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ギリシャ語:ινδός
読み方:インドス・インドース
ラテン文字:indos
古代ギリシャ語の Ἰνδός(インドの人、インダス川)を継承。古代ペルシャ語 hindūš(インド)からの借用で、そこからインド・イラン祖語で「川」を表す語根につながる。もとはインダス川の名で、そこから川のほとりに住む人やその地方、インド全体の呼び名にも移った。
国名は Ινδία(インド)の形で言う。英語 Indian, Indus も同じ系統。
星座のインディアン座は、16世紀末にオランダの航海者カイザーとデ・ハウトマンが観測した南天の星をもとに、オランダの天文学者プランシウス(プランキウスとも)が考案した星座。新しい星座なので神話はない。
ギリシャ語:Κασσιόπη
読み方:カシオピ・カシオーピ
ラテン文字:kassiopi
ギリシャ語:Δράκων
読み方:ドゥラコン・ドゥラーコン
ラテン文字:drakon
古代ギリシャ語の Δράκων に由来。普通名詞 δράκων(龍、大蛇)から固有名に転じた語で、δράκων はさらに動詞 δέρκομαι(注意深く見る、睨む)に由来し、「鋭い目をしたもの」がもとの意味だった。現代ギリシャ語では、龍・ドラゴンを表す普通名詞は δράκος として残り、固有名としては古代形のまま Δράκων が立法者名と星座名に使われている。
男性名 Δράκων は、古代アテネで前7世紀に成文法を制定した立法者の名として特によく知られる。死刑を多用するきわめて厳しい刑罰で名を残し、英語 draconian(苛酷な、厳格な)もこの人物名からラテン語 Dracō を経て入った。英語 Draco(星座名、立法者名)、dragon なども同じ語源。
ギリシャ語:παρθένος
読み方:パルセノス・パルセーノス・パルテノス・パルテーノス
ラテン文字:parthenos
古代ギリシャ語の παρθένος(乙女、処女)に由来。印欧祖語で「胸」を表す語根に続き、もとは母となる前の若い女性を指したとされる。転じて形容詞で「手つかずの、純粋な」の意味でも使う。
アテネのアクロポリスの神殿 Παρθενών(パルテノン)は、処女神 Αθηνά Παρθένος を祀ることから παρθένος をもとに名づけられた。星座名として使うときは先頭を大文字にした Παρθένος(おとめ座)と書き、一般名詞と区別する。英語には παρθένος を含む合成語として parthenogenesis(単為生殖、+ γένεσις「誕生」), parthenocarpy(単為結実、+ καρπός「果実」)がある。
派生に παρθενία, παρθενιά(純潔、処女性), παρθενικός(処女の), παρθενογένεση(単為生殖), εκπαρθενεύω(純潔を奪う)。女性形の παρθένα(乙女、処女)は中世ギリシャ語から続く形で、日常では παρθένα のほうをよく使う。
ギリシャ語:τοξότης
読み方:トクソティス・トクソーティス
ラテン文字:toxotis
古代ギリシャ語の τοξότης(弓使い, 射手)を継承。τόξον(弓)に動作主を作る -της が付いてできた語で, 弓を扱う人を言う。
同じ τόξον の語族に τοξοβόλος(弓兵), τοξικός(弓術の, 毒性の), τοξικό(毒), 動詞 τοξεύω(弓を射る)。英語 toxic, toxin も, 古代ギリシャ語 τοξικόν(弓の矢に塗る毒)から入った語で, 同じ語族。
星座の Τοξότης は黄道十二星座の第九宮に当たる。ギリシャ神話で Τοξότης と結び付けられるのは, ケンタウロスの姿をした弓の射手, あるいは弓の発明者とされる森の精クロトスである。
ギリシャ語:ομάδα
読み方:オマダ・オマーダ
ラテン文字:omada
古代ギリシャ語 ὁμάς(群れ、集まり)の対格 ὁμάδα が受け継がれて、現代ギリシャ語の ομάδα の形になった。ὁμάς は ὁμός(同じ、共通の)の系列に属し、もとは同じ場所に集まる人や動物の群れを指した。
現代のスポーツチームや作業班、グループといった用法は、フランス語 groupe、équipe からの意味借用で近代に整えられた。
