ギリシャ語:φως
読み方:フォス・フォース
ラテン文字:fos
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ギリシャ語:φως
読み方:フォス・フォース
ラテン文字:fos
ギリシャ語:αντηλιακή κρέμα
読み方:アンディリアキ クレマ・アンディリアキー クレーマ
ラテン文字:antiliaki krema
αντιηλιακός / αντηλιακός(日焼け止めの、日焼け止め)の女性形 αντηλιακή と κρέμα(クリーム)からなる連語。
αντηλιακή κρέμα は、ήλιος(太陽)の日差しから肌を守るためのクリーム状の日焼け止めを指す。形としては αντιηλιακή κρέμα も使われる。
関連語には το αντιηλιακό / αντηλιακό(日焼け止め)、αντιηλιακό λάδι(日焼け止めオイル)、ηλιακά εγκαύματα(日焼け、日光による火傷)などがある。
ギリシャ語:αντιηλιακός
読み方:アンディイリアコス・アンディイリアコース / アンディリアコス・アンディリアコース
ラテン文字:antiiliakos
αντί(〜の代わりに、〜に対して)の合成形 αντι- / αντ(ι)- と ηλιακός(太陽の、太陽光線の)から作られた形容詞。
ηλιακός は ήλιος(太陽)に由来。
形には αντιηλιακός と αντηλιακός がある。中性形 το αντιηλιακό / αντηλιακό は名詞として「日焼け止め」を指す。
関連語には κρέμα(クリーム)、αντιηλιακή κρέμα / αντηλιακή κρέμα(日焼け止めクリーム)、αντιηλιακό λάδι(日焼け止めオイル)などがある。
ギリシャ語:ηλεκτρομαγνητικό κύμα
読み方:イレクトゥロマグニティコ キマ・イレクトゥロマグニティコー キーマ
ラテン文字:ilektromagnitiko kyma
ηλεκτρομαγνητικός(電磁気の、電磁の)の中性形 ηλεκτρομαγνητικό と κύμα(波)からなる連語。
物理学では、電場と磁場の変化が互いに影響し合い、空間を伝播する波動を指す。光や電波、赤外線、紫外線、X線、ガンマ線などは、すべて波長や周波数が異なる電磁波の一種である。
関連語には ηλεκτρομαγνητική ακτινοβολία(電磁放射)、ηλεκτρομαγνητικό πεδίο(電磁場)、φως(光)、ραδιοκύμα(電波)、μήκος κύματος(波長)、συχνότητα(周波数)など。
ギリシャ語:λαμπάδα
読み方:ラバダ・ラバーダ・ランバダ・ランバーダ
ラテン文字:lampada
中世ギリシャ語 λαμπάδα(松明、火、長いろうそく、← 古代 λαμπάς「松明、たいまつ、火、光」の対格 λαμπάδα が主格として固定化されたパラダイム再編 μετάπλαση)が現代まで受け継がれた継承語(κληρονομιά)。古代ギリシャ語 λαμπάς は、属格 λαμπάδος、対格 λαμπάδα という不規則な格変化を持つ -ς 語幹名詞だったが、中世期に対格を主格として整理する流れの中で、λαμπάδα の形に再形成された。同じ再編パターンは σταγόνα(しずく、← σταγών), αίγα(ヤギ、← αἴξ)と同類。
源にある古代の λαμπάς(属格 λαμπάδος、松明、たいまつ、火、光、明かり)は、動詞 λάμπω(光る、輝く)の派生で、印欧祖語の「光る、輝く」を表す語根に由来し、サンスクリット rambh-(明るく光る), リトアニア語 lópė(炎、ろうそく)と同族。古代ギリシャ語の λαμπάς は、戦闘・宗教・スポーツの中核的な道具として頻出する:オリンピックの聖火(λαμπάς, λαμπαδηδρομία「聖火リレー」), 古代の宗教祭儀の松明、夜間の明かり、戦争の信号火など、古代ギリシャ社会の根幹を成す道具として深く根付いていた。
