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ギリシャ語:μόριο
読み方:モリオ・モーリオ
ラテン文字:morio
古代ギリシャ語の μόριον(全体の一部、小片)に由来。「分け前、割り当て」を表す語根からできた語で、同じ語根の仲間には μέρος(部分)と μοῖρα(運命、分け前)もある。古代の「部分」という意味から、現代では化学の分子、文法の不変化辞(να, θα, δε など)に使う。試験や評価の「点数」は後からの用法で、この意味での語源ははっきりしない。派生形容詞に μοριακός(分子の)、合成語に γραμμομόριο(モル、化学の単位)と μακρομόριο(高分子)。英語 molecule はラテン molecula(塊 moles の縮小形)からで μόριο とは語源が別だが、化学の「分子」の訳語として対応している。
ギリシャ語:πρόταση
読み方:プロタシ・プロータシ
ラテン文字:protasi
πρόταση(文、提案)は、προτείνω(差し出す、提案する)に由来する名詞である。現代ギリシャ語では、文法上の文にも、会議などで出される提案にも使われる。
φράση(句、フレーズ、言い回し) が短い表現のまとまりを言うのに対して、πρόταση はより完結した文を言いやすい。仕事の場では συνάντηση(会議、打ち合わせ)で出される提案の意味にもなる。
意味は文、提案。言語の単位にも、差し出された案にも使える。
ギリシャ語:μετάφραση
読み方:メタフラシ・メターフラシ
ラテン文字:metafrasi
μετάφραση(翻訳、訳文)は、古代ギリシャ語由来の文語的な μετάφρασις(翻訳)から受け継がれた語である。現代ギリシャ語では、ある言語の内容を別の言語へ移し替えることにも、その結果できた訳文にも使う。
λέξη(単語、語) 一語の対応を考えることもあれば、φράση(句、フレーズ、言い回し) 全体をまとめて訳すこともある。どちらの場合でも、移す中心になるのは元の σημασία(意味、意義)である。
意味は翻訳、訳文。行為にも結果にも使える。
ギリシャ語:διάλεκτος
読み方:ディアレクトス・ディアーレクトス
ラテン文字:dialektos
διάλεκτος(方言)は、ヘレニズム期の διάλεκτος(言語の型、話し方)から受け継がれた語である。現代ギリシャ語では、共通語とは区別される地域的な言語変種を指す。
ομιλία(話しことば、スピーチ) が話すこと全体を言うのに対して、διάλεκτος は地域や共同体ごとの型を言う。より大きく言語全体を立てるときは γλώσσα(言語、ことば)が上位に来る。
意味は方言。地域差のある話し方や言語変種を指す。
ギリシャ語:φράση
読み方:フラシ・フラーシ
ラテン文字:frasi
動詞 φράζω(言う, 表現する)から派生した古代ギリシャ語の女性名詞 φράσις(言い表し, 表現)に由来。語尾 -ις が -η に変わって現代ギリシャ語の φράση の形になった。
同じ語族に動詞 φράζω(言う, 表現する), 形容詞 φραστικός(表現の)。合成語に έκφραση(表現, 言い方), μετάφραση(翻訳), παράφραση(言い換え, パラフレーズ), περίφραση(遠回しな表現), σύμφραση(前後の文脈)。
λέξη(単語, 語)は一語を指し, φράση は複数の語からなる短いまとまり, πρόταση(文, 提案)は完結した文を指す。
ギリシャ語:λέξη
読み方:レクシ・レークシ
ラテン文字:lexi
λέξη(単語、語)は、古代ギリシャ語 λέξις(言い方、語句)から受け継がれた語である。現代ギリシャ語では、文の中で一つの語として数える単位を言う基本語として定着している。
φράση(句、フレーズ、言い回し) が複数の語のまとまりを言うのに対して、λέξη はその一つ一つの語を言う。σημασία(意味、意義) は、その語が何を表すかという側を受け持つ。
意味は単語、語。言語学の説明でも、日常の「この単語は難しい」のような言い方でも使える。