派生語に ομαδικός(団体の、集団の)、ομαδικά(集団で)、ομαδοποιώ(グループ化する)、ομαδάρχης(班長、チームリーダー)などがある。
ギリシャ語:δάσκαλος
読み方:ダスカロス・ダースカロス
ラテン文字:daskalos
動詞 διδάσκω(教える)から派生した古代ギリシャ語の男性名詞 διδάσκαλος(教える人)に由来。中世ギリシャ語で語頭の δι- が脱落した δάσκαλος の形になった。
熟達者や巨匠、芸術の師を「先生」と呼ぶ用法には、フランス語 maître からの意味借用も含まれる。
派生語には δασκάλα(女性形)や διδασκαλία(教義)などがある。教育的、あるいは説教くさいことを意味する διδακτικός もその一つ。
関連語として σχολείο(学校)や μάθημα(授業)などが挙げられる。英語の didactic(教訓的な)も、同じ動詞 διδάσκω から派生した単語。
ギリシャ語:ξένος
読み方:クセノス・クセーノス
ラテン文字:xenos
古代ギリシャ語の ξένος(よその人、客人、外国の)を継承。現代の「外国の」「外国人」の使い方は、フランス語 étranger、英語 foreigner からの意味借用で広がった。
派生語に ξενίζω(もてなす、変だと感じる)、ξενικός(外来の)、ξενιτιά(異郷、異国暮らし)。合成語に ξενοδοχείο(ホテル、直訳「客を受け入れる所」)、ξενοδόχος(ホテル経営者)、ξεναγός(旅行ガイド)、φιλοξενία(ホスピタリティ)、φιλόξενος(もてなし好きの)、ξενοφοβία(外国人嫌悪)。
旅人をもてなす ξενία は聖なる義務とされ、Ζεὺς Ξένιος(客人の守護神ゼウス)がその守護者だった。英語 xenophobia(外国人嫌悪)、xenogenesis(異種生殖)、化学元素の xenon(キセノン、「よそ者」の意でギリシャ語から造られた名)は同じ語源につながる。
ギリシャ語:γέρος
読み方:イェロス・イェーロス・ゲロス・ゲーロス
ラテン文字:geros
γέρος(老人、年老いた人)は、古代ギリシャ語の γέρων(老人)に由来する語で、中世ギリシャ語を経て現在の形に至った。いまのギリシャ語でも、年をとった人をかなり直接に言う基本語の一つである。
ηλικία(年齢)が年数や人生段階を言うのに対して、γέρος はその高い年齢を持つ人そのものを指す。より中立的に言いたいときは ηλικιωμένος(高齢の)のような語が選ばれやすい。
主な意味は「老人」「年老いた人」。形容詞的に「老いた」とも使われ、口語では父親や高齢の配偶者を指す言い方にもなる。
ギリシャ語:κλέφτης
読み方:クレフティス・クレーフティス
ラテン文字:kleftis
κλέφτης(泥棒)は、中世ギリシャ語の κλέφτης(泥棒)に由来する。
別形に κλέπτης(泥棒)があり、女性形は κλέφτρα(女の泥棒)。
近い語に διαρρήκτης(空き巣)や ληστής(強盗)がある。κλέφτης は盗みを働く者を広く指し、ληστής はより暴力や脅しを伴う文脈で使われる。
主な意味は「泥棒」。日常の盗人から特定の品を専門に盗む者まで幅広く指す。歴史文脈では主に複数形で山岳地帯の武装集団の一員を表し、植物では風に乗って運ばれる綿毛状の種もいう。
ギリシャ語:ληστής
読み方:リスティス・リスティース
ラテン文字:listis
古代ギリシャ語の λῃστής(強盗, 盗賊)を継承。動詞 λῄζομαι(略奪する)に行為者を作る -της が付いた語。
同じ語族に ληστεία(強盗罪, 略奪), ληστεύω(強盗する), ληστρικός(強盗の, 略奪の), 合成語 λήσταρχος(盗賊団の頭領, ἀρχός「長」を合わせた形), λησταρχείο(盗賊団の根城), ληστοκρατία(盗賊支配)。
類義語 κλέφτης(泥棒)や διαρρήκτης(空き巣)が忍び込んで盗む者を指すのに対し, ληστής は暴力や脅しを伴う強盗で使うことが多い。もっと広く「犯罪者」全般を言うときは κακοποιός。歴史の文脈では武装した盗賊団の一員も ληστής と言う。
ギリシャ語:πρόσωπο
