#🤔 哲学・思考
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ギリシャ語:ιδέα
読み方:イデア・イデーア
ラテン文字:idea
「見る」を意味する古代ギリシャ語の動詞から派生した女性名詞 ἰδέα(形, 見え方, 観念)に由来。見た姿やそこから浮かぶ観念を古代から表し, プラトン哲学では本質や原型の意味で中心概念になった。日常的な「考え, 着想」としての使い方は, フランス語 idée, 英語 idea からの意味借用で定着した。
派生語に ιδεώδης(理想的な), ιδεαλισμός(理想主義、観念論), ιδεολογία(イデオロギー), ιδεατός(観念上の)など。類義語に σκέψη(思考)。英語 idea はラテン語 idea を経て同じ古代ギリシャ語から。
ギリシャ語:μνήμη
読み方:ムニミ・ムニーミ
ラテン文字:mnimi
古代ギリシャ語の動詞 μνάομαι(思い出す、心に留める)から派生した μνήμη(記憶、追憶)に由来。英語 amnesia(記憶喪失)も同じ語源。
ギリシャ語:ενθουσιασμός
読み方:エンスシアズモス・エンスシアズモース・エントゥシアズモス・エントゥシアズモース
ラテン文字:enthousiasmos
ギリシャ語:αντιλαμβάνομαι
読み方:アディラムヴァノメ・アディラムヴァーノメ・アンディラムヴァノメ・アンディラムヴァーノメ
ラテン文字:antilamvanomai
古代ギリシャ語の ἀντιλαμβάνομαι(受け取る、捉える、気づく)に由来。αντί(対して、応じて)と λαμβάνω(取る、受け取る)を合わせた中動相の動詞で、もとは「自分の側へ取り込む」の意味。そこから感覚や思考で対象を捉えることを表すようになった。書き言葉では三人称で αντελήφθη のような古風な形も現れる。
名詞形は αντίληψη(知覚、理解)。動詞 βλέπω(見る、見える)が視覚を広く担うのに対し、αντιλαμβάνομαι は気づく、事情をのみこむ、意図を読み取るところまで含む。
λαμβάνω は印欧祖語で「取る、つかむ」を意味する語根にさかのぼり、同じ動詞から συλλαμβάνω(ともに取る、捕える → 英語 syllable)、επιλαμβάνομαι(〜に取りかかる → 英語 epilepsy)など多くの合成語が作られた。
ギリシャ語:κεφάλι
読み方:ケファリ・ケファーリ
ラテン文字:kefali
古代ギリシャ語 κεφαλή(頭)を継承。ヘレニズム期の指小形 κεφάλιον(小さな頭)が中世ギリシャ語の κεφάλιν を経て, 語末の -ν が脱落して現代ギリシャ語の κεφάλι の形になった。
派生に κεφαλιά(頭突き, ヘディング), κεφαλάκι(小さな頭, 指小形), κεφάλα(大きな頭, 増大形), κεφάλας(大頭の人)。同じ語族に κεφάλαιο(資本, 章), κεφαλαίος(大文字の), κεφαλικός(頭の), κέφαλος(ボラ)。合成語に κεφαλόδεσμος(鉢巻), κεφαλοκλείδωμα(ヘッドロック), κεφαλόποδα(頭足類), περικεφαλαία(兜), πονοκέφαλος(頭痛)。
ギリシャ語:συνείδηση
読み方:シニディシ・シニーディシ
ラテン文字:syneidisi
古代ギリシャ語の συνείδησις(意識、良心)から。近代にはフランス語 conscience(良心、意識)の意味の影響も重なり、現代ギリシャ語では語尾が -ση(抽象名詞を作る現代的な語尾)の形に整えられた語として、古くからの「良心」に加えて「意識」「自覚」「職業的良心」「信条」といった周辺の用法も広く担うようになった。
哲学的な「意識」の意味はヘレニズム期の用法にさかのぼる。一方で、日常的な「自覚」や、社会的な文脈での「歴史意識」「階級意識」のような広がりは、近代以後の意味の押し広げ方を反映している。
主な意味は、心の働きとしての「意識」「自覚」と、道徳的な判断を支える「良心」。そこからさらに、意識のある状態、哲学用語としての意識、仕事への責任感、集団への帰属意識、個人の信条まで幅広く表す。