ギリシャ語:ομιλία
読み方:オミリア・オミリーア
ラテン文字:omilia
副詞 ὁμοῦ(共に)に -ιλος が付いた名詞 ὅμιλος(集団, 群れ)から派生した古代ギリシャ語の女性名詞 ὁμιλία(交際, 付き合い)に由来。のちに「講話, 語り」の意味が加わり, 現代の「話しことば, スピーチ」の用法は英語 speech やフランス語 parole からの意味借用で輪郭が整った。
同じ ὁμιλία の語族に ομιλώ(話す, 口語形は μιλάω), ομιλητής(話し手, 演説者), ομιλητικός(話し好きの), 合成語 συνομιλία(会話), συνομιλητής(対話者), συνομιλώ(会話する)。
関連語の διάλεκτος(方言)は地域ごとの話し方, φράση(句, フレーズ)は個々の言い回し, λόγος(言葉, 話, 理性)は言葉そのものの単位。英語 homily(説教, 講話)もラテン語 homilia を経て同じ語源。
ギリシャ語:σημασία
読み方:シマシア・シマシーア
ラテン文字:simasia
古代ギリシャ語の σημασία(しるし, 指し示し)に由来。σημαίνω(示す, 意味する)に抽象名詞を作る -ία が付いた語で, σημαίνω 自体は σῆμα(しるし)から作られた動詞。「語やしるしが表す内容」という用法はヘレニズム期にすでに見え, 英語 meaning の意味配置と重なって整った。「重要性, 意義」の用法は, 英語 significance からの意味借用で加わった。
英語 semasiology(意味論)はこの語から作られた学術語。派生に σημασιολογία(意味論), σημασιολογικός(意味論の)。σημαίνω(示す), σημαντικός(重要な, 意味のある), σῆμα(しるし)が同じ σημ- の語族の仲間。
λέξη(単語, 語)が語そのものを指すのに対し, σημασία はその語が表す内容を指す。μετάφραση(翻訳, 訳文)では, 元の語や文の σημασία を別の言語に移す。
ギリシャ語:κατηγορία
読み方:カティゴリア・カティゴリーア
ラテン文字:katigoria
古代ギリシャ語の κατηγορία(告発、公の言い立て、範疇)に由来。κατά(〜に対して)と ἀγορεύω(公の場で話す)から作られた κατήγορος(告発者)に -ία を付けた名詞。現代の「分類、カテゴリー」の用法はフランス語 catégorie、英語 category からの意味借用で定着した。英語 category もラテン語 catēgoria を経て同じ語源。
派生語に κατηγορώ(告発する、非難する), κατηγορούμενος(被告)。関連語に δικαστήριο(裁判所), ποινή(刑罰)。
ギリシャ語:κόμμα
読み方:コマ・コーマ
ラテン文字:komma
古代ギリシャ語の κόμμα(切り取られた部分、切片、刻印、文の一句)に由来。動詞 κόπτω(切る、打ち切る)から作られた名詞で、古代では切り分けられた物の一片、貨幣に打たれた刻印、修辞で文の短い一句といった使い方があった。現代の「政党」としての使い方はフランス語 parti からの翻訳借用、句読点の「コンマ」としての使い方はフランス語 virgule からの意味借用で、近代にそれぞれ定着した。
派生語・関連語に κόβω(切る)、κομμάτι(一片、部分)、κομματικός(政党の、党派的な)、κομματιάζω(ばらばらに切る、小分けにする)、αποκόπτω(切り離す)。関連語に κράτος(国家)、κοινωνία(社会)。
ギリシャ語:άρθρο
読み方:アルスロ・アールスロ・アルトゥロ・アールトゥロ
ラテン文字:arthro
古代ギリシャ語の ἄρθρον(継ぎ目、関節)を継承。動詞 ἀραρίσκω(合わせる、組み合わせる)に道具・手段を表す接尾辞 -θρον が付いた形で、もとは体の継ぎ目を表した。現代ギリシャ語の「記事」「条文」「文法の冠詞」の使い方は、フランス語・英語 article、ドイツ語 Artikel からの意味借用で広がった。
