#行事
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ギリシャ語:επέτειος
読み方:エペティオス・エペーティオス
ラテン文字:epeteios
古代ギリシャ語の ἐπέτειος(毎年めぐる、年ごとの)に由来。ἐπί-(〜の上で、〜ごとに)と ἔτος(年)を組み合わせた形容詞で、もとは「毎年めぐる」という意味。
現代の「記念日」の意味は、フランス語 anniversaire からの意味借用で定着したもの。
ἔτος は印欧祖語で「年」を表す語根に由来し、ラテン語 vetus(古い、年を重ねた)と同源。英語 veteran(ベテラン、古参、もとは「年を重ねた」人)や inveterate(根深い、慢性の)なども同根の語。
関連語に επετειακός(記念日の)、ετήσιος(年ごとの、毎年の)、έτος(年)など。誕生日は γενέθλια と言う。
ギリシャ語:πανηγύρι
読み方:パニイリ・パニイーリ・パニギリ・パニギーリ
ラテン文字:panigyri
中世ギリシャ語の πανηγύρι(ν) を継承。
古代ギリシャ語の πανήγυρις(みんなの集まり、祭典)に由来。これは πᾶς(すべての)と ἄγυρις(集まり。ἀγείρω「集める」より)を合わせて作られた語。
中世の πανηγύριον が音変化を経て現在の形になった。
派生語には πανηγυρίζω(祝う、はしゃぐ)や πανηγυρισμός(祝賀)などがある。関連語として πανηγυρικός(祝典の、讃辞)なども挙げられる。
ギリシャ語:παρέλαση
読み方:パレラシ・パレーラシ
ラテン文字:parelasi
ヘレニズム期ギリシャ語 παρέλασις(横を通り過ぎること、馬での行進、← 動詞 παρελαύνω「横を通り過ぎる、馬で行進する、閲兵する」, ← παρά-「横に、沿って」+ ἐλαύνω「駆る、追い立てる」)を、近代以降に書きことばから再導入した学術借用(λόγιο διαχρονικό δάνειο)。語末は古代の -σις が中世以降のパターン -ση に音変化した形。古代の意味は「馬で横を通り過ぎる、閲兵」が中心だったが、近代の祝祭文化・軍事行事の発達とともに「パレード、行進、閲兵式」を指す近代的な用法が確立された。
源にある古代の動詞 ἐλαύνω(駆る、追い立てる、押す、戦車を駆る、船を漕ぐ)は、印欧祖語の「行く、駆る、押す」を表す語根に由来し、サンスクリット ar-(駆る、動かす)と同族。古代ギリシャ語の ἐλαύνω は、ホメロスの『イーリアス』の戦闘場面で頻出する戦車・馬・船の運転動詞で、戦争・狩猟・航海の中核を成す動詞。同じ語根からは、現代ギリシャ語に λάστιχο(ゴム、← 伊 elastico < αρχ. ἐλαστός「伸ばせる」)が出ている。
接頭辞 παρά(横に、沿って、添えて)と動詞 ἐλαύνω の合成 παρελαύνω は、古代ギリシャの戦車競技(パナテナイア祭の戦車競走), 軍事閲兵(観閲する将軍の前で兵士が「横を通り過ぎる」動作)の場面で頻出する語彙。この動作の名詞化が παρέλασις で、近代の「パレード」概念の源となった。
ヨーロッパ各語の「パレード」語彙は、別系統のラテン語 parāre(準備する、用意する)から派生したフランス語 parade(パレード、← 文字どおり「展示の場」「身を整えて出る場」)が、英 parade, 独 Parade, 西 parada, 伊 parata として広まった国際語の中核。ギリシャ語 παρέλαση は、その近代の「パレード」概念に対応する古代ギリシャ語の語彙を再活用した形で、フランス語 parade の意味用法を取り込んだ意味借用の側面を併せ持つ。
派生・関連語族として παρελάσεις(複数形), παρελάσιμος(パレード可能な、書きことば), παρελαύνω(パレードする、行進する、動詞), παραλάστρια(女性のパレード参加者、書きことば), στρατιωτική παρέλαση(軍事パレード), σχολική παρέλαση(学校の行進), καρναβαλική παρέλαση(カーニバルパレード), αθλητική παρέλαση(スポーツパレード、オリンピックの開会式の選手団行進), μαθητική παρέλαση(生徒の行進), παιδική παρέλαση(子どもの行進、保育園・幼稚園の行事), εθνική παρέλαση(国民的パレード)。
