#⚛️ 物理
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ギリシャ語:ενέργεια
読み方:エネルイア・エネールイア・エネルギア・エネールギア
ラテン文字:energeia
古代ギリシャ語の ἐνέργεια(働き、活動)を継承。ἐν-(中で、〜の状態で)と ἔργον(仕事、働き)を合わせた形容詞 ἐνεργής(働いている、活動している)に性質を表す接尾辞 -ία を付けて作った名詞。物理の「エネルギー」の意味は、フランス語 énergie、英語 energy からの意味借用で定着した。
ἔργον は印欧祖語で「作る、働く」を表す語根から出た語で、英語 work、ドイツ語 Werk と同系。英語 energy、ergonomics(人間工学)、synergy(相乗作用)もこの語族。
派生語に ενεργώ(作用する、活動する)、ενεργός(活発な、働いている)、ενεργητικός(能動的な、活動的な)、ενεργειακός(エネルギーの)。複合語に ραδιενέργεια(放射能)、παρενέργεια(副作用)、αλληλενέργεια(相互作用)。
ギリシャ語:πηγή
読み方:ピイ・ピイー・ピギ・ピギー
ラテン文字:pigi
古代ギリシャ語の πηγή(泉, 湧き出る場所)に由来。現代の「光源」「情報源」「史料」などの用法はフランス語 source からの意味借用で整った。解剖学の「泉門」はフランス語 fontanelle に対応する用法。
派生に πηγαίος(もとからの, 自然に湧き出る), πηγάδι(井戸), πηγούλα(小さな泉)。合成に θερμοπηγή(温泉), θειοπηγή(硫黄泉), πετρελαιοπηγή(油井)。学術の文脈では複数形 πηγές が βιβλιογραφία(参考文献)と近い。
ギリシャ語:θλίψη
読み方:スリプシ・スリープシ・トゥリプシ・トゥリープシ
ラテン文字:thlipsi
古代ギリシャ語の θλῖψις(圧迫、圧縮)から。古代ギリシャ語の名詞形が中世ギリシャ語から現代ギリシャ語へ受け継がれる過程で、現在の形になった。
この語からは二つの流れが出ている。ひとつは中世ギリシャ語を経て、動詞 θλίβω(圧迫する、心を痛める)に引かれる形で、「心が押しつぶされるような悲しみ」や「憂鬱さ」を表す日常語になった流れ。もうひとつは、もとの機械的な意味を保ったまま、技術語として「圧縮」を表す流れ。
主な意味は、つらい出来事に向き合ったときの深い悲しみ、長く重く沈む憂鬱さ、そして口語での「見ていて気が滅入るもの」。複数形では、人生の中で悲しみをもたらす出来事そのものを指すこともある。技術文脈では別の流れとして、物体を押し縮める圧縮を表す。
近い語には καημός(深い悲しみ、心痛、渇望)や δυστυχία(不幸、悲惨、災難)がある。καημός は胸を焼くような個人的な痛みや切なる願いに寄り、δυστυχία は不幸な状態や災難まで広く含む。それに対して θλίψη は、出来事に対する悲しみや、重く沈んだ気分そのものを表しやすい。
対義語は χαρά(喜び)。技術の意味では、引っ張る力を表す εφελκυσμός(引張)と対になる。
ギリシャ語:είδωλο
読み方:イドロ・イードロ
ラテン文字:eidolo
古代ギリシャ語の εἴδωλον(像、形、幻、神像)から。είδος(形)に指小の -ωλον が付いた語。「見る、知る」の語根に連なり、ιδέα(考え、観念)や είδηση(ニュース)とは兄弟語。
ラテン語 īdōlum を経て英語 idol(偶像)、その複数形から idola(イドラ、偏見)が生まれ、eidolon(幻影)、pareidolia(パレイドリア、無意味なものに顔や形を見る現象)も同じ語源。
派生語・関連語に ειδωλολατρία(偶像崇拝)、ειδώλιο(小像、フィギュア)、ξόανο(古代の木製神像)、ίνδαλμα(憧れの的、典型)など。
ギリシャ語:δύναμη
読み方:ディナミ・ディーナミ
ラテン文字:dynami
古代ギリシャ語の δύναμις(能力、力)に由来する。δύναμις は「できる」を意味する動詞 δύναμαι から派生した名詞で、もともと「何かをする能力」を表した。中世ギリシャ語を経て語末の -ις が -η に変化し、現代ギリシャ語の δύναμη となった。
英語の dynamic(動的な)、dynamite(ダイナマイト)、dynamo(発電機)は、いずれもこの δύναμις を語源とする。
類義語に ισχύς(効力、威力)や σθένος(強健さ、気概)がある。対義語は αδυναμία(弱さ、無力)で、否定の接頭辞 α- が付いた形。