派生語に άρθρωση(関節)、αρθρωτός(節のある)、αρθρώνω(関節を組む、明確に発音する)。英語 arthritis(関節炎)、arthropod(節足動物)は同じ古代語から。英語 article は「合わせる」を表す印欧祖語語根から、ラテン語 articulus(artus「関節」の指小形)を経て入った。
ギリシャ語:μήνυμα
読み方:ミニマ・ミーニマ
ラテン文字:minyma
ギリシャ語:στιγμή
読み方:スティグミ・スティグミー
ラテン文字:stigmi
古代ギリシャ語の στιγμή(点, しるし)に由来。動詞 στίζω(刺す, 点を打つ)に名詞を作る -μή が付いてできた語。「瞬間, 短い時間」と「その折, 時点」の使い分けはフランス語 moment の意味配置と重なって整い, 句点や活字のポイントといった技術的な用法は英語 point からの意味借用で加わった。
派生に στιγμιαίος(瞬時の), στιγμιαία(一瞬で), στιγμιότυπο(スナップショット)。同じ στιγ- の語族に στίζω(刺す, 点を打つ), στίγμα(しるし, 汚点), στίξη(句読点を打つこと)。英語 stigma はこの στίγμα から作られた学術借用語。
δευτερόλεπτο(秒)が時計で測れる単位なのに対し, στιγμή はもっと感覚的で「ちょっとのあいだ」「その瞬間」を指す。μεσημέρι(正午, 昼どき)のような時間帯より, はるかに小さい一点に焦点がある。
ギリシャ語:ρίζα
読み方:リザ・リーザ
ラテン文字:riza
古代ギリシャ語の ῥίζα(根)を継承。印欧祖語で「根」を表す語根に続く語で, 植物の地中部分を指すところから, 土台や出どころを指す比喩にも使う。語学の「語根」, 数学の「根」, 化学の「基」という専門用法は, フランス語 racine とドイツ語 Wurzel からの意味借用で加わった。
英語 root(古ノルド語 rót 経由), ラテン語 radix(→ radical, radish), ドイツ語 Wurzel は同じ印欧祖語の語族の仲間。英語の接頭辞 rhizo-(根の〜, rhizome 根茎, rhizosphere 根圏)はこの語からラテン語経由で英語に入った。派生に ριζικός(根源的な, 徹底的な), ριζώνω(根を張る), ξεριζώνω(根こそぎにする)。
χορτάρι(草)や κλήμα(ブドウの木)の地下部分を指す具体的な用法のほかに, 人の出自や文化のルーツなど, 目に見えない土台も指すことが多い。
ギリシャ語:τόνος
読み方:トノス・トーノス
ラテン文字:tonos
古代ギリシャ語の τόνος(張り, 音の高さ, アクセント)を継承。動詞 τείνω(張る, 伸ばす)から作られた名詞で, 印欧祖語で「張る」を表す語根に続く。ラテン語 tonus, 英語 tone も同じ語源。
音楽の音程, 声の調子, 文体や色のトーン, 機器の通知音といった現代の用法は, フランス語 ton と英語 tone からの意味借用で整った。
同じ綴りの τόνος には別の語源の語が重なる。重量単位の「トン」はフランス語 tonne からの借用。魚のマグロを指す τόνος(別綴り τόννος)はイタリア語 tonno からの借用で, その先はラテン語 thynnus, 古代ギリシャ語 θύννος(マグロ)に戻る。
派生に τονίζω(強調する, アクセントを置く), τονικός(トニックの)。合成語に ημιτόνιο(半音)。
ギリシャ語:αμφιβολία
読み方:アムフィヴォリア・アムフィヴォリーア
ラテン文字:amfivolia
古代ギリシャ語の ἀμφιβολία(両義性、疑い)に由来。ἀμφίβολος(どちらとも取れる、疑わしい)に -ία を付けた名詞で、さらに ἀμφί(両側に)と βάλλω(投げる)にさかのぼる。動詞は αμφιβάλλω(疑う)、対義語は αναμφίβολος(疑う余地のない)。