古代ギリシャ語 λάμπω からの派生語族は、現代まで広範に継承される:λάμπω(光る、輝く、動詞), λάμψη(輝き、光沢、栄華、← ελνστ. λάμψις), λαμπρός(明るい、輝かしい、書きことば), λαμπερός(光り輝く、口語), λάμπα(ランプ、電球、← 仏 lampe 経由の αντιδάνειο), λαμπτήρας(ランプ、電球、書きことば), λαμπαδηδρομία(聖火リレー、← λαμπάς + δρόμος), λαμπάς(松明、たいまつ、書きことば), Λαμπαδίας(ランバディアス、アルデバランの古ギリシャ名)が並ぶ、極めて生産的な「光・輝き」の語族。
ラテン語経由の系譜では、ラテン語 lampas / lampada(松明、ランプ、← 古代ギリシャ語 λαμπάς からの借用)が、フランス語 lampe, スペイン語 lámpara, ポルトガル語 lâmpada, イタリア語 lampada, ドイツ語 Lampe, 英語 lamp, lambent(ちらちらと光る), 仏 lampadaire(フロアランプ)として、ヨーロッパ各語の「光・ランプ」の語彙の中核を形成した。古代ギリシャ語起源の世界中核語彙の典型例。
派生・関連語族として λαμπάδες(複数形、ろうそく群), λαμπαδάκι(小さなろうそく、口語の指小形), λαμπαδιάζω(炎上する、燃え上がる), λαμπάς(松明、書きことばの古典形), λαμπαδιά(炎、燃え上がり、書きことば), λαμπαδοφόρος(松明を持つ者、書きことば), πασχαλινή λαμπάδα(復活祭のろうそく)。
ギリシャの東方正教会の文化では、λαμπάδα は復活祭(Πάσχα)の中核的なシンボル:復活の前日の土曜深夜の Ανάσταση 礼拝で、信徒が手に持って点火する白い長いろうそくが λαμπάδα。家族・教会・地域共同体の伝統で、洗礼式(βάπτιση)の名付け親(νονός / νονά)から名付け子(αναδεκτό)に贈られるろうそく、結婚式(γάμος)の長いろうそくも λαμπάδα と呼ばれ、人生の節目の儀礼を結ぶ象徴的な道具として機能する。
慣用句では λαμπαδιάζω(炎上する、燃え上がる、文字どおり「松明のように燃える」, 比喩的に怒り・興奮で熱くなる), σαν λαμπάδα στον αέρα(風中の松明のように、不安定な状態の比喩)が、火・光・燃焼のイメージを介した感情・状況の表現として、文学・詩・口語表現の宝庫。
ギリシャ語:λαμπάς
読み方:ラバス・ラバース・ランバス・ランバース
ラテン文字:lampas
古代ギリシャ語の λαμπάς(松明, たいまつ)を継承。動詞 λάμπω(輝く, 光る)に -άς が付いた語で, 火を手に持って燃やす光源を指す古い語。ラテン語 lampas もここから入り, そこから Romance 経由で英語の lamp や現代ギリシャ語の λάμπα(ランプ, 電球)につながった。
同じ λάμπω の語族に λαμπάδα(ろうそく, 奉献用の長い蝋燭), 合成語 λαμπαδηδρομία(トーチリレー, たいまつ競走), λαμπαδηφόρος(たいまつを持つ者)。おうし座の明るい赤い星アルデバランの古名 Λαμπαδίας も, たいまつの火に見立てた呼び名でこの語族に連なる。
儀式や競技の場面では λαμπάς が手に持つたいまつを受け, ろうそくや奉献用の長い蝋燭は λαμπάδα, 家庭用のランプや電球は λάμπα と使い分ける。
ギリシャ語:λάμπω
読み方:ラボ・ラーボ・ランボ・ラーンボ
ラテン文字:lampo
印欧祖語で「輝く」を表す語根に起源を持ち、古代ギリシャ語の λάμπω(輝く、光る)を継承。派生形 λαμπάς(たいまつ)はラテン語 lampas、フランス語 lampe を経て英語 lamp の語源になった。