συνείδηση は固定表現の多い語でもある。たとえば καθαρή συνείδηση(清らかな良心)、κρίση συνειδήσεως(良心の葛藤)、επαγγελματική συνείδηση(職業的良心)、ιστορική συνείδηση(歴史意識)、αντιρρησίας συνείδησης(良心的兵役拒否者、良心的反対者)のように、個人の内面から社会的立場までを一語でまとめて言える。
ギリシャ語:ευφυΐα
読み方:エフィア・エフィーア
ラテン文字:efyia
古代ギリシャ語の εὐφυΐα(優れた資質、生まれつきの才能)からの学術借用。形容詞 εὐφυής(生まれつき優れた、εὖ「よく」+ φυή「生まれつきの性質、体格」+ -ής)から作られた抽象名詞。φυή は動詞 φύω(生える、生まれる)の派生名詞で、印欧祖語「現れる、生まれる、育つ」の根に由来する。英語 be はこの根から生まれた代表的な語で、ラテン語 fuī(あった)/ fiō(なる)、サンスクリット bhávati(なる、ある)なども同じ根から来ている。
派生・関連語に ευφυής(聡明な、才気ある)、ευφυώς(聡明に)、ευφυολόγημα(気の利いた言葉、ウィット)、ευφυολογία(機知)、ευφυολόγος(ウィットに富んだ人)、δυσφυΐα(愚鈍)など。類義語に νοημοσύνη(知能、知性)、διάνοια(知性、思考力)、μυαλό(脳、頭、知恵)。
英語 physical(身体の、物理の)、physics(物理学)、physique(体格)、physiology(生理学)は、同じ φύω の根から生まれた φύσις(自然、性質)や φυτόν(植物)をもとにした学術語。
ギリシャ語:νοημοσύνη
読み方:ノイモシニ・ノイモシーニ
ラテン文字:noimosyni
νοημοσύνη(知能、知性)は文語的に、νοήμων(知的な、分別のある)に抽象名詞を作る接尾辞 -οσύνη(〜であること、〜さを表す接尾辞)が付いてできた語。現代ギリシャ語では、人の頭の働きや知的能力をやや硬い言い方でまとめて表す。
近い語では、ευφυΐα(聡明さ、機転のよさ)が生まれつきの才気やひらめきの鋭さを言いやすい。日常会話で「頭のよさ」を言うなら、μυαλό(脳、頭)のほうがくだけた言い方として出やすい。
同じ語族に νόηση(認知、知性作用)や νους(精神、心、理性)がある。νόηση が理解や認知の働きそのものを指しやすいのに対し、νοημοσύνη はそうした働きを支える能力や頭のよさを言うときに使いやすい。
主な意味は「知能」「知性」。心理学では、知覚、記憶、連想、想像、注意、思考といった認知能力の総体を指し、とくに新しい状況への適応や、類似・差異・関係を見分ける力を含めていう。知能検査、知能指数、人工知能のような硬い表現でもよく使われる。
ギリシャ語:διάνοια
読み方:ディアニア・ディアーニア
ラテン文字:dianoia
διάνοια は古代ギリシャ語から文語で入った語で、古代ギリシャ語では心の働きや思考を表す語として使われていた。古典語からほぼ同じ形のまま現代ギリシャ語に受け継がれている。
現代ギリシャ語でもその延長で、知性を表すほか、法律では知的創作物を指し、人については非常に聡明な人物をいうのにも使われる。
近い語に νους(精神、心、理性)がある。διάνοια はその中でも、考える力や知的な働き、創造的な才覚を強調したい場面で使いやすい。
主な意味は「知性」。そこから法律での「知的創作物」や、並外れて知的な人物を表す用法もある。
ギリシャ語:νόηση
読み方:ノイシ・ノーイシ
ラテン文字:noisi
名詞 νόος(精神)から派生した動詞 νοέω / νοώ(考える, 理解する), さらにそこから派生した古代ギリシャ語の女性名詞 νόησις(理解, 知的把握)から。語尾 -σις が -ση に変わって現代ギリシャ語の νόηση の形になった。
同じ語族に νους(精神, 理性, νόος の縮約形), νοώ(考える, 理解する), νόημα(意味, 意図), νοήμων(知的な, 理解のある), νοητικός(認知の, 知的な), νοητός(思念される)。合成語に διανόηση(思索), κατανόηση(理解), επινόηση(発明, 考案), παρανόηση(誤解)。