英語 amphiboly(文法上の曖昧さ)の語源にもなった。
ギリシャ語:ερώτηση
読み方:エロティシ・エローティシ
ラテン文字:erotisi
古代ギリシャ語の ἐρώτησις(問い、質問)から。動詞 ἐρωτάω(尋ねる、問う)の名詞形で、古代から「問うこと」を表す基本語として使われていた。似た綴りの ἔρως(愛)や英語 erotic は別の語根から。
派生語に ερώτημα(質問、疑問。より抽象的な問い)、ερωτηματικός(疑問の)、ερωτηματολόγιο(アンケート、質問票)、ερωτώ(尋ねる)、διερωτώμαι(自問する)など。関連語に απορία(当惑、疑問)、απορώ(不思議に思う)など。
ギリシャ語:υγρός
読み方:イグロス・イグロース
ラテン文字:ygros
印欧祖語で「濡れる」を表す語根の子孫で, 物質が液体であることや物が濡れていることを言う古代ギリシャ語の形容詞 ὑγρός(液体の, 湿った)を継承。文法用語の υγρά σύμφωνα(液音)はフランス語 liquide からの意味借用で, ヘレニズム期の ὑγρά στοιχεῖα(液体の文字群)の言い方を受けつつ, 近代の文法概念として整えられた。ふつうは λ(ラムダ)と ρ(ロー)を指す。
同じ ὑγρός から派生した語に動詞 υγραίνω(湿らせる), 名詞 ύγρανση(湿らせること, 加湿), 形容詞 υγραντικός(保湿の), 名詞 υγρασία(湿気, 湿度), υγρότητα(湿り気, 液状性)。合成語では υγραέριο(液化ガス), υγρόφιλος(親水性の), υγροποίηση(液化), υγρομετρία(湿度測定), υγρογράφος(湿度記録計)が並ぶ。
「水」そのものを言うには νερό(水)か ύδωρ(水)を使い, 中性形の υγρό は水に限らず液体全般を指す。英語 hygrometer(湿度計), hygroscopic(吸湿性の), hygrograph(湿度記録計)は ὑγρός から経由した語族。ラテン語 ūmor(湿り気), ūmidus(湿った), 英語 humid(湿った), humidity(湿度)も同じ印欧語根の子孫とされる。
ギリシャ語:αστείο
読み方:アスティオ・アスティーオ
ラテン文字:astio
名詞 ἄστυ(町)から派生した「都会風の, 垢抜けた」を意味する古代ギリシャ語の形容詞 ἀστεῖος(洗練された, 気の利いた)の中性形 ἀστεῖον が「しゃれ, 気の利いた言い回し」を指す名詞として用いられ, καθαρεύουσα が再び取り入れた語に由来。フランス語 plaisanterie からの意味借用も重なり, 今の「冗談」の用法が定着した。
派生に αστειάκι(ちょっとした冗談)。同じ語族に形容詞 αστείος(面白い, 気の利いた), 動詞 αστειεύομαι(冗談を言う, ふざける)。類義語に ανέκδοτο(逸話, ジョーク)。
ギリシャ語:τηλεφωνώ
読み方:ティレフォノ・ティレフォノー
ラテン文字:tilefono
τηλεφωνώ は、フランス語 téléphoner または英語 telephone の影響を受けて近代ギリシャ語に入った文語的な動詞で、名詞 τηλέφωνο(電話)を土台にしている。英語の telephone や phone と同じ国際語系に属し、語の後半は φωνή(声)と同じ語根につながる。
語形には τηλεφωνώ と τηλεφωνάω(電話する)がある。口語では受動側の τηλεφωνιέμαι(電話で連絡し合う)が、誰から誰へ電話したかを立てずに「電話で連絡し合う」「電話で話す」のような相互的な意味でも使われる。
主な意味は「電話する」。相手の番号に電話をかけること、その電話で相手と話すこと、電話で何かを知らせることまでをまとめて言える。口語の受動形では、二人が電話でやりとりすることも表せる。
ギリシャ語:χαρακτήρας
読み方:ハラクティラス・ハラクティーラス
ラテン文字:charaktiras