派生・関連語は光源や光のイメージに関わるものが多い。λάμπα(ランプ、電球), λαμπάδα(ろうそく), λαμπάς(たいまつ), λαμπτήρας(電球), λαμπυρίδα(ほたる)など。形容詞 λαμπερός(輝かしい、明るい), 名詞 λάμψη(輝き)もこの動詞の語群。復活祭の呼び名 Λαμπρή もここから。星名 Λαμπαδίας(アルデバランの古いギリシャ語名)は λαμπάς(たいまつ)からの派生。
ギリシャ語:σκιάζω
読み方:スキャゾ・スキャーゾ・スカゾ・スカーゾ
ラテン文字:skiazo
古代ギリシャ語の σκιάζω から二つの道筋で現代ギリシャ語に入った語。「影を落とす, おおう」の意味は古代形がそのまま書き言葉に再び入った学術借用で, 「怖がらせる, ぎょっとさせる」の意味は中世ギリシャ語の σκιάζω(驚かす)を経て民間に継承された。いずれも σκιά(影, 日陰)に名詞から動詞を作る接尾辞 -άζω を付けた古い動詞で, 古代から影を落とすことも絵に陰影をつけることも言った。
同じ σκιάζω から派生した語に σκίαση(陰影, シェーディング), σκίασμα(影の効果), σκιάδι(日よけ, ひさし), 合成語 επισκιάζω(かすませる, しのぐ), γραμμοσκιάζω(ハッチングを入れる)。「怖がらせる」方の流れでは受動形 σκιάχτηκα(ぎょっとした, 驚いた)がよく出る。
絵画・写真の用語としての σκίαση は英語 shading, フランス語 ombrage に対応する概念を扱い, 比喩の επισκιάζω(かすませる, しのぐ)は英語 overshadow と同じ発想で物事を覆い隠す感じを言う。「怖がらせる」の意味では同じ方向の φοβίζω(怖がらせる), τρομάζω(怖がらせる, 怖がる)が並ぶが, σκιάζω のこの用法は影や物音にぎくりとする瞬間的な恐怖に結びついた言い方。
ギリシャ語:λάμψη
読み方:ラムプシ・ラームプシ
ラテン文字:lampsi
ヘレニズム期ギリシャ語 λάμψις(輝き、光の放射、← 動詞 λάμπω「光る、輝く」+ -σις 抽象名詞接尾辞)が、中世期に語末の -σις > -ση の音変化を経て現代まで受け継がれた継承語(κληρονομιά)。古代の動詞 λάμπω からの派生で、もとは「光が放たれる動作・状態」を表す抽象名詞だった。
源にある古代の λάμπω(光る、輝く)は印欧祖語の「光る、輝く」を表す語根に由来し、サンスクリット rambh-(明るく光る), リトアニア語 lópė(炎、ろうそく)と同族。同じ動詞 λάμπω からは、古代以来の語族として λαμπρός(明るい、輝かしい、書きことば), λαμπερός(光り輝く、現代の口語), λαμπάς(松明、たいまつ、火), λαμπάδα(長いろうそく、復活祭用の大ろうそく), λαμπτήρας(ランプ、電球、書きことば), λάμπα(ランプ、電球、← 仏 lampe 経由の αντιδάνειο), λαμπαδηδρομία(聖火リレー)が出ている。地中海・西欧の「光、輝き、ランプ」の語彙の根幹をなす語族で、ラテン語 lampas を経由して英語 lamp, lambent(ちらちら光る)にもつながる。
近代以降、フランス語 éclat(輝き、栄華、華やかさ)の意味展開を取り込んで、物理的な光だけでなく「色の冴え」「肌・髪のつや」「祭りや都市の華やかさ」までを言う語として広がった、意味借用(σημασιολογικό δάνειο)の側面もある。
派生・関連語族として λαμπερός(光り輝く、形容詞), λαμπρότητα(輝かしさ、書きことば、← λαμπρός), λάμψιμο(きらめき、口語), λαμπύρισμα(ちらちらと光ること), αναλάμπω(再び輝く、書きことば), εκλάμπω(外に向けて輝く、書きことば), ξανάλαμψη(再びの輝き、復活)。同じ「光・輝き」の領域には、光そのものの φως(光、明かり), 一瞬の閃光の αστραπή(稲妻、← 動詞 αστράφτω「稲妻が走る」), 光の筋の ακτίνα(光線)が並ぶ。λάμψη は φως が見せるきらめきや反射を表す側で、対照的な反対側の語として σκοτάδι(暗闇)と対比される。
