ギリシャ語:απορία
読み方:アポリア・アポリーア
ラテン文字:aporia
古代ギリシャ語の ἀπορία(アポリア)に由来。否定の接頭辞 ἀ- と πόρος(通り道、手立て)から成る語。
形容詞 ἄπορος(手立てがない、行き詰まった)から転じ、思考が立ち往生する「当惑」や「解決不能な難問」を指すようになった。現代ギリシャ語の動詞 απορώ は「不思議に思う、疑う」を意味する。英語の aporia は、ラテン語を経由してそのまま借用されたものである。
#問題・課題 該当語 14 件。単語の詳細は各ページで確認できます。
ギリシャ語:απορία
読み方:アポリア・アポリーア
ラテン文字:aporia
古代ギリシャ語の ἀπορία(アポリア)に由来。否定の接頭辞 ἀ- と πόρος(通り道、手立て)から成る語。
形容詞 ἄπορος(手立てがない、行き詰まった)から転じ、思考が立ち往生する「当惑」や「解決不能な難問」を指すようになった。現代ギリシャ語の動詞 απορώ は「不思議に思う、疑う」を意味する。英語の aporia は、ラテン語を経由してそのまま借用されたものである。
ギリシャ語:δυσκολία
読み方:ディスコリア・ディスコリーア
ラテン文字:dyskolia
δύσκολος(難しい、厄介な)に、性質や状態を表す接尾辞 -ία を付けて作った抽象名詞。対義語は ευκολία(簡単、楽さ)。
ギリシャ語:εμπόδιο
読み方:エボディオ・エボーディオ・エンボディオ・エンボーディオ
ラテン文字:empodio
古代ギリシャ語の ἐμπόδιον(足を取られるもの、邪魔になるもの)に由来。
ἐν(中に、間に)と πούς(足、属格 ποδός)を合わせた形容詞 ἐμπόδιος(足に絡みつく、妨げになる)から作られた中性名詞。
πούς は印欧祖語で「足」を表す語根に由来し、ラテン語 pes(属格 pedis、足)と同系。
英語 impede(妨げる、もとは「足に枷をかける」)や expedite(急がせる、もとは「足を解く」)、pedestrian(歩行者の)なども同根の語。英語 foot も同じ語根から。
派生語には εμποδίζω(妨げる)、εμπόδιση(妨害)、εμπόδισμα(障害)など。同系の語で日常的に使われるのは πόδι(足)。
ギリシャ語:ζήτημα
読み方:ジティマ・ジーティマ・ズィティマ・ズィーティマ
ラテン文字:zitima
古代ギリシャ語の ζήτημα(探求、問題)に由来。
動詞 ζητέω(探す、求める)に、動作の結果を表す接尾辞 -μα を付けた形。現代ギリシャ語の動詞形には ζητώ(求める、探す)などがある。
似た語に πρόβλημα(問題)など。解決を求められる困難は πρόβλημα、議論や検討の対象として取り上げられる案件は ζήτημα と使い分けることが多い。
ギリシャ語:πράγμα
読み方:プラグマ・プラーグマ
ラテン文字:pragma
古代ギリシャ語の πρᾶγμα(物, 事, 事業)に由来。πράττω(行う, する)の名詞形で, 「行われたこと, 扱われる物・事」の意味から出ている。現代の抽象的な「こと, 情勢, 現実」の用法はフランス語 chose, ドイツ語 Ding からの意味借用で輪郭が整った。
くだけた形の πράμα / 複数 πράματα は中世の段階で子音連続 γμ が同化・単純化して生まれた別形で, ふだんの会話や俗な言い回しでよく出てくる。小さく言う πραγματάκι / πραματάκι も同じ場面で使う。
同じ πρᾶγμα の語族に πραγματικός(現実の), πραγματικότητα(現実), πραγματεία(論考), πραγματεύομαι(扱う, 論じる), πραγματοποιώ(実現する)。意味の受け皿が広く, はっきり「問題, 困りごと」を指したいときは πρόβλημα(問題, 課題)のほうが明確。
ギリシャ語:ανοιχτός
読み方:アニフトス・アニフトース
ラテン文字:anoichtos
ヘレニズム期の古代ギリシャ語 ἀνοικτός(開けられる、開くことができる)に由来する。中世ギリシャ語では子音連続 kt が xt に変化した民衆形から ανοιχτός(一般的な綴り)が定着し、いっぽうで文語的な借り直しとして ανοικτός(文語的な綴り)も残った。現代では ανοιχτός がより一般的で、対義語には κλειστός(閉じた)が立つ。
意味の核は「閉じていない」「閉ざされていない」。πέλαγος(外洋、海、沖合)のように広く開けた場所、μυαλό(脳、知性、正気)の柔軟さ、ουρανός(空、天)の晴れ具合、営業中の店、まだ決着していない問題など、物理的な開き方から比喩的な広がりまでを広く表す。