読み方:プロソポ・プローソポ
ラテン文字:prosopo
古代ギリシャ語の πρόσωπον(顔、人、前面)から。
現代ギリシャ語の「人物」「登場人物」「自然人・法人」のような抽象的な意味には、ヘレニズム期以来の用法を文語的に引き継いだ面がある。とくに「人」まわりの意味ではフランス語 personne や personnage、「外観」の意味ではフランス語 face の影響も加わっている。
口語で「表」「正面」を表す使い方には、φάτσα(顔つき、面)に引かれた意味の広がりも見られる。
主な意味は「顔」だが、そこから「人物」「本性や身元」「面目」「法律上の主体」「物語の登場人物」「文法上の人称」「物事の様相や外観」へと広がっている。具体的な顔つきから抽象的な人格や表れ方まで、一つの語で大きくカバーする語である。
表現では κατά πρόσωπο(面と向かって)や πρόσωπο με πρόσωπο(顔を合わせて)がよく使われる。γη(大地)や θεός(神)と結びついた成句もあり、文字どおりの「顔」から離れて、対面性や面目、消息の有無まで表す。
ギリシャ語:παίκτης
読み方:ペクティス・ペークティス
ラテン文字:pektis
ギリシャ語:παίχτης
読み方:ペフティス・ペーフティス
ラテン文字:pextis
παίκτης(プレーヤー、賭け事をする人、選手)の別綴り。kt が xt に変わった日常寄りの形で、意味は同じ。
ゲームの参加者、賭け事をする人、チーム競技の選手を指し、口語では「やり手」の意味にもなる。
ギリシャ語:παίχτρια
読み方:ペフトゥリア・ペーフトゥリア
ラテン文字:pextria
παίκτρια(プレーヤー、賭け事をする人、選手)の別綴り。kt が xt に変わった日常寄りの形で、意味は同じ。
ゲームの参加者、賭け事をする人、チーム競技の選手を指し、口語では「やり手」の意味にもなる。
ギリシャ語:ευφυΐα
読み方:エフィア・エフィーア
ラテン文字:efyia
古代ギリシャ語の εὐφυΐα(優れた資質、生まれつきの才能)からの学術借用。形容詞 εὐφυής(生まれつき優れた、εὖ「よく」+ φυή「生まれつきの性質、体格」+ -ής)から作られた抽象名詞。φυή は動詞 φύω(生える、生まれる)の派生名詞で、印欧祖語「現れる、生まれる、育つ」の根に由来する。英語 be はこの根から生まれた代表的な語で、ラテン語 fuī(あった)/ fiō(なる)、サンスクリット bhávati(なる、ある)なども同じ根から来ている。
派生・関連語に ευφυής(聡明な、才気ある)、ευφυώς(聡明に)、ευφυολόγημα(気の利いた言葉、ウィット)、ευφυολογία(機知)、ευφυολόγος(ウィットに富んだ人)、δυσφυΐα(愚鈍)など。類義語に νοημοσύνη(知能、知性)、διάνοια(知性、思考力)、μυαλό(脳、頭、知恵)。
英語 physical(身体の、物理の)、physics(物理学)、physique(体格)、physiology(生理学)は、同じ φύω の根から生まれた φύσις(自然、性質)や φυτόν(植物)をもとにした学術語。
ギリシャ語:διάνοια
読み方:ディアニア・ディアーニア
ラテン文字:dianoia
διάνοια は古代ギリシャ語から文語で入った語で、古代ギリシャ語では心の働きや思考を表す語として使われていた。古典語からほぼ同じ形のまま現代ギリシャ語に受け継がれている。
現代ギリシャ語でもその延長で、知性を表すほか、法律では知的創作物を指し、人については非常に聡明な人物をいうのにも使われる。
近い語に νους(精神、心、理性)がある。διάνοια はその中でも、考える力や知的な働き、創造的な才覚を強調したい場面で使いやすい。
主な意味は「知性」。そこから法律での「知的創作物」や、並外れて知的な人物を表す用法もある。
ギリシャ語:δήμος
読み方:ディモス・ディーモス
ラテン文字:dimos
古代ギリシャ語の δῆμος(土地、そこに住む人々、平民)に由来。印欧祖語の「分ける、分かつ」を表す語根に起源を持ち、もとは「区分けされた土地とそこの人々」の意で、土地と住民をひとまとまりに捉える語だった。古代アテネで民衆を表す語として政治語彙の中心になった。