ギリシャ語:αστραπή
読み方:アストゥラピ・アストゥラピー
ラテン文字:astrapi
ギリシャ語:σκοτεινός
読み方:スコティノス・スコティノース
ラテン文字:skoteinos
古代ギリシャ語の σκοτεινός(暗い, 不明瞭な)を継承。σκότος(暗闇)に形容詞を作る -εινός が付いた語で, 物理的な暗さから, 事情の見えにくさ, 邪悪さ, 不吉さまで古代から幅広い意味を持ってきた。「暗い色」「謎めいた」「陰険な」といった現代の使い分けは, フランス語 obscur, sombre, 英語 dark の意味配置と重なって整った。
派生に σκοτεινότητα(暗さ, 不透明さ), σκοτεινιάζω(暗くなる, 曇る), 指小形の σκοτεινούτσικος(少し暗い)。副詞の σκοτεινά(暗く, 暗い中で)は「手探りで, 見通しなく」の比喩にも使う。同じ σκοτ- の語族に σκοτάδι(暗闇), σκότος(暗闇, 盲目), σκοτίζω(暗くする, 悩ます)。
反対語は φωτεινός(明るい)で, 概念としては φως(光)と向き合う。σκιά(影, 日陰)は光が一部遮られてできる部分的な暗さで, σκοτεινός の全体的な暗さとは焦点が異なる。
ギリシャ語:σκοτάδι
読み方:スコタディ・スコターディ
ラテン文字:skotadi
ヘレニズム期または中世ギリシャ語 *σκοτάδιον(小さな闇、闇、← 古代 τὸ σκότος「闇」+ -άδιον 中性指小形接尾辞)が現代まで受け継がれた継承語(κληρονομιά)。語末の -ν が脱落して現代の σκοτάδι になった。古代の中性名詞 σκότος(闇)は、現代ギリシャ語にも書きことば・文学的な対応語として並走しており、二形が共存する。
源にある古代の σκότος(闇、暗黒、見えないこと)は、印欧祖語の「暗い、影」を表す語根に由来し、ゴート語 skadus(影), 古英語 sceadu(影、← 英 shadow, shade の語源), アイルランド語 scath(影)と同族。地中海・印欧語の「闇・影」を表す古い系譜の語。
古代以来の σκότος からの派生語族には、σκοτεινός(暗い、陰鬱な、形容詞、現代まで継承), σκοτεινιάζω(暗くなる、動詞), σκοτεινός(暗い、神秘的な), σκότωμα(殺害、← σκοτώνω「暗くする」が「殺す」の意味に発展), σκοτώνω(殺す、動詞、もとは「闇に追いやる」の比喩)が出ている。「暗くする」が「殺す」へと意味の中心を移したのは中世ギリシャ語の独自の発展で、現代ギリシャ語の σκοτώνω「殺す」は古代の φονεύω に代わる日常語の中心となった。
近代以降の派生では、フランス語 obscurantisme の翻訳借用 σκοταδισμός(蒙昧主義、無知主義)が学術借用として加わり、σκοταδιστής(蒙昧主義者), σκοταδιστικός(蒙昧主義の)が政治・社会・哲学の語彙として現代に並ぶ。
派生・関連語族として σκοτάδιν(中世形), σκοτεινιά(暗さ、口語), σκοτεινός(暗い、形容詞), σκοτεινιάζω(暗くなる、夕方になる、動詞), ξενυχτώ μέσα στο σκοτάδι(夜更かしして闇の中で過ごす), σκοταδικός(暗黒の、書きことば)。同じ光と闇の領域には、対義語の φως(光、明かり), 部分的な暗さの σκιά(影、陰), きらめく光の λάμψη(輝き)が並び、σκοτάδι は光が届かず視界が利かない状態そのものを表す中心語として機能する。
比喩用法では、物理的な暗さから無知・不透明・陰鬱・絶望・死までを連続的に表す広い領域があり、πνευματικό σκοτάδι(精神的な無知), πολιτικό σκοτάδι(政治的暗黒), μαύρα σκοτάδια(完全な無知や絶望), αιώνιο σκοτάδι(永遠の闇、死), τον έφαγε το μαύρο σκοτάδι(闇に消えた、死んだ)のような慣用句が頻出する、闇のイメージを介して認識・社会・運命を語る慣用表現の宝庫。
ギリシャ語:σβήνω
読み方:ズヴィノ・ズヴィーノ
ラテン文字:svino
中世ギリシャ語 σβήνω(消す、消える)が現代まで受け継がれた継承語(κληρονομιά)。中世形は、古代ギリシャ語 σβέννυμι(消す、消える、不規則な活用を持つ -μι 動詞)のパラダイム再編(μετάπλαση)の結果で、受動相アオリスト 1 人称単数 ἔσβην, 3 人称複数 ἔσβησαν の語幹 σβησ- を取り出し、新しい能動相アオリスト έσβησα を作って、現在形 σβήνω を能動相アオリストの語幹から逆形成(αναδρομικός σχηματισμός)した。これは古代の不規則な -μι 動詞が中世期に現代型の活用パターン(έλυσα-λύνω のような単一語幹活用)に整えられる典型例。
源にある古代の σβέννυμι(消す、消える、抑える)は、印欧祖語の「消す、抑える、止める」を表す語根に由来し、サンスクリット kṣíyate(消える、滅びる), リトアニア語 gęsti(消える)と関連する古層語。古代ギリシャ語の文献では、ホメロス以来「火を消す」を中心義として、そこから「怒りを抑える」「渇きを癒す」「命が消える」へと比喩展開を広げてきた、概念領域の広い動詞。
書きことばの語族には、古代継承の名詞 σβέση(消火、書きことば), σβέσιμο(消すこと、口語), σβησμένος(消えた、過去分詞), ασβέστης(生石灰、← α-「ない」+ σβέννυμι の語幹、文字どおり「消えない火」の比喩、英 asbestos「アスベスト」も同源)が並ぶ。アスベストは古代ギリシャ語で「消えない繊維」と呼ばれた鉱物が現代の建材として国際語化した、ギリシャ語の遠い影響の例。
派生・関連語族として σβήσιμο(消すこと、消火、口語), σβησμένος(消えた、消されている), σβηστήρας(消火器、← σβήνω + -τήρας 道具名接尾辞), σβήστης(消火担当の人), αυτοσβέσιμος(自然に消える、書きことば), ασβεστόλιθος(石灰岩、← ασβέστης「石灰」+ λίθος「石」), ασβέστης(生石灰、消石灰)。古い綴りの異形に σβύνω(書きことば寄りの古い形)が残るが、現在の標準綴りは σβήνω。
対義語は ανάβω(火をつける、点ける、点火する)で、点火と消火、点灯と消灯のペアで現れることが多い。Άναψε / έσβησε το φως(明かりをつけた/消した), Ανάβει και σβήνει(点いたり消えたり)のような対比表現が日常会話に頻出する。
意味の領域は極めて広く、火・明かりを消すこと(Έσβησα τη φωτιά「火を消した」, Σβήσε το φως「明かりを消して」), 機械・画面の電源を切ること(σβήνω την τηλεόραση「テレビを消す」, έσβησε ο κινητήρας「エンジンが止まった」), 文字・データを消すこと(σβήνω τον πίνακα「黒板を消す」, σβήνω αρχεία「ファイルを削除する」), 比喩で命・希望・夢が消えること(έσβησε ήρεμα「静かに息を引き取った」, έσβησε η ελπίδα「希望が消えた」), 渇き・痛みを和らげること(σβήνω τη δίψα「渇きをいやす」), 料理で仕上げに液体を加えること(σβήνω με κονιάκ「コニャックを回しかける」), 口語で相手を圧倒すること(Τους έσβησε όλους!「皆を圧倒した」)まで連続的に展開する、現代ギリシャ語の最も生産的な動詞の一つ。
ギリシャ語:λάμπα
読み方:ラバ・ラーバ・ランバ・ラーンバ
ラテン文字:lampa