ギリシャ語:μυαλό
読み方:ミアロ・ミアロー
ラテン文字:myalo
古代ギリシャ語 μῠελός(骨髄、髄)が起源。もとは骨の中の「髄」全般を指していたが、ヘレニズム期に μυαλός(髄)の形が生まれ、中世ギリシャ語では μυαλόν(脳)と中性化した。これは κεφάλι(頭)などの中性名詞の語尾に引かれたものとされる。現代ギリシャ語では μυαλό の形で定着している。
やがて頭蓋骨の中にある「脳」を主に指すようになり、さらに「知性」や「考え方」の意味も表すようになった。英語の myeloid(骨髄性の)や myelin(ミエリン)と語源を共有する。
類義語の νους(精神、理性)に比べ、μυαλό はより日常的で具象的な表現に用いられる。
主な意味は物質としての「脳」で、食用の動物の脳も指す。そこから思考の拠点としての「知性」「精神」、さらに「思慮」「分別」「正気」も表す。
ギリシャ語:φιλοσοφία
読み方:フィロソフィア・フィロソフィーア
ラテン文字:filosofia
古代ギリシャ語の φιλεῖν(愛する)と σοφία(知恵)からなる φιλοσοφία(知を愛すること)に由来。英語 philosophy をはじめ、ヨーロッパ諸言語の「哲学」の語源でもある。
派生語に φιλόσοφος(哲学者)、φιλοσοφικός(哲学的な)、φιλοσοφώ(思索する、哲学する)がある。
主な意味は真理や知識の探究としての哲学だが、学問体系としての哲学、特定の原理や考え方、日常的な深い思考や人生観にも用いられる。
ギリシャ語:μυστικισμός
読み方:ミスティキズモス・ミスティキズモース
ラテン文字:mystikismos
フランス語の mysticisme からの借用語。フランス語 mysticisme は、ギリシャ語由来のフランス語 mystique(神秘的な、秘儀の)に、-isme(〜主義、〜論)が加わったもの。英語の mysticism と語源を共有する。
近い語に μυστήριο(秘跡、謎、密儀)や μυστικό(秘密、神秘)がある。どちらも「秘儀」「神秘」「秘密」の領域に近い語だが、μυστικισμός は思想や態度としての神秘主義を指す。
また、近い領域の語に αποκρυφισμός(オカルティズム)や εσωτερισμός(秘教)がある。αποκρυφισμός が超感覚的な力に関する知識や実践に寄り、εσωτερισμός が入門者だけに共有される教義体系に寄るのに対し、μυστικισμός は直感や脱魂を通じた絶対者・神性との合一に重点がある。
派生語には μυστικιστής(神秘主義者)、μυστικιστικός(神秘主義的な)がある。
主な意味は「神秘主義」。感覚や理性を介さず、直感や脱魂(エクスタシー)を通じて絶対者や神性との合一を目指す思想や態度を指す。そこから、隠微なものや神秘的なものに過度に惹かれる傾向、あるいは物事を秘密にしようとする性質を指すこともある。
ギリシャ語:είδωλο
読み方:イドロ・イードロ
ラテン文字:eidolo
古代ギリシャ語の εἴδωλον(像、形、幻、神像)から。είδος(形)に指小の -ωλον が付いた語。「見る、知る」の語根に連なり、ιδέα(考え、観念)や είδηση(ニュース)とは兄弟語。
ラテン語 īdōlum を経て英語 idol(偶像)、その複数形から idola(イドラ、偏見)が生まれ、eidolon(幻影)、pareidolia(パレイドリア、無意味なものに顔や形を見る現象)も同じ語源。
派生語・関連語に ειδωλολατρία(偶像崇拝)、ειδώλιο(小像、フィギュア)、ξόανο(古代の木製神像)、ίνδαλμα(憧れの的、典型)など。
ギリシャ語:εσωτερισμός
読み方:エソテリズモス・エソテリズモース
ラテン文字:esoterismos
古代ギリシャ語で「内側」を意味する ἔσω から派生した形容詞 ἐσωτερικός(内側の、内輪の)が語源。古代の哲学では、門弟にのみ教える秘密の教義を ἐσωτερικά(内側のもの)と呼び、一般向けの ἐξωτερικά(外向きのもの)と区別していた。
英語の esoteric もこの ἐσωτερικός から生まれた語で、名詞形の esotericism やフランス語の ésotérisme へと展開した。εσωτερισμός はこれらの西欧語から現代ギリシャ語に取り入れられた。