英語 democracy(δῆμος + κράτος「支配」)のほか、epidemic・endemic・pandemic(接頭辞 επί, εν, παν + δῆμος)、demographic(δῆμος + γράφω「書く」)なども同じ語源。
類義語は文脈で分かれ、行政区分としては κοινότητα(コミュニティ、より小規模の自治体)が近いが、現代の区分では δήμος のほうが規模の大きい「市、自治体」を指す。人々の集まりとしては λαός(民衆、国民)がより広く、δήμος は特定の地域に結びつく。派生語に δημοτικός(市の、公立の)、δήμαρχος(市長)、δημαρχείο(市役所)など。
ギリシャ語:έφηβος
読み方:エフィヴォス・エーフィヴォス
ラテン文字:efivos
ギリシャ語:μαϊντανός
読み方:マイドゥノス・マーイドゥノス・マインドゥノス・マーインドゥノス・マイドゥノス・マーイドゥノス
ラテン文字:maintanos
もとはビザンツ期のギリシャ語 μακεδονήσιον(パセリ)にさかのぼる語とされる。この語がアラビア語の maʕdūnis(パセリ)、オスマン・トルコ語の maydanos(パセリ)を経て、現代ギリシャ語の μαϊντανός に入った。
別表記として μαϊδανός もある。
英語の parsley は、古代ギリシャ語の πετροσέλινον(岩のセリ、パセリ)に由来する。一方、現代ギリシャ語の日常語としては μαϊντανός が一般的である。
主な意味は「パセリ」。料理に欠かせない名脇役としての語感から、皮肉を込めて、あちこちに顔を出す人を指す比喩にも使われる。
ギリシャ語:μάγος
読み方:マゴス・マーゴス
ラテン文字:magos
古代ギリシャ語の μάγος(ペルシアの祭司、魔術師)を継承。古代ペルシア語 maguš(祭司階級の呼び名)からギリシャ語に入った語で、ヘレニズム期に「魔術師」の意味が加わった。ラテン語 magus を経て、英語の magic や magician もここから。現代の「名手、奇術師」の意味は、フランス語 magicien、英語 magician からの意味借用で広がった。
女性形は μάγισσα(魔女)で、中世ギリシャ語で生まれた形。東方の祭司や三博士には当てない。派生語に動詞 μαγεύω(魅了する、魔法をかける)、形容詞 μαγικός(魔法の、不思議な)、抽象名詞 μαγεία(魔法、魔術)、中性複数 τα μάγια(具体的な魔術行為)など。
ギリシャ語:μαγεία
読み方:マイア・マイーア・マギア・マギーア
ラテン文字:mageia
古代ペルシア語 magu-(祭司階級の呼び名)からギリシャ語に入った μάγος(魔術師)に接尾辞 -εία(〜の業)が付いた古代ギリシャ語の女性名詞 μαγεία(魔術)を継承。ラテン語 magia を経て, 英語 magic もここから。現代の「魅力, 魅惑」の意味は, フランス語 magie(魔法, 魅惑)からの意味借用で広がった。
派生語に動詞 μαγεύω(魅了する、魔法をかける)、形容詞 μαγικός(魔法の、不思議な)、中性複数 τα μάγια(具体的な魔術行為やまじない)など。μάγος の女性形は μάγισσα(魔女)。
近い語に μαγγανεία(害意のあるまじない、いかがわしい術策)があり、古代ギリシャ語の別語 μάγγανον(まじないの仕掛け)から派生した語。呪文の文句は επωδή や ξόρκι、民間のまじないは γητειά、害意のある呪いは κατάρα、悪霊祓いの儀式は εξορκισμός。
ギリシャ語:ήρωας
読み方:イロアス・イーロアス
ラテン文字:iroas
古代ギリシャ語 ἥρως(hḗrōs、英雄)が起源。対格の ἥρωα を経て現代ギリシャ語の ήρωας となった。もともとは古代神話において卓越した能力を持ち、死後に崇拝の対象となった存在を指す語だった。
古代ギリシャ語 ἥρως はラテン語に hērōs として借用され、さらにフランス語の héros へと受け継がれた。フランス語では「勇敢な人物」や「物語の主人公」の意味が発達し、現代ギリシャ語はこの用法を逆輸入する形で取り入れた(意味借用)。英語の hero も同じくラテン語経由でこの語に由来し、日本語のヒーローもここから来ている。女性形は ηρωίδα で、古代ギリシャ語 ἡρωίς(対格 -ίδα)から来ている。