δύναμη は多くの定型表現に用いられる。軍事では Ένοπλες Δυνάμεις(軍隊)、Ειδικές Δυνάμεις(特殊部隊)、αεροπορική δύναμη(空軍力)、δύναμη πυρός(火力)、政治・経済では δημόσια δύναμη(公権力)、Μεγάλες Δυνάμεις(列強)、αγοραστική δύναμη(購買力)などがある。
ήρεμη δύναμη は「静かなる強さ」を意味し、実力をひけらかさないが能力のある人を指す比喩表現。
日本語の「力」と同様に、身体的・精神的な能力から、物の作用や効能、政治・経済的な勢力、軍事力、物理学の力、数学の累乗、超自然的な存在まで非常に幅広い意味を持つ。
ギリシャ語:τριβή
読み方:トゥリヴィ・トゥリヴィー
ラテン文字:trivi
古代ギリシャ語の τριβή(摩耗, 経験, 猶予, 従事)に由来。動詞 τρίβω(こする, 摩耗させる)から抽象名詞を作る -ή が付いてできた語で, もとは「こすること」。印欧祖語で「こする」を表す語根に続き, ラテン語 tero(こする, すり減らす)も同じ語族。物理の「摩擦」の意味はフランス語 friction と frottement からの意味借用で整った。「経験, 習熟」の用法は, こすり続けるうちに身につく技という発想から育った。
同じ τρίβω の語族に名詞 τρίψιμο(こすり, 摩擦), διατριβή(論文。δια-「通して」+ τρίβω から)。英語 tribology(摩擦学), diatribe(辛辣な批判。もとの意味は「時間をすり減らす議論」)も同じ τρίβω の語族。
合成語に ανεργία τριβής(摩擦的失業。転職や求職活動の過渡期に生じる一時的な失業)。
ギリシャ語:πίεση
読み方:ピエシ・ピーエシ
ラテン文字:piesi
古代ギリシャ語の動詞 πιέζω(押す、圧迫する)から派生した名詞 πίεσις(圧縮、圧力)が起源。古代ギリシャ語の名詞語尾 -σις(-シス)が -ση(-シ)に変化する一般的な流れを経て、現代ギリシャ語の πίεση になった。類義語に ζούληγμα(強く握ること、つぶすこと)がある。
英語の piezoelectric(圧電)に含まれる接頭辞 piezo- は、この πιέζω に由来する。フランス語の pression や英語の pressure も同じ「押す力」という概念を表すが、こちらはラテン語 pressūra からの語で、ギリシャ語とは別の系統になる。
物理的に押す力から、物理学上の圧力、精神的なプレッシャー、医学的な血圧まで、何かが力を及ぼしている状態を広く指す。ατμοσφαιρική πίεση(大気圧)、ονομαστική πίεση(公称圧力)、πίεση σφυγμού(脈圧)のように、科学や工学、医学の専門用語にも使われる。
ギリシャ語:ισορροπία
読み方:イソロピア・イソロピーア
ラテン文字:isorropia
古代ギリシャ語の ἰσορροπία(釣り合い、等しく傾くこと)に由来。ἴσος(等しい)と ῥοπή(傾き、重さ)からなる合成語で、天秤の両側が等しく傾く、すなわち釣り合いの取れた状態を古代から表した。現代の物理・化学や社会的な「平衡、均衡」の意味は、フランス語 équilibre、英語 equilibrium からの意味借用で広がった。
対義語に ανισορροπία(不均衡、不安定)。派生語に ισορροπώ(バランスを取る), εξισορρόπηση(均衡の回復)。英語の iso- はこの ἴσος を受け継いだ接頭辞で、isosceles(二等辺三角形), isotope(同位体)などに使う。
ギリシャ語:επιτάχυνση
読み方:エピタヒンシ・エピターヒンシ
ラテン文字:epitachynsi
古代ギリシャ語の ἐπιταχύνω(速める)から。ἐπί-(さらに)+ ταχύνω(速くする)からなり、語根 ταχύς(速い)は英語 tachy-(tachometer「回転速度計」、tachycardia「頻脈」、tachyon「タキオン」など)の語源でもある。
派生語に επιταχυντής(加速器、粒子加速器)、επιταχύνω(加速する、促進する)など。関連語に ταχύτητα(速度)、τάχυνση(同義の、接頭辞のない形)、επιβράδυνση(減速)など。
ギリシャ語:τροχιά
読み方:トゥロヒャ・トゥロヒャー
ラテン文字:trochia
τροχιά は、古代ギリシャ語の τροχός(車輪、円)を起源とし、もともとは回転する輪や円のイメージをもつ語だった。ヘレニズム時代には「車輪の輪」を意味する語として使われたが、現代ギリシャ語で一般的な「車輪」は ρόδα という。近代に入ると、フランス語の orbite(軌道)の訳語として用いられて、現在の科学的な「軌道」の意味が定着した。