類義語に αποκρυφισμός(オカルティズム)や μυστικισμός(神秘主義)がある。
主な意味は、入門者のみに知識を共有する秘教的な教義体系。宗教的、神秘的、哲学的エゾテリズムといった使い分けがある。また、作品が持つ内面的な深みを指す「内面性」の意味もある。
ギリシャ語:διαλογισμός
読み方:ディアロイズモス・ディアロイズモース・ディアロギズモス・ディアロギズモース
ラテン文字:dialogismos
古代ギリシャ語の διαλογισμός に由来。動詞 διαλογίζομαι に名詞化の接尾辞 -μός がついた語で、その διαλογίζομαι は前置詞 διά(〜を通して)と動詞 λογίζομαι(計算する、考量する)の合成。さらに λογίζομαι は λόγος(言葉、理、筋道)に動詞化の -ίζω がついた形で、計算・勘定と知的な考量の両面を含む語だった。ヘレニズム期の διαλογισμός には「勘定の精算」という具体的な意味と、「熟考、吟味、議論」といった知的な意味が並行してあり、現代ギリシャ語の「瞑想、深い思考」「論理的推理」はこの後者の流れを受け継いでいる。
類義語に σκέψη(思考)、στοχασμός(思索)、συλλογισμός(推論、三段論法)など。
ギリシャ語:αίρεση
読み方:エレシ・エーレシ
ラテン文字:airesi
動詞 αἱρέω(取る, 選ぶ)から派生した古代ギリシャ語の女性名詞 αἵρεσις(選択, 傾向, 学派)に由来。語尾 -σις が -ση に変わって現代ギリシャ語の αίρεση の形になった。
派生に αιρετικός(異端の, 選挙の), αιρεσιάρχης(異端の指導者), εξαίρεση(例外)。
英語 heresy(異端)もラテン語 haeresis を経て同じ語源。
ギリシャ語:θέση
読み方:セシ・セーシ・テシ・テーシ
ラテン文字:thesi
古代ギリシャ語の θέσις(置くこと、設置)に由来する。θέσις は「置く」を意味する動詞 τίθημι から派生した名詞で、もともとは「置くこと」「置かれた状態」を表した。中世ギリシャ語を経て現代ギリシャ語の θέση となり、基本義である「置かれた場所」から、物理的な位置、座席、姿勢、社会的な地位、意見の立場まで幅広く指すようになった。
フランス語 place(場所、地位)や position(位置、立場)の語義の影響も受けている。
英語の thesis(テーゼ、命題)も、古代ギリシャ語の θέσις(置くこと、設置)と同じ語源から来ている。「置くこと」から「提示された考え」「主張」へ意味が広がった語で、現代ギリシャ語の θέση が「見解、立場」も指すこととつながりがある。
類義語には μέρος(場所、部分)、χώρος(空間、場所)、στάση(姿勢、態度)、πόστο(役職、持ち場)がある。μέρος は部分や場所、χώρος は広がりのある空間、στάση は体の姿勢や態度、πόστο は職場での持ち場やポストを指す。
主な意味は「位置、場所」。人や物が置かれた場所から、座席、体や物の姿勢、順位、社会的な地位や職務、募集枠、置かれた状況、見解や立場、社会や人生における役割や重要性まで、広い範囲で使われる。
指小語の θεσούλα は、皮肉を込めて公務員の安定したポストを指すことがあるほか、ちょっとした席や小さなスペースも指す。複合表現には χάρτης θέσης(位置図、所在マップ)や φώτα θέσης(車幅灯)がある。
ギリシャ語:θεωρία
読み方:セオリア・セオリーア・テオリア・テオリーア
ラテン文字:theoria
古代ギリシャ語の θεωρία(見ること, 観察, 熟考)に由来。θεωρός(使節, 観覧者)に抽象名詞の接尾辞 -ία が付いてできた語で, θέα(見ること, 眺め)を根にもつ語族の一員。「理論」「空論」「学説」の現代の使い分けは, フランス語 théorie, ドイツ語 Theorie, 英語 theory の意味配置と重なって整った。
派生に形容詞 θεωρητικός(理論的な)。「美しい外見」の古い意味からは民衆語の θωριά(風貌, 外見)が生まれた。