神話上の超人的な存在から、勇気ある行動をとる人物、物語の登場人物までを指す。
ギリシャ語:θεά
読み方:セア・セアー・テア・テアー
ラテン文字:thea
古代ギリシャ語の θεά(女神)に由来。男性名詞 θεός(神)の女性形で, 印欧祖語で「神聖な, 宗教的な」を表す語根に続く語。
派生に増大形 θεάρα(美女を強めて言うときの言い方)。成句 στρογγυλή θεά(丸い女神)はサッカーやサッカーボール自体を指す言い方。
同じ綴りでアクセント位置が異なる θέα(眺め, 景色)は別の語で, 動詞 θεάομαι(見つめる)に由来する。英語 theology(神学), enthusiasm(熱狂)の接頭辞 theo- はこの θεός / θεά と同じ語根から。
καλλονή(絶世の美女), κούκλα(人形のような美貌)は姿かたちの美しさを言うが, θεά は「神々しい, 圧倒的な」美しさの形容として使う。
ギリシャ語:τρέλα
読み方:トゥレラ・トゥレーラ
ラテン文字:trela
τρέλα は、動詞 τρελαίνω(狂わせる、正気を失わせる)から逆成で生まれた名詞。
医学的な「精神疾患」を指すときは ψυχοπάθεια や ψυχική διαταραχή も使われるが、τρέλα は日常会話でずっと広い範囲をカバーする。文字どおりの「狂気」だけでなく、無鉄砲な行動、何かへの強い熱中、口語で「最高だ」と褒める言い方まで含む。
主な意味は「狂気」。そこから、一時の気の迷いや無分別な振る舞い、何かへの強いこだわり、精神的に追い込まれて気が変になりそうな感覚も表す。複数形 τρέλες では若気の至りやふざけた振る舞いを言い、指小語 τρελίτσα や拡大語 τρελάρα の形でも使われる。
ギリシャ語:γείτονας
読み方:イトナス・イートナス・ギトナス・ギートナス・イトナス・イートナス
ラテン文字:geitonas
古代ギリシャ語の γείτων(隣人、近所の人)の対格 γείτονα を経て、中世ギリシャ語の γείτονας(隣人、近所の人)が成立し、現代ギリシャ語の γείτονας に至った。
同じ語は英語の neighbour / neighbor に相当する。より形式的に「近隣住民」を指す περίοικος などもあるが、日常会話では γείτονας が最も一般的である。
女性形 γειτόνισσα も、中世に古代ギリシャ語の語幹 γειτον- に接尾辞 -ισσα が付いて成立した。親しみを込めた指小語 γειτονάκι もある。
主な意味は「隣人、近所の人」。同じ近所に住んでいる人を指し、複数形では比喩的に「隣国の人々」を表すこともある。
ギリシャ語:μάνα
読み方:マナ・マーナ
ラテン文字:mana
μάνα は古代ギリシャ語の μάμμα(乳房、お母さん)にさかのぼる。そこから子音異化によって m-m が m-n となって μάνα となり、中世ギリシャ語では μάννα(お母さん)の形が見られる。そこを経て現在の μάνα に至った。
同じ「母親」を表す μητέρα は、よりフォーマルで書き言葉寄りの語。これに対して μάνα は、感情のこもった日常的な響きを持つ。
指小辞には μανούλα(お母ちゃん)、μανουλίτσα(大好きなお母さん)、μανίτσα(お母ちゃん)がある。いずれも親しみや愛情を込めた言い方で、μανίτσα は口語的で民俗的な響きを持つ。
最も基本的には「母親」を表す。そこから比喩的に、他人の面倒を見る人、あることの名人、書類の原本、遊びや賭け事での親・陣地・胴元・開始地点の駒なども指す。民俗的、詩的には豊かな水の湧く場所という意味でも用いられる。
ギリシャ語:πολίτης
読み方:ポリティス・ポリーティス
ラテン文字:politis
古代ギリシャ語の πολίτης(ポリスの自由市民)に由来。πόλη(都市)の古代形 πόλις に「〜に属する人」を表す -ίτης が付いた形。現代の「国民, 市民」の用法はフランス語 citoyen からの意味借用で輪郭が整った。中世には Πολίτης が「コンスタンティノープル住民」の呼び名として固有名化した。