ギリシャの近代国家形成の中で、παρέλαση は重要な国民的儀礼として確立された:3 月 25 日の独立記念日(ギリシャ独立戦争 1821 年の記念), 10 月 28 日のオヒ・デー(第二次世界大戦のイタリア最後通牒拒否の記念), 5 月 1 日の労働者の日など、国家・愛国・連帯の象徴として、軍人・学生・市民が街路を行進する伝統的な行事の中核。アテネの中心街シンタグマ広場やテッサロニキのアリストテレス広場などで、毎年大規模なパレードが行われる。
学校の παρέλαση(学校パレード)は、ギリシャの教育制度の伝統的な行事として、各小・中・高校の生徒が国旗を掲げて街を行進する重要な公的儀礼で、3 月 25 日と 10 月 28 日に各都市・町・村で同時に行われる、地域共同体の国民的アイデンティティを再確認する儀礼の中核を担う。
近代以降の Pride(プライド・パレード、LGBTQ+ の権利運動), Carnival(カーニバル、特にパトラのカーニバル、ザキントス・コルフの伝統カーニバル), Επιτάφιος(聖金曜日のキリストの埋葬の行列、東方正教会の最大の宗教行事)など、政治・宗教・文化の各領域での行進・パレードが、近代社会の儀礼・連帯・表現の中核として機能する。
ギリシャ語:κηδεία
読み方:キディア・キディーア
ラテン文字:kideia
古代ギリシャ語の κηδεία(世話、気づかい、弔い、葬儀)に由来。動詞 κηδεύω(世話をする、特に死者を弔う)の行為名詞で、κῆδος(心配、世話、とりわけ親族や死者への気づかい)にさかのぼる。古代には親族や友への広い「世話」をも言ったが、後古典期以降は「死者の世話」の方に意味が絞られ、現代ギリシャ語では葬儀・葬送の場そのものを指す語として定着した。
派生語・関連語に κηδεύω(葬る、弔う)、κηδεμόνας(保護者、後見人)、κηδεμονία(後見、保護)、νεκροθάφτης(墓掘り人)、νεκροταφείο(墓地)。
ギリシャ語:τελετή
読み方:テレティ・テレティー
ラテン文字:teleti
古代ギリシャ語の τελετή(入信儀礼, 秘儀)を継承。動詞 τελέω(成し遂げる, 実行する)から作られた名詞で, τέλος(終わり, 仕上げ, 料金)と同じ語根から出る。印欧祖語で「巡る, 動く」を表した語根の子孫。「式典, セレモニー」の広い意味は, フランス語 cérémonie からの意味借用で入った近代の用法。
同じ τελέω の語根から兄弟語に τέλεση(執行, 挙行), τέλος(終わり, 仕上げ, 料金)。τελετή 自体から作られた合成語には τελετουργία(儀式, 儀礼, τελετή に ἔργον を足した形), τελετουργικός(儀礼の, 典礼の)。
宗教儀礼に強い語は ιεροτελεστία(秘跡の挙行, 荘厳な儀式)で, 決まった手順を守って厳かに行う感じを前面に出す。比喩では料理やお茶の入れ方のように手順を守って厳かに行う行為にも使う。τελετή は世俗の式典(卒業式, 開会式, 結婚式)も含めて広く使える。英語 ceremony, フランス語 cérémonie, イタリア語 cerimonia はラテン語 caerimonia から経由した別系統の語で, 意味の上で τελετή と対応する。儀礼を担う ιερέας(司祭)がこの語の周辺で動く。
ギリシャ語:γιορτή
読み方:ヨルティ・ヨルティー
ラテン文字:giorti
古代ギリシャ語 ἑορτή(祭り、祝日、宴)が、中世期に [eo > ιo] の音変化を起こし、半母音化 [j] が語頭の音節融合とともに進んで現代の γιορτή になった継承語(κληρονομιά)。書きことばでは古代形を保つ εορτή も並行して使われる。
源にある古代の ἑορτή は、印欧祖語の語根との確実な対応が見出されておらず、Beekes は先ギリシャ語基層からの借用説も提唱している。同じ ἑορτή は古代ギリシャ・ローマ世界の宗教儀礼の中心語彙の一つで、ディオニュシア祭、パンアテナイア祭、エレウシス密儀など、古代ギリシャの祭礼文化を表す術語として広く用いられた。
ラテン語に直接の借用語はないが、概念対応の feria(休日、祝祭、← 別語源), festus(祝祭の)が同様の意味領域を覆い、英語 feria(教会暦の平日), feast(祭日、宴), festival(祭典), festivity(祝祭、お祭りムード)など、近代の祝祭語彙の系統に対応する。