副詞 ανοιχτά(開けたままに、率直に) / ανοικτά(同じ意味の別綴り)では、「開けたまま」「沖で」「営業している」のほか、「率直に」「気前よく」の意味でも使う。成句では、手の内を隠さずに進める言い方や、温かく迎える言い方にもよく現れる。
ギリシャ語:ασθένεια
読み方:アスセニア・アスセーニア・アステニア・アステーニア
ラテン文字:astheneia
古代ギリシャ語の ἀσθένεια(弱さ、病気)に由来。ἀσθενής(弱い、病気の)に -εια を付けた抽象名詞で、さらに ἀ-(否定)と σθένος(力、強さ)にさかのぼる。もとは「力がないこと」を表す語。σθένος は Δημοσθένης(デモステネス)、Ἐρατοσθένης(エラトステネス)のようなギリシャ人名にも含まれる語根。
類義語に αρρώστια(病気、病)、νόσος(疾病、病)、νόσημα(疾患)、πάθηση(病変)など。
英語 asthenia(無力症)は古代ギリシャ語 ἀσθένεια からそのまま入った医学用語。σθένος を含む英語の医学用語には myasthenia(筋無力症)、neurasthenia(神経衰弱)、psychasthenia(精神衰弱)、asthenosphere(岩流圏)などがあり、いずれも ἀ- + σθένος の組み合わせをもとにしている。
ギリシャ語:αρρώστια
読み方:アロスティア・アロースティア
ラテン文字:arrostia
ギリシャ語:πονοκέφαλος
読み方:ポノケファロス・ポノケーファロス
ラテン文字:ponokefalos
ギリシャ語:βραχνάς
読み方:ヴラフナス・ヴラフナース
ラテン文字:vrachnas
中世ギリシャ語 βαρυχνάς が、子音 [r] のメタテシス(音位転換)を経て *βαρχνάς となり、母音調整を経て現代の βραχνάς になった継承語(κληρονομιά)。源にあるのは、古代ギリシャ語 βαρύς(重い)と ὕπνος(眠り)の合成語 *βαρυ-υπνάς「重い眠りに落ちた者、深く眠っている者」で、語中の連続した母音と子音の整理([pn > fn > xn] の音変化、つまり ὕπνος の語幹 [pn] が摩擦音化)を経て、最終的に βραχνάς の形に至った。
源にある古代の ὕπνος(眠り)はラテン語 somnus(眠り、英語 somnambulism「夢遊病」, insomnia「不眠症」の語源)と同系統で、印欧祖語の「眠る」を表す語根に由来する。同じ ὕπνος から英語 hypnosis(催眠), hypnotic(催眠の), hypnotism(催眠術)など、近代の心理学・医学用語が広まっている。
もとは「金縛り、悪夢、睡眠中の胸の圧迫感」を指す具体的な体験を表していたが、現代では比喩的に「精神的な重圧、厄介事、深刻なストレス源」を広く指す中心語となった。同じ意味展開は英語 nightmare(夜の悪夢 → 比喩的に「悪夢のような状況」)にも見られる平行例。
派生・関連語族として βραχνιάζω(しわがれ声になる、別語源だが同形), βραχνάδα(しわがれ声、声の不調、別語源だが同形)。なお、βραχνάς(重圧、悪夢)と βραχνός(しわがれた、声の不調)は同形で混同されやすいが、後者は古代 βραγχνός「しわがれた」由来の別系統。類義語に εφιάλτης(悪夢、← 古代の悪夢の擬人化された神 Ἐφιάλτης), μπελάς(厄介事、← トルコ語 belâ), πίεση(プレッシャー、心理的圧力), στενοχώρια(憂慮、悩み)。
ギリシャ語:πρόβλημα
読み方:プロヴリマ・プローヴリマ
ラテン文字:provlima
古代ギリシャ語の πρόβλημα(前に差し出されたもの, 課題)に由来。πρό(前に)+ βάλλω(投げる, 置く)からできた προβάλλω(前に出す, 差し出す)の名詞形で, 突き出た地形や防御物, 検討用の課題など複数の意味が重なる。現代ギリシャ語の「問題, 不具合」「学問上の設題」の用法は, フランス語 problème, 英語 problem の意味配置と重なって整った。
英語 problem, フランス語 problème, ドイツ語 Problem もラテン語 problema を経て同じ語源。派生に προβληματικός(問題のある, 疑わしい), προβληματίζω(悩ませる, 考えさせる), προβληματισμός(熟考, 問題意識)。
ζήτημα(事項, 案件)は話し合うべき事柄, θέμα(テーマ, 話題)は主題や話題を言うことが多い。πρόβλημα は対処や解決を要する困難や不具合を指すことが多い。