同じ πόλις・πόλη の語族に πολιτεία(国家, 市民権), πολιτεύομαι(政治に携わる), πολιτικός(政治の, 政治家), πολιτισμός(文明), πολιτογράφηση(帰化), 合成語 συμπολίτης(同郷人, 同胞), κοσμοπολίτης(コスモポリタン), μητροπολίτης(首都出身者, 大主教)。
英語 politics(政治), policy(政策), cosmopolitan(世界市民)もラテン語を経由してこの πόλις の語族に連なる。κάτοικος(住民)が住んでいる事実を指すのに対し, πολίτης は権利と義務を持つ市民の立場を指す。
ギリシャ語:κοινή λογική
読み方:キニロイキ・キニーロイキ・キニロギキ・キニーロギキ
ラテン文字:koini logiki
κοινός(共通の)と λογική(論理)からなる連語。ギリシャ語では「共通の論理」と表現するが、英語の common sense やフランス語の sens commun、ドイツ語の Gemeinsinn など、多くのヨーロッパ言語では「共通の感覚」と表現する。
この違いのもとには、アリストテレスが五感の情報を統合・判断する能力として提唱した「共通感覚(κοινή αἴσθησις)」という概念がある。もともとは個人の感覚的な能力を指していたが、時代を経て、社会全体で共有される知識や判断力という意味に変わった。ラテン語で sensus communis と訳されたことで、西欧諸語には「感覚(sense)」の語が定着した。一方、現代ギリシャ語では λογική(論理)が選ばれ、κοινή λογική の形になった。
κοινός νους(共通の知性)も同義で使われる。近い語には γνώμη(意見)、φρόνηση(分別、思慮)がある。
主な意味は「常識」。深く考えるまでもなく、経験や知識から自然にわかる判断力を指す。そこから、ある社会や集団で広く共有されている考え方や慣習としての「社会通念」も表す。
ギリシャ語:όνομα
読み方:オノマ・オーノマ
ラテン文字:onoma
古代ギリシャ語の ὄνομα(名前)を継承。印欧祖語で「名前」を表す語根に続き、ラテン語 nōmen, サンスクリット語 nā́man, 英語 name, アルメニア語 anun などと同じ語源。語頭の ο- を外した -νομα に、ラテン nōmen, 英語 name に通じる n…m の骨格が見える。
英語の接尾辞 -onym(synonym 同義語, antonym 反意語, homonym 同音異義語, pseudonym 偽名)は ὄνομα から。onomatopoeia(擬声語)も ὄνομα + ποιέω(作る)からなる合成語 ὀνοματοποιία に由来し、「名を作ること」の意。
動詞は ονομάζω(名づける、呼ぶ), μετονομάζω(改名する)。形容詞に ονομαστικός(名の、主格の), ονομαστός(名高い), ανώνυμος(無名の)。合成語に ονοματεπώνυμο(氏名), ονοματοδοσία(命名)。姓を指すのは επώνυμο。
ギリシャ語:άνθρωπος
読み方:アンスロポス・アーンスロポス・アントゥロポス・アーントゥロポス
ラテン文字:anthropos
古代ギリシャ語の ἄνθρωπος(人間、人)を継承。語源には諸説あり、ἀνήρ(男、人)と ὤψ(顔、目)を合わせた「人の顔を持つもの」説が古くから唱えられてきたが、ギリシャ語以前の基層語から入ったとする説や、印欧祖語で「下にあるもの(=大地の人)」を意味する語根から生まれ、ラテン語 homō(人)や英語 guma(人、〜man の -man)と同根とする説もある。ミュケナイ時代(a-to-ro-qo)からすでに現れる古い語。
口語で ν が脱落した άθρωπος の形は 3 世紀から確認される古い別形。派生語に ανθρωπιά(人間らしさ、人情)、ανθρώπινος(人間の、人道的な)、ανθρωπάκι(取るに足らない人)、συνάνθρωπος(隣人、同胞)、υπεράνθρωπος(超人)など。類義の言い方に άτομο(個人)、πρόσωπο(人物、法人)、ανθρώπινο γένος(人類)。