派生・関連語族として γιορτάζω(祝う、祝祭する、動詞), γιορτάσιμος(祝祭の、お祝いの), γιορτινός(晴れの、祝祭の、晴れ着用の), γιορτούλα(小さな祝い、可愛らしい祝祭、指小形), εορτή(書きことば形), εορταστικός(祝祭の、形容詞)。類義語に πανηγύρι(地方祭り、特に守護聖人の祭、賑やかな祝祭), ξεφάντωμα(騒ぎ、お祭り騒ぎ), διακοπές(休暇、より個人的), αργία(休日、休業日), χαρά(喜び、感情そのもの)。
複数形 οι γιορτές はクリスマス・新年の祝祭期を指す定番表現で、Καλές γιορτές!(よい祝祭期を、ハッピーホリデーズ)が年末の挨拶として広く使われる。教会暦の聖人の名の日(ονομαστική γιορτή)も「祝日」のうちで、自分の名の聖人の日を祝う伝統文化の中核を成す。
ギリシャ語:βεγγαλικό
読み方:ヴェンガリコ・ヴェンガリコー
ラテン文字:vengaliko
地名 Βεγγάλη(ベンガル。英語 Bengal、ベンガル語の自称 Bangla から入った外来借用)を形容詞化した βεγγαλικός(ベンガル風の)の中性名詞形で、英語 Bengal light(ベンガル花火)を写した意味借用(σημασιολογικό δάνειο)として花火を指す名詞に定着した。もとは πυροτέχνημα βεγγαλικό(ベンガル風の花火)と修飾関係で使われていた中性形容詞が単独で名詞化した形。ベンガル花火は、ベンガル地方で信号用に使われた青白い光を放つ火薬を指し、手持ちや信号弾として燃やすタイプのものだった。
類義語に πυροτέχνημα(花火。やや硬い語)。βεγγαλικό は打ち上げ・手持ちの両方を含む花火全般を指す形として広く使う。通常は複数形 βεγγαλικά で用いる。関連語に βαρελότο(爆竹), κροτίδα(クラッカー、爆竹), στρακαστρούκα(爆竹), φωτοβολίδα(照明弾、信号弾), βεγγαλικός(ベンガル風の。形容詞形)。
ギリシャ語:πυροτέχνημα
読み方:ピロテフニマ・ピロテーフニマ
ラテン文字:pyrotechnima
古代ギリシャ語の πυρο-(πῦρ「火」から)と τέχνημα(工芸品、技術で作られたもの。τέχνη「技術、芸術」から)を組み合わせて作られた学術借用で、フランス語 feu d'artifice(花火。直訳「技の火」)の意味を写した翻訳借用(μεταφραστικό δάνειο)。語頭の πυρο- は πυρκαγιά(火災)や πυροδοτώ(起爆する)にも現れる合成要素。
類義語に βεγγαλικό(花火、ベンガル花火)。βεγγαλικό は打ち上げ・手持ちの両方を含む花火全般をふつうに指す形で、πυροτέχνημα はやや硬い語。関連語に花火・爆薬の類語として βαρελότο(爆竹), κροτίδα(クラッカー、爆竹), σκορδάκι(かんしゃく玉), φωτοβολίδα(照明弾、信号弾)。英語の pyrotechnics(花火術)は同じ πῦρ と τέχνη から新ラテン語 pyrotechnicus、フランス語 pyrotechnique を経由して入った学術借用で、πυροτέχνημα と語構成を共有する。
ギリシャ語:βαρελότο
読み方:ヴァレロト・ヴァレロート
ラテン文字:vareloto
イタリア語 barilotto(小さな樽)からの借用で、祝祭や行事で使う爆竹を表す。barilotto は barile(樽)に指小辞 -otto を付けた形。ギリシャ語 βαρέλι(樽)はイタリア語 barile から、英語 barrel は古フランス語 baril から来ていて、いずれも同じ語族につながる。
類義語に κροτίδα(爆竹、クラッカー), στρακαστρούκα(爆竹、かんしゃく玉), μπομπάκι(小型爆弾), δυναμιτάκι(小型ダイナマイト)。関連語に βεγγαλικό(手持ち花火、ベンガル花火), πυροτέχνημα(花火), φωτοβολίδα(照明弾、信号弾)。
ギリシャ語:φωτοβολίδα
読み方:フォトヴォリダ・フォトヴォリーダ
ラテン文字:fotovolida
カサレヴサの φωτοβολίς に由来。古代ギリシャ語 φῶς(光)の接頭辞形 φωτο- と、コイネー βολίς(投げられたもの、矢、弾丸)の合成で、強い光を放って飛ぶものを指す。英語 photography や photon の photo- も同じ φῶς を起源とする。
観賞用の花火を指す πυροτέχνημα に対し、φωτοβολίδα は光を放つ信号弾・照明弾を指す。

連語 
女性名詞 
喜び・楽しさ 

愛 
生と死 
魔術
信仰・神話 
火・炎
光と闇 

玩具
軍事