古代ギリシャ語の動詞 χαράσσω(刻む, 彫る)から派生した χαρακτήρ(刻みつけた印, しるし)から。
派生に動詞 χαρακτηρίζω(特徴づける, 性格づける)。同じ語族に χαρακτηρισμός(特徴づけ, レッテル貼り), χαρακτηριστικός(特徴的な), χαρακτηριστικά(特徴), αχαρακτήριστος(ひどすぎて言い表せない), χαρακτηρολογία(性格学)。
英語 character, ラテン語 character も同じ古代ギリシャ語にさかのぼる。
近い語に φύση(本性, 性質)と ιδιοσυγκρασία(気質, 体質)があり, φύση は生まれつきの「本性」, ιδιοσυγκρασία は細かい気質や体質を言い, χαρακτήρας は人や物に現れる特徴を広く指す。
ギリシャ語:φωνή
読み方:フォニ・フォニー
ラテン文字:foni
古代ギリシャ語の φωνή(声、音)を継承。現代の社会的な抗議の声や世論の意味には、フランス語 voix、英語 voice からの意味借用も加わる。
派生語に指小形の φωνούλα, φωνίτσα(小さな声、かわいらしい声)、増大形の φωνάρα(よく通る立派な声)。英語 phone, telephone, symphony, phonetics など、phono-/phone- を使う語はいずれも同じ古代ギリシャ語から。
ギリシャ語:έλλειψη
読み方:エルリプシ・エールリプシ
ラテン文字:elleipsi
古代ギリシャ語の ἔλλειψις(不足、欠け)から。ἐν-(中に)+ λείπω(残す、欠ける)からなる語で、λείπω は英語 leave と同じ語根から。
英語 ellipse(楕円)、ellipsis(省略)はこの ἔλλειψις から。幾何の意味は古代の数学者アポロニオスが円錐曲線の一つに名づけたもので、文体論の意味も古代の修辞学用語に由来する。
派生語に ελλειπτικός(楕円の、省略の、不完全な)、ελλιπής(不十分な、欠けた)など。関連語に έκλειψη(食、消失、同じ λείπω から)、ανυπαρξία(不在)、ένδεια(欠乏、窮乏)、έλλειμμα(赤字、不足分)など。
ギリシャ語:πρόσωπο
読み方:プロソポ・プローソポ
ラテン文字:prosopo
古代ギリシャ語の πρόσωπον(顔、人、前面)から。
現代ギリシャ語の「人物」「登場人物」「自然人・法人」のような抽象的な意味には、ヘレニズム期以来の用法を文語的に引き継いだ面がある。とくに「人」まわりの意味ではフランス語 personne や personnage、「外観」の意味ではフランス語 face の影響も加わっている。
口語で「表」「正面」を表す使い方には、φάτσα(顔つき、面)に引かれた意味の広がりも見られる。
主な意味は「顔」だが、そこから「人物」「本性や身元」「面目」「法律上の主体」「物語の登場人物」「文法上の人称」「物事の様相や外観」へと広がっている。具体的な顔つきから抽象的な人格や表れ方まで、一つの語で大きくカバーする語である。
表現では κατά πρόσωπο(面と向かって)や πρόσωπο με πρόσωπο(顔を合わせて)がよく使われる。γη(大地)や θεός(神)と結びついた成句もあり、文字どおりの「顔」から離れて、対面性や面目、消息の有無まで表す。
ギリシャ語:γράμμα
読み方:グラマ・グラーマ
ラテン文字:gramma
古代ギリシャ語の γράμμα(書かれたもの、文字)を継承。動詞 γράφω(書く)に -μα を付けた名詞。古代から、一つの文字、書類や手紙、複数形 γράμματα で「書物」「読み書き」「学問」まで幅広く指した。
同じ語根から γραμμή(線)。派生語に γραμματέας(秘書), γραμματική(文法), γραμμάριο(グラム、重量単位)。英語 grammar はこの γραμματική(文字を扱う技術)からラテン語・古フランス語を経て入った語で、telegram, diagram, program, epigram のような -gram の付く語もすべて同じ γράμμα から。