フランス語 lampe(ランプ、灯火)からギリシャ語に入った逆方向の借用、αντιδάνειο(再借用)。源にあるフランス語 lampe は、古代ギリシャ語 λαμπάς(松明、たいまつ、火、光、← 動詞 λάμπω「光る、輝く」)がラテン語 lampas(松明)を経てロマンス諸語に広まり、再びギリシャ語に lamp(e) + ギリシャ語の女性名詞語尾 -α として戻ってきた形。古代ギリシャ語の語が外国語を経由して再びギリシャ語に入った例。
源にある古代の λάμπω(光る、輝く)は印欧祖語の「光る、輝く」を表す語根に由来し、同じ語族からはサンスクリット rambh-(明るく光る), リトアニア語 lópė(炎、ろうそく)が並ぶ。ギリシャ語側では古代の λάμπω から派生した語族が広く生きており、λάμψη(輝き、光沢、栄華、← ελνστ. λάμψις), λαμπρός(明るい、輝かしい、書きことば), λαμπερός(光り輝く、現代の口語), λαμπάδα(長いろうそく、復活祭用の大ろうそく、← 古代 λαμπάς の対格 λαμπάδα が主格化), λαμπαδηδρομία(聖火リレー、← λαμπάς + δρόμος「走り」), λαμπτήρας(ランプ、電球、書きことば、← 古代 λαμπτήρ)が出ている。
ラテン語 lampas を経た西欧の系譜では、フランス語 lampe, スペイン語 lámpara, ポルトガル語 lâmpada, イタリア語 lampada, ドイツ語 Lampe, 英語 lamp が並び、いずれも古代ギリシャ語の λαμπάς を共通祖とする。古代ギリシャ語の語が地中海・西欧を一周して、近代以降の電灯・電球の意味を伴って再びギリシャ語に戻ってきたしくみ。
派生・関連語族として λαμπίτσα(小さなランプ、小さな電球、指小形), λαμπάκι(小さなランプ、表示灯、豆電球、指小形), λαμπατέρ(フロアランプ、← 仏 lampadaire からの近代借用、語末 [d > t] の音変化を伴う別ルートの借用)。同じ「光・照明」の領域には、書きことば寄りの λαμπτήρας(ランプ、電球、文書語), 古代継承形の λαμπάδα(長いろうそく), 灯火そのものの φως(光、明かり)が並ぶ。λάμπα は日常の電球・照明器具に使う一般語、λαμπτήρας は技術文書・書きことば、と棲み分けがある。点灯には ανάβω(火をつける、つける、点火する)を使い、切れたときは Κάηκε η λάμπα(電球が切れた、← καίω「燃やす、焼く」)と言う。
ギリシャ語:ίσκιος
読み方:イスキョス・イースキョス
ラテン文字:iskios
古代ギリシャ語の ἴσκιος(影、日陰)を継承。σκιά(影、日陰)と同じ語源。
σκιά が標準的な形として広く使われるのに対し、ίσκιος は日常会話や口語的な文脈でよく見かける。
影や日陰のほか、輪郭、亡霊、実体のないものなどを指す。さらには、脅威や衰退の比喩、影絵芝居、化粧のアイシャドウなどにも使われる。
ギリシャ語:σκιά
読み方:スキャ・スキャー
ラテン文字:skia
古代ギリシャ語の σκιά(影, 日陰)を継承。印欧祖語で「影」を表す語根に続く語で, サンスクリット語 chāyā(光, 影)と同じ語族の仲間。「影絵芝居」「亡霊」「アイシャドウ」「比喩的な暗さ」など広い意味の使い分けは, フランス語 ombre, 英語 shadow, shade の意味配置と重なって整った。
派生に σκιερός(影の多い, 涼しい), σκιάζω(影をつくる, 怯えさせる), σκιάδιο(日よけ, バイザー)。合成語に σκιαγραφία(影絵, 素描), σκιαμαχία(影との戦い, 無意味な論争), σκιόφιλος(日陰を好む)。
日常の「影, 日陰」には同じ σκι- 語族の ίσκιος(男性名詞, 中世ギリシャ語 ἴσκιος 由来)のほうをよく使う。σκιά は一般的・抽象的な文脈に加え, 医学のレントゲン影やアイシャドウといった専門用語にも使う。光の一部が遮られてできる部分的な暗さを指し, 光が完全に遮断された σκοτάδι(暗闇)やその形容詞 σκοτεινός(暗い)とは焦点が異なる。反対概念は φως(光)で, 「φως και σκιά(光と影)」のように対で使うことも多い。
ギリシャ語:λαμπυρίζω
読み方:ラビリゾ・ラビリーゾ・ランビリゾ・ランビリーゾ
ラテン文字:lampyrizo
ギリシャ語:φεγγάρι
読み方:フェンガリ・フェンガーリ
ラテン文字:fengari
古代ギリシャ語の φέγγος(光、輝き)の指小形 φεγγάριον(小さな光)から、中世ギリシャ語 φεγγάρι(ν) を経て今に至る継承。「光るもの」の意から月を指す語として定着した。
類義語に σελήνη(月)。σελήνη は天文学や暦、公的・学術的な文脈で使うことが多く、φεγγάρι はふだんの月を指す形として広く定着している。派生に φεγγαράκι(小さな月。指小形), φεγγαράδα(月明かり), φεγγαριάτικος(月の〜), φεγγαρίσιος(月の〜), αφέγγαρος(月のない)。合成語に μισοφέγγαρο(半月), φεγγαροβραδιά(月の夜), φεγγαρόλουστος(月光を浴びた), φεγγαρόφωτο(月光), φεγγαροπρόσωπος(月のような顔の), φεγγαροφώτιστος(月光に照らされた)。関連語に φως(光), φέγγω(光る、輝く)。
ギリシャ語:ήλιος
読み方:イリョ・イーリョ
ラテン文字:ilios
印欧祖語で「太陽」を表す語根に起源を持ち、古代ギリシャ語の ἥλιος(太陽)を継承。ラテン語 sol、英語 sun、ドイツ語 Sonne は同じ語根の別系統。
派生語に ηλιακός(太陽の), ηλιοθεραπεία(日光浴), ηλιοστάσιο(至点), λιάζομαι(日なたぼっこをする)など。関連語に ηλίανθος(ヒマワリ、ήλιος + άνθος「花」の合成語で、口語では ήλιος だけでも呼ぶ), φως(光)。英語 helium は太陽のスペクトルで発見された元素で、ラテン語経由で ἥλιος をもとにした語。heliocentric(太陽中心の), heliosphere(太陽圏)なども同じ語源。
ギリシャ語:βεγγαλικό
読み方:ヴェンガリコ・ヴェンガリコー
ラテン文字:vengaliko
地名 Βεγγάλη(ベンガル。英語 Bengal、ベンガル語の自称 Bangla から入った外来借用)を形容詞化した βεγγαλικός(ベンガル風の)の中性名詞形で、英語 Bengal light(ベンガル花火)を写した意味借用(σημασιολογικό δάνειο)として花火を指す名詞に定着した。もとは πυροτέχνημα βεγγαλικό(ベンガル風の花火)と修飾関係で使われていた中性形容詞が単独で名詞化した形。ベンガル花火は、ベンガル地方で信号用に使われた青白い光を放つ火薬を指し、手持ちや信号弾として燃やすタイプのものだった。
類義語に πυροτέχνημα(花火。やや硬い語)。βεγγαλικό は打ち上げ・手持ちの両方を含む花火全般を指す形として広く使う。通常は複数形 βεγγαλικά で用いる。関連語に βαρελότο(爆竹), κροτίδα(クラッカー、爆竹), στρακαστρούκα(爆竹), φωτοβολίδα(照明弾、信号弾), βεγγαλικός(ベンガル風の。形容詞形)。
ギリシャ語:πυροτέχνημα
読み方:ピロテフニマ・ピロテーフニマ
ラテン文字:pyrotechnima
古代ギリシャ語の πυρο-(πῦρ「火」から)と τέχνημα(工芸品、技術で作られたもの。τέχνη「技術、芸術」から)を組み合わせて作られた学術借用で、フランス語 feu d'artifice(花火。直訳「技の火」)の意味を写した翻訳借用(μεταφραστικό δάνειο)。語頭の πυρο- は πυρκαγιά(火災)や πυροδοτώ(起爆する)にも現れる合成要素。