起源にある τροχός(車輪、円)は、英語の trochlea(滑車)や trochoid(トロコイド)とも同じ語源につながる。いずれも回転や円運動を思わせる語群で、τροχιά にもその名残がある。
近い語に πορεία があるが、こちらは「進路、過程、歩み」といった一般的な動きを指すことが多い。τροχιά はそれに対して、数学的・物理学的に描かれる軌道やカーブというニュアンスが強い。
主な意味は、天体や物体が移動するときに描く曲線である「軌道」。天体の公転軌道、発射体の弾道、数学で動点が描く軌跡を指すほか、比喩的に「歩み」「足跡」を表すこともある。さらに、鉄道のレールを指す用法もある。
ギリシャ語:ατμόσφαιρα
読み方:アトゥモスフェラ・アトゥモースフェラ
ラテン文字:atmosfaira
古代ギリシャ語の ἀτμός(蒸気、湯気)と σφαῖρα(球、球体)からなる ἀτμόσφαιρα に由来する学術借用(λόγιο διαχρονικό δάνειο)。構成要素はともに古代ギリシャ語由来だが、合成語としての ἀτμόσφαιρα はもともと古代ギリシャ語にはなく、17世紀の自然学者ジョン・ウィルキンスがラテン語 atmosphaera を新造したのが始まりで、これがフランス語 atmosphère, 英語 atmosphere として国際的に広まり、現代ギリシャ語にも入った。元の構成要素がギリシャ語由来であるため、再借用(αντιδάνειο)の側面も持つ。「雰囲気・ムード」の比喩義はフランス語・英語経由で広がった意味借用。古代の σφαῖρα は印欧祖語にさかのぼる確実な同根語が見当たらず、Beekes は先ギリシャ語基層からの語と位置づけている。同じ古代 σφαῖρα から英語 sphere(球), hemisphere(半球), 独 Sphäre が、また ἀτμός から英語 atomizer(噴霧器)など蒸気・霧化に関する語族が広まっている。
類義語に αέρας(空気、風。日常の空気、室内・身近な雰囲気), κλίμα(気候、風土、世論。場の雰囲気・空気感も指す), διάθεση(気分、ムード。個人の心の状態)。ατμόσφαιρα は地球や天体を取り囲む大気そのもの、物理学の気圧単位、場の雰囲気、文学・映画作品の独特の情緒を指す形として広く使う。派生に ατμοσφαιρικός(大気の、雰囲気のある), ατμοσφαιρικότητα(雰囲気のあるさま)。関連語に ατμός(蒸気), σφαίρα(球), ατμο-(蒸気・大気を表す結合辞)。成句に περιρρέουσα ατμόσφαιρα(社会を取り巻く空気、情勢)。
ギリシャ語:θερμότητα
読み方:セルモティタ・セルモーティタ・テルモティタ・テルモーティタ
ラテン文字:thermotita
古代ギリシャ語の θερμότης(熱さ)から。のちには情熱や激情の意味でも使われるようになった。語根の θερμ- は、英語の thermal や thermometer の語源でもある。
日常的、体感的な暑さを言うときは ζέστη(暑さ、熱さ)が使われやすい。対義語には、物理的な冷たさを表す κρύο(寒い)や ψύχος(極寒)、比喩的な冷たさを表す ψυχρότητα(冷淡)がある。
:::vocab
- γηγενής θερμότητα(地殻熱)
- λανθάνουσα θερμότητα(潜熱)
- ανάκτηση θερμότητας(熱回収)
- αντλία θερμότητας(ヒートポンプ)
- εναλλάκτης θερμότητας(熱交換器) :::
主な意味は物理学の熱エネルギーだが、そこから物体の温度や熱量、人や態度の温かみ、情熱といった比喩的な意味にも広がる。
ギリシャ語:φως
読み方:フォス・フォース
ラテン文字:fos
古代ギリシャ語の φῶς(光)を継承。英語 photo-(photograph, photon など)はこの語の結合形 φωτο- に由来する。
類義語に λάμψη(輝き)、対義語に σκοτάδι(闇)など。指小語 φωτάκι は小さな光、小さなランプ。
主な意味は物理的な光や明かり。比喩的に「知識」「真相」「視力」なども意味する。また、愛する人への呼びかけとしても使われる。複数形 φώτα で知識・知恵を表す用法は、フランス語の lumière からの意味借用で、啓蒙思想(Les Lumières)の時代に「光=知」の比喩がギリシャ語に取り入れられた。

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