同じ θέα の語族に動詞 θεωρώ(見なす, 考える), θέατρο(劇場, 観る場所), θεώρημα(定理, 観察されたもの)。英語 theory(理論), theater(劇場), theorem(定理)はすべてこの語族からの学術借用。対になる πράξη(実践, 実行)とは「理論と実践」の対で対比される。類義の άποψη(意見, 見解), υπόθεση(仮説)は広く日常で使う。
ギリシャ語:αναλήθεια
読み方:アナリシア・アナリーシア・アナリティア・アナリーティア
ラテン文字:analitheia
ギリシャ語:αλήθεια
読み方:アリシア・アリーシア・アリティア・アリーティア
ラテン文字:alitheia
ギリシャ語:στοιχείο
読み方:スティヒオ・スティヒーオ
ラテン文字:stoicheio
古代ギリシャ語の στοιχεῖον(列をなすもの、段階)から。転じて「物質の構成成分」「基本単位」「アルファベットの文字」を指すようになった。近代以降はフランス語の élément(要素)や principe(原理)の語義に対応する形で、科学、法学、社会学など幅広い分野で用いられる。
英語の element の語源はラテン語の elementum(要素)だが、これはギリシャ語の στοιχεῖον の概念を翻訳借用したものと考えられている。
同じ στοιχεῖον を起源とする στοιχειό(守護霊、精霊) とはアクセントの位置が異なる別の語である。
派生語に στοιχειώδης(初歩的な、基本的な)や στοιχειώνω(幽霊が出る、根付く)がある。
主な意味は「要素」「成分」で、物質や事柄を構成する最小単位を指す。比喩的に、人の性格、情報のデータ、あるいは自分が得意とする分野(本領)を指す際にも使われる。化学では元素(χημικό στοιχείο)、印刷では活字、哲学では四元素というように、幅広い分野でそれぞれ専門的な意味を持つ。文脈に応じて συστατικό(成分)や δεδομένα(データ)とも言い換えられる。
ギリシャ語:αξία
読み方:アクシア・アクシーア
ラテン文字:axia
古代ギリシャ語の形容詞 ἄξιος(ふさわしい、価値がある)の女性名詞形 ἀξία を継承。英語の axiology(価値論)や axiom(公理)の axio- も同じ起源。現代の「価格」「重要性」などの用法にはフランス語 valeur、「音価」などの専門用法にはドイツ語 Wert の意味借用が含まれる。
類義語の τιμή は市場での「値段」や、名誉としての「誉れ」を指すのに対し、αξία はより本質的な「価値」や「値打ち」を表す。σπουδαιότητα は物事の重要性に焦点を当てた語である。
派生語には、άξιος(価値のある、有能な)、αξιολογία(価値論、評価)、πολύτιμος(貴重な)、απαξία(無価値、軽蔑)がある。
主な意味は「価値」。人間の美徳や能力、物事の重要性、芸術的な質、社会的な価値観、経済的な価格や有価証券、音楽の音価、文法上の用法まで、きわめて広い範囲で使われる。
ギリシャ語:κοινή λογική
読み方:キニロイキ・キニーロイキ・キニロギキ・キニーロギキ
ラテン文字:koini logiki
κοινός(共通の)と λογική(論理)からなる連語。ギリシャ語では「共通の論理」と表現するが、英語の common sense やフランス語の sens commun、ドイツ語の Gemeinsinn など、多くのヨーロッパ言語では「共通の感覚」と表現する。
この違いのもとには、アリストテレスが五感の情報を統合・判断する能力として提唱した「共通感覚(κοινή αἴσθησις)」という概念がある。もともとは個人の感覚的な能力を指していたが、時代を経て、社会全体で共有される知識や判断力という意味に変わった。ラテン語で sensus communis と訳されたことで、西欧諸語には「感覚(sense)」の語が定着した。一方、現代ギリシャ語では λογική(論理)が選ばれ、κοινή λογική の形になった。
κοινός νους(共通の知性)も同義で使われる。近い語には γνώμη(意見)、φρόνηση(分別、思慮)がある。
主な意味は「常識」。深く考えるまでもなく、経験や知識から自然にわかる判断力を指す。そこから、ある社会や集団で広く共有されている考え方や慣習としての「社会通念」も表す。
ギリシャ語:λογική
読み方:ロイキ・ロイキー・ロギキ・ロギキー
ラテン文字:logiki
古代ギリシャ語の λογική(論理, 論理学)に由来。形容詞 λογικός(言葉に関する, 理にかなった)の女性形が名詞化した語で, 背景には λόγος(言葉, 理性, 理論)がある。もとは λογική τέχνη(論理の技法)として古代の哲学や修辞で使われた。現代の「論理, ロジック, 常識」の用法はフランス語 logique, 英語 logic からの意味借用で輪郭が整った。
同じ λόγος の語族に λογικός(理にかなった, 論理的な), λογικά(論理的に, 合理的に), λογικότητα(合理性), λογισμός(計算, 勘定), ορθολογισμός(合理主義), παραλογισμός(不合理)。
類義語 μυαλό(頭, 頭脳)や νους(精神, 知性)が思考する主体や能力を指すのに対し, λογική は筋道立った考え方や推論の枠を指す。対義的な語は παράλογο(不条理, 不合理), παραλογισμός(不合理)。英語 logic, logical, logician もこの λογικός の語族からラテン語経由で入った。
ギリシャ語:λόγος
読み方:ロゴス・ローゴス
ラテン文字:logos
λόγος は古代ギリシャ語の λέγω(集める、選ぶ、話す)に由来する名詞。古代から「言葉」「話」「理性」「根拠」「計算」などを広く表し、現代ギリシャ語でもその多義性を引き継いでいる。
英語の logic は、λόγος から派生した古代ギリシャ語 λογική(論理学)を経て伝わった語。-logy も λόγος を含む -λογία に由来し、「〜についての学」「論」をつくる。λόγος は現代ギリシャ語の日常語であると同時に、英語の学術語にも痕跡を残している。
通常の複数は λόγοι だが、具体的な「言葉、発言」を表すときは λόγια がよく使われる。λόγια は古代の λόγιον(託宣、キリストの言葉)に由来する形で、現代ギリシャ語では口語的な「言葉、話」として広く現れる。
ομιλία(演説、スピーチ)は、まとまった話を指しやすい。κουβέντα(日常のおしゃべり、会話)は、よりくだけた会話に寄る。派生語には、ちょっとした言葉を表す λογάκι(ちょっとした言葉)や、短くつまらない演説を皮肉っぽく言う λογύδριο(短くつまらない演説)がある。
主な意味は「言葉」「話」「理性」「理由」。人間の話す能力、具体的な発言、演説、評判、命令や約束、説明責任や理由、理性的な判断、神学上の「ロゴス」、数学的な比率まで、非常に広い範囲をカバーする。
さらに口語では του λόγου (σου/του...) の形で、「あなた様」「彼自身」のように、やや丁寧または親愛をこめて人を指すことがある。こうした言い方は、日常の呼びかけや定型句にも残っている。
ギリシャ語:γνώση
読み方:グノシ・グノーシ
ラテン文字:gnosi
印欧祖語で「知る」を表す語根にさかのぼる動詞 γιγνώσκω(知る)から派生した古代ギリシャ語の女性名詞 γνῶσις(知識)に由来。語尾 -σις が -ση に変わって現代ギリシャ語の γνώση の形になった。英語の gno- を含む gnostic, diagnosis, prognosis, recognize も同じ語族。
同じ語族に動詞 γνωρίζω(知る, 知らせる), γνωστός(知られている, 知人), γνωστικός(認識の, 知的な), γνώμη(意見, 判断), γνώμων(指標), άγνοια(無知), αναγνώριση(認識)。合成語に επίγνωση(自覚), διάγνωση(診断), πρόγνωση(予後, 予測), γνωσιολογία(認識論)。
μάθηση(学習)は学ぶ過程, παιδεία(教育, 教養)は全人格的形成, σοφία(知恵)は知を正しく使う洞察を指す。
ギリシャ語:πρόβλημα
読み方:プロヴリマ・プローヴリマ
ラテン文字:provlima