類義語に βεγγαλικό(花火、ベンガル花火)。βεγγαλικό は打ち上げ・手持ちの両方を含む花火全般をふつうに指す形で、πυροτέχνημα はやや硬い語。関連語に花火・爆薬の類語として βαρελότο(爆竹), κροτίδα(クラッカー、爆竹), σκορδάκι(かんしゃく玉), φωτοβολίδα(照明弾、信号弾)。英語の pyrotechnics(花火術)は同じ πῦρ と τέχνη から新ラテン語 pyrotechnicus、フランス語 pyrotechnique を経由して入った学術借用で、πυροτέχνημα と語構成を共有する。
ギリシャ語:βαρελότο
読み方:ヴァレロト・ヴァレロート
ラテン文字:vareloto
イタリア語 barilotto(小さな樽)からの借用で、祝祭や行事で使う爆竹を表す。barilotto は barile(樽)に指小辞 -otto を付けた形。ギリシャ語 βαρέλι(樽)はイタリア語 barile から、英語 barrel は古フランス語 baril から来ていて、いずれも同じ語族につながる。
類義語に κροτίδα(爆竹、クラッカー), στρακαστρούκα(爆竹、かんしゃく玉), μπομπάκι(小型爆弾), δυναμιτάκι(小型ダイナマイト)。関連語に βεγγαλικό(手持ち花火、ベンガル花火), πυροτέχνημα(花火), φωτοβολίδα(照明弾、信号弾)。
ギリシャ語:φλόγα
読み方:フロガ・フローガ
ラテン文字:floga
古代ギリシャ語の φλόξ(炎、対格 τὴν φλόγα)を継承。中世ギリシャ語 φλόγα を経て今に至る。
印欧祖語で「燃える、光る」を表す語根に由来し、ラテン語 flamma を経由した英語の flame も同系。
植物名の英語 phlox はこの φλόξ をそのまま借りた語で、花の色が炎のように鮮やかなことによる命名。現代ギリシャ語の φλόγα も、植物学や文章語では観賞用植物フロックスを指すことがある。
類義語 φωτιά(火、火災)に対し、φλόγα は特に目に見える個々の炎や火の粉、放電による発光などを指す。色や勢い、火災の広がり方を描くときにも使われる。比喩的には、力強さや激しさ、感情の高まりも表す。
複数形 φλόγες では激しく燃え上がる火炎や火災そのものも表す。
ギリシャ語:σπίθα
読み方:スピサ・スピーサ・スピタ・スピータ
ラテン文字:spitha
動詞 σπιθίζω(火花を散らす、きらめく)から作られた名詞で、中世ギリシャ語の σπίθα を経て今に至る継承。
類義語に σπινθήρας(火花)。σπινθήρας は電気工学や物理の火花を指すのに使うことが多く、σπίθα は日常の火花のほか、きっかけ、残り火、頭の切れる人のような比喩でよく出る。
ギリシャ語:σπινθήρας
読み方:スピンシラス・スピンシーラス・スピンティラス・スピンティーラス
ラテン文字:spinthiras
古代ギリシャ語の σπινθήρ(火花)から。古代の対格 σπινθῆρα を土台に、男性名詞語尾 -ς が付いて今の形になった。
さらに古い起源は確定していない。ラテン語 scintilla(火花)と結びつける説や、先ギリシャ語基層の語と見る説などがある。
英語 spinthariscope(スピンサリスコープ、閃光計)の spinthari- は、同じ σπινθήρ から派生した古代ギリシャ語 σπινθαρίς(火花)に由来。
近い語に σπίθα(火花、きっかけ、残り火)がある。日常の火花には σπίθα も多用され、σπινθήρας は ηλεκτρικός σπινθήρας(電気火花)や κινητήρας ανάφλεξης με σπινθήρα(火花点火式エンジン)のように技術的な文脈でも用いられる。
比喩では、物事が起こるきっかけや火種を指す。ο σπινθήρας της επανάστασης(革命の火種)、ο σπινθήρας της σύγκρουσης(衝突の火種)などが代表的。近い表現に θρυαλλίδα(導火線)などがある。