ギリシャ語:αίνιγμα
読み方:エニグマ・エーニグマ
ラテン文字:ainigma
ギリシャ語:χωρίο
読み方:ホリオ・ホリーオ
ラテン文字:chorio
古代ギリシャ語 χωρίον(場所, 箇所, 一節)に由来。χώρος(場所, 空間)の指小形で, 古代では「小さな場所」から「要塞地」「農地」「文章の箇所」まで指した。
χωριό(村)は日常の用法で χωρίον を受け継いだ形, χωρίο は文章の「一節」の意味で古代の形を改めて取り入れた形で, アクセント位置で区別される。
同じ語族に χώρα(国, 地域), χώρος(場所, 空間), χωρικός(土地の, 村の), χωροταξία(国土計画), χωρίζω(分ける, 隔てる)。
ギリシャ語:επίθετο
読み方:エピセト・エピーセト・エピテト・エピーテト
ラテン文字:epitheto
古代ギリシャ語の ἐπίθετον(付加されたもの)から。ἐπί-(〜に)+ τίθημι(置く)からなる ἐπιτίθημι(添える、加える)の形容詞 ἐπίθετος の中性形が名詞化した語。τίθημι は英語 theme(主題)、thesis(テーゼ)、hypothesis(仮説)、thesaurus(類語辞典)の語源でもある。
英語 epithet(形容語句)はこの ἐπίθετον から。英語 adjective はラテン語 adiectīvum(「投げ加えられた」)で、ἐπίθετον の翻訳借用。どちらも名詞に「添えられる語」の発想を名称にしている。
「姓」の意味は、下の名前に添えられる家族名として現代ギリシャ語で定着した用法。派生語に επίθεση(付加、攻撃)、επιθετικός(形容詞的な、攻撃的な)など。関連語に όνομα(名前)、επώνυμο(姓、同じく ἐπί- を用いる)、ουσιαστικό(名詞)など。
ギリシャ語:βρισιά
読み方:ヴリシア・ヴリシアー
ラテン文字:vrisia
βρισιά は古代ギリシャ語の ὕβρις(傲慢、侮辱)に由来する。中世ギリシャ語で υβρισία の形を経て、現代ギリシャ語の βρισιά に至った。英語の hubris(過度な自信、傲慢)も同じ ὕβρις を語源に持つ。
βλαστήμια(冒涜、罵言) が宗教的・神聖な対象を汚す不敬な言葉を指すのに対し、βρισιά は相手の名誉を傷つける侮辱的な言葉を広く指す。
相手を不快にさせたり名誉を傷つけたりする目的で放たれる、下品で無礼な言葉を指す。
ギリシャ語:βλαστήμια
読み方:ヴラスティミア・ヴラスティーミア
ラテン文字:vlastimia
βλαστήμια は古代ギリシャ語の βλασφημία(誹謗、不敬な言葉)に由来する。英語の blasphemy(冒涜)の語源でもある。
類義語の βρισιά(罵倒) と比べると、βλαστήμια は宗教的・神聖な対象を汚すニュアンスがより強い。ただし現代ギリシャ語では、口汚い罵り言葉全般を指すこともある。
不敬な言葉や卑俗な罵り言葉を総称する語で、神への冒涜から日常的な罵言まで幅広く使われる。
ギリシャ語:ψέμα
読み方:プセマ・プセーマ
ラテン文字:psema
古代ギリシャ語の動詞 ψεύδω(欺く)から派生した名詞 ψεῦσμα(嘘)を起源とする。子音群の簡略化による [s] の脱落を経てヘレニズム期に ψεῦμα となり、中世ギリシャ語において同化と簡略化([vm] > [mm] > [m])が起こり、現代の ψέμα に至った。
英語の pseudo-(偽の〜)もまた、ψεύδω から派生した形容詞 ψευδής(偽りの)がラテン語を経て英語に入った接頭辞で、ψέμα と語源を共有する。
ψέμα が日常的な「嘘」を表す語であるのに対し、αναλήθεια(不真実)は事実に反する性質を中立的に指す文語的な表現で、意図的な欺きのニュアンスを含まない。
αλήθεια(真実)の対義語であり、意図的な虚偽から、比喩的に「儚いもの」「幻想」の意味でも使われる。
ギリシャ語:ποίηση
読み方:ピイシ・ピーイシ
ラテン文字:poiisi
古代ギリシャ語の ