, 独 Erdrutsch, 伊 frana, 西 deslizamiento de tierra。
派生・関連語族として κατολισθήσεις(複数形、地すべり群), κατολισθαίνω(滑り落ちる、書きことばの動詞), κατολισθητικός(地すべり性の、形容詞), αντικατολισθητικός(地すべり防止の), ζώνη κατολισθήσεων(地すべり地帯), κίνδυνος κατολίσθησης(地すべりの危険), μηχανική κατολισθήσεων(地すべり力学)。
ギリシャの地質では、急峻な山岳地形と、地中海性気候の集中豪雨、頻発する地震、伝統的な森林伐採による土壌の脆弱化が、土砂崩れ・地すべりの主要な原因となる。特にエペイロス、トラキア、北部マケドニア、クレタ島などの山岳地帯では、毎年雨季・地震後に κατολισθήσεις が発生し、道路・農地・住居への被害をもたらす。EU の防災・国土保全政策、ギリシャ政府の地質調査研究所(ΙΓΜΕ, Ινστιτούτο Γεωλογικών και Μεταλλευτικών Ερευνών)の調査対象としても、現代の重要な地学・防災課題を表す語。
同じ自然災害の領域には、近い概念として σεισμός(地震), πλημμύρα(洪水), ηφαιστειακή έκρηξη(火山噴火), χιονοστιβάδα(雪崩), κατάρρευση(崩壊), ξεριζωμός εδάφους(土壌剥離)が並び、地質・気象・防災の語彙体系の中で位置づけられる。κατολίσθηση は地中海地域の山岳地帯特有の自然災害として、近代の自然観・防災意識の中核を成す概念語。
ギリシャ語:καταστροφή
読み方:カタストゥロフィ・カタストゥロフィー
ラテン文字:katastrofi
ギリシャ語:πλημμύρα
読み方:プリミラ・プリミーラ
ラテン文字:plimmyra
古代ギリシャ語の πλήμυρα(満潮、洪水)を継承。動詞 πίμπλημι(満たす)と同じ語根から生まれた語で、印欧祖語で「満たす」を表す語根に由来する。のちに πλήν(除いて)と μύρομαι(流れる)の合成と見なされて -μμ- の綴りが定着し、アクセントも後ろに移って今の形になった。
派生語に πλημμυρίζω(洪水になる、あふれさせる)、πλημμυρίδα(満潮)。
ギリシャ語:σεισμός
読み方:シズモス・シズモース
ラテン文字:seismos
古代ギリシャ語の σεισμός(揺れ、震動、地震)を継承。σείω(揺さぶる)を名詞化した語で、古代では γῆς σεισμός(大地の揺れ)の略として地震を指していた。
英語 seismic(地震の), seismology(地震学)も同じ語源。派生語に μετασεισμός(余震), σεισμικός(地震の)。
ギリシャ語:ξηρασία
読み方:クシラシア・クシラシーア
ラテン文字:xirasia
古代ギリシャ語の ξηρασία(乾き、乾燥状態)を継承。形容詞 ξηρός(乾いた)から動詞 ξηραίνω(乾かす、乾く)を経て作られた名詞。ヘレニズム期は「乾燥状態」一般を指したが、今は特に長期間の無降雨、つまり干ばつを言うことが多い。
派生語に ξηρότητα(乾燥度、素っ気なさ)など。近い語に ανυδρία, αβροχιά, ανομβρία(どれも「雨・水の不足」)。反対は υγρασία(湿気、湿度)。ギリシャ語の ξηρός は英語の xero- にも入って、xerography(乾式複写、「Xerox」の語源), xerophyte(乾生植物)などを作る。
ギリシャ語:έκρηξη
読み方:エクリクシ・エークリクシ
ラテン文字:ekrixi
古代ギリシャ語の ἔκρηξις(破裂)から。ἐκ-(外へ)+ ῥήγνυμι(壊す、破裂させる)からなり、内部の圧力が外へ弾ける動きを表す。
ῥήγνυμι は英語 hemorrhage(出血、αἷμα「血」+ ῥήγνυμι から)の語根でもある。
動詞形は εκρήγνυμαι(爆発する)。派生語に εκρηκτικός(爆発的な、火薬の)、εκρηκτικότητα(爆発性)など。関連語に ανάφλεξη(着火、点火)、ρωγμή(亀裂)、διάρρηξη(破壊、侵入)、σκάσιμο(破裂、パンク)など。
連語
自然 
中性名詞
地学 


火・炎
事故 