英語の anthropology(人類学)、philanthropy(博愛)、misanthropy(人間嫌い)、anthropoid(類人猿の)など -anthrop- を含む語はすべて古代ギリシャ語 ἄνθρωπος をもとにした語。
ギリシャ語:παιδί
読み方:ペディ・ペディー
ラテン文字:paidi
印欧祖語で「少ない, 幼い」を表す語根にさかのぼり, ラテン語 puer(子供)やサンスクリット putrá(息子)と同源の語族に連なる古代ギリシャ語 παῖς(子供, 少年)の指小形 παιδίον(小さな子)から, 中世ギリシャ語 παιδίν を経て今に至る継承。英語の接頭辞 ped(o)-(pedagogy「教育学」, pediatrics「小児科学」)はこの παῖς/παιδ- からラテン語・新ラテン語を経由して入った学術借用。
類義語に τέκνο(子、子女。公的・文芸の文脈で「子孫」のニュアンスを帯びる硬い形), βρέφος(乳児), μωρό(赤ちゃん), νεογέννητο(新生児)。派生に παιδάκι(小さな子、お子さん。指小形), παιδαρέλι(若造), παίδαρος(立派な体格の青年), παιδικός(子供の、子供らしい)。合成語に παιδότοπος(子供の遊び場), εκπαίδευση(教育), εκπαιδευτικός(教育の、教育関係者)。関連語に παιδεία(教育、教養), παίδευση(教育、鍛錬)。
ギリシャ語:γυναίκα
読み方:イネカ・イネーカ・ギネカ・ギネーカ
ラテン文字:gynaika
印欧祖語で「女性」を表す語根にさかのぼり, 英語 queen(古英語 cwēn から)と同じ語根を共有する古代ギリシャ語 γυνή(女性, 対格 γυναῖκα)を継承。もとの対格形 γυναῖκα が主格として定着し, 中世ギリシャ語を経て今に至る。英語の接頭辞 gyn(o)-(gynecology「婦人科学」, gynoecium「雌蕊」)はこの γυνή から新ラテン語を経て入った学術借用。
類義語に κυρία(〜様、貴婦人。丁寧な言い方), κοπέλα(娘、若い女性), θήλυ(生物学的な雌)。γυναίκα は年齢や立場を問わず成人女性を広く指す。派生に γυναικάρα(強意形。魅力的で堂々とした女性), γυναικάκι(小柄な女性、妻の愛称。また取るに足らない女性を指すこともある), γυναικούλα(愛しい妻、また器の小さい女), γυναικείος(女性の、女性らしい), γυναικίσιος(女性の〜), γυναικίστικος(女性らしい、女々しい), γυναικωνίτης(女性の部屋、ハーレム)。合成語に αντρογυναίκα(男勝りの女性), αντρόγυνο(夫婦), μισογύνης(女性嫌い), βρομογύναικο(ひどい女。蔑称), παλιογύναικο(どうしようもない女。蔑称)。
ギリシャ語:κυρία
読み方:キリア・キリーア
ラテン文字:kyria
ヘレニズム期ギリシャ語の κυρία を継いだ学術借用(διαχρονικό δάνειο)。もとは古代ギリシャ語の形容詞 κύριος(主権を持つ、権威のある)の女性形。女性への敬称として使う今の用法は、フランス語 madame やイタリア語 signora の呼称を写した意味借用(σημασιολογικό δάνειο)が重なって定着した。もとの κύριος は古代ギリシャ語 κυριακόν(主の家)を経由して、英語 church(教会。ラテン語 ecclesia とは別にゲルマン語系統を経て入った借用)にも連なる。
類義語に κυρά(おかみさん。親しみのある呼びかけ), νοικοκυρά(主婦、家の女主人), λαίδη(レディ。英語 lady からの借用), δεσποινίς(~嬢。未婚女性の敬称)。関連語に男性形 κύριος(〜氏、紳士), κυριακή(日曜日。「主の日」から)。
ギリシャ語:κύριος
読み方:キリオス・キーリオス
ラテン文字:kyrios
古代ギリシャ語の κύριος(権限を持つ者、支配者)に由来。κῦρος(権威、力)に -ιος が付いてできた語。男性への丁寧な敬称・呼びかけとしての用法は、中世ギリシャ語を経てフランス語 monsieur、イタリア語 signore からの意味借用で広まった。「紳士」としての用法は英語 gentleman からの意味借用で加わった。