古代ギリシャ語の πρόβλημα(前に差し出されたもの, 課題)に由来。πρό(前に)+ βάλλω(投げる, 置く)からできた προβάλλω(前に出す, 差し出す)の名詞形で, 突き出た地形や防御物, 検討用の課題など複数の意味が重なる。現代ギリシャ語の「問題, 不具合」「学問上の設題」の用法は, フランス語 problème, 英語 problem の意味配置と重なって整った。
英語 problem, フランス語 problème, ドイツ語 Problem もラテン語 problema を経て同じ語源。派生に προβληματικός(問題のある, 疑わしい), προβληματίζω(悩ませる, 考えさせる), προβληματισμός(熟考, 問題意識)。
ζήτημα(事項, 案件)は話し合うべき事柄, θέμα(テーマ, 話題)は主題や話題を言うことが多い。πρόβλημα は対処や解決を要する困難や不具合を指すことが多い。
ギリシャ語:πνεύμα
読み方:プネヴマ・プネーヴマ
ラテン文字:pnevma
古代ギリシャ語の πνεῦμα(息, 風, 気息)に由来。印欧祖語で「吹く」を表す語根に続く πνέω(吹く)から, 結果を表す接尾辞 -μα を付けて作られた語。「吹くこと」「呼吸」から, 目に見えない生命力, 精神, 霊へと意味が広がり, のちに文法用語の「気息記号」も指すようになった。「法の精神」「文章の趣旨」のように字面の裏にある真意を指す用法は, フランス語 esprit からの意味借用で整った。
英語 pneumatic(空気圧の), pneumonia(肺炎)も同じ語源。同じ語根から πνεύμονας(肺), πνοή(息, 息吹)も派生。派生に πνευματικός(精神の, 空気圧の), πνευματιστής(心霊主義者), πνευματισμός(心霊主義)。
心を扱う語では, 感情は καρδιά(心臓, 心), 思考や理性は νους(精神, 理性), 魂や生命全体は ψυχή(魂)。πνεύμα は知性, 集団や時代の理念, 霊性の側面を扱う。
ギリシャ語:ψυχή
読み方:プシヒ・プシヒー
ラテン文字:psychi
古代ギリシャ語の ψυχή(息, 呼吸)を継承。印欧祖語で「吹く」を表す語根に続く ψύχω(吹く, 冷やす)から結果を表す -η を付けて作られた語で, 息をすること = 生きていることから「生命, 魂」へと意味が移った。弦楽器の魂柱や鉄骨の芯を指す技術用語としての用法は, ドイツ語 Seele からの意味借用で加わった。
英語 psycho-(心理), psychology(心理学), psychiatry(精神医学)はこの語をもとにした語。派生に ψυχικός(魂の, 精神の), ψυχούλα(愛しい人), ψυχάκι(親しい人)。
心を扱う語では, 感情は καρδιά(心臓, 心), 思考や理性は νους(精神, 理性), 理念や霊性は πνεύμα(精神, 霊)。ψυχή は魂や生命全体としての「心」を扱う。
ギリシャ語:νους
読み方:ヌス
ラテン文字:nous
古代ギリシャ語の νόος(心, 知性)から短縮された νοῦς を継承。前ソクラテス期の哲学で中心概念となり, アナクサゴラスは νοῦς を宇宙を統べる理性として位置づけた。現代の「精神, 心, 理性」の用法はフランス語 esprit, 英語 mind, ドイツ語 Geist からの意味借用で輪郭が整った。
同じ νοῦς の語族に νόηση(知覚, 思考), νοητικός(知的な), νοημοσύνη(知能), νοήμων(知性ある), διάνοια(思考能力, 知性), 合成語 εννοώ(意味する, 理解する), κατανοώ(把握する), παρανοώ(誤解する), δυσνόητος(理解しづらい)。
思考する主体を言うのは νους, 感情の「心」は καρδιά(心臓, 心), 魂や生命の「心」は ψυχή(魂), πνεύμα(霊)が担い, それぞれ英語の psyche, spirit に対応する。頭の働きを気軽に言うときは μυαλό(頭, 頭脳)が一般的。英語 noetic, noesis もこの νοῦς の語族からラテン語経由で入った。

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