派生した κυριακόν(主の家)は、ゲルマン語を経て英語 church(教会)の語源になった。「キリエ・エレイソン(主よ、憐れみたまえ)」の Kyrie は呼格 κύριε にあたる。
女性形は κυρία(女性への敬称)。
ギリシャ語:βίος
読み方:ヴィオス・ヴィーオス
ラテン文字:vios
古代ギリシャ語の βίος(人生、生き方、生涯)に由来。印欧祖語で「生きる」を表した語根の子孫で、同じ語根からラテン語 vivus(生きている)、サンスクリット語 jīvati(生きる)が出る。ζωή も同じ語根から並んで出た兄弟語。
同じ語群に βιώνω(生きる、体験する)、βιώσιμος(持続可能な、生きていける)。合成語に βιογραφία(伝記)、βιολογία(生物学)、βιομηχανία(工業)、βιοηθική(生命倫理)、βιοτεχνία(手工業)。中性名詞 βιος(財産、資産)は同じ綴りでアクセント位置が違う別語で、中世に「生計を支えるもの」から転じて出た。
βίος と ζωή は古代から意味が分かれ、前者は生き方や暮らし、後者は生きている状態や生命力の場面に使われた。コイネー期に新約聖書が永遠の命(ζωή αἰώνιος)など霊的な命に ζωή を集中的に当てたことで、生き方・経歴の用法は βίος に集まっていった。英語 biology(生物学)、biography(伝記)、biosphere(生物圏)、antibiotic(抗生物質)は βίος をもとにした学術造語で、同じ語根につながる。
ギリシャ語:ζωή
読み方:ゾイ・ゾイー
ラテン文字:zoi
古代ギリシャ語の ζωή(生きること、生命)を継承。動詞 ζω(生きる)に名詞を作る -η を付けた形で、印欧祖語で「生きる」を表した語根の子孫。ラテン語 vivus(生きている)、サンスクリット語 jīvati(生きる)はすべて同じ語根から出る。
派生語に ζωηρός(活発な、生き生きとした)。同じ語根の身近な語に ζώο(動物、古代 ζῷον「生き物」から)。
類義語に βίος。伝統的に ζωή は生物としての生命、βίος は生きざまや経歴を指して使い分ける。英語 zoology(動物学)、zoo(動物園)、protozoa(原生動物)は古代ギリシャ語 ζῷον をもとにした学術造語で、同じ語根につながる。
ギリシャ語:αστέρι
読み方:アステリ・アステーリ
ラテン文字:asteri
印欧祖語で「星」を表す語根にさかのぼる古代ギリシャ語 ἀστήρ(星)の指小形 ἀστέριον を経て, 中世ギリシャ語の ἀστέρι を継承。ラテン語 stella, 英語 star も同じ語族。
派生に αστερώνω(星で飾る), αστερωτός(星形の), αστεράτος(星に恵まれた), αστερισμός(星座)。合成語に αστεροειδής(星のような, 小惑星), πεφταστέρι(流れ星), ξαστεριά(晴れた星空), ξάστερος(晴れた, 星の出た)。
ギリシャ語:αστέρας
読み方:アステラス・アステーラス
ラテン文字:asteras
印欧祖語で「星」を表す語根にさかのぼり, 英語 star と同じ語根を共有する古代ギリシャ語の ἀστήρ(星)を継承。中世ギリシャ語で αστέρας の形になり, 今に至る。英語 astronomy は古代ギリシャ語 ἄστρον(星)と νόμος(法則, 秩序)の合成語に, asterisk は ἀστήρ の指小形 ἀστερίσκος(小さな星)にラテン語を経由してさかのぼる。
類義語に αστέρι(星。ふだんの会話で最も一般), άστρο(星。文学や詩でよく出る)。αστέρας は硬い響きで、天文学や著名人を指す比喩、格付けの星の属格複数 αστέρων の形で使うことが多い。派生に ημιαστέρας(クエーサー、半恒星状天体)。関連語に αστερισμός(星座), αστεροειδής(小惑星), αστρικός(星の、星形の), αστρονομία(天文学), αστροναύτης(宇宙飛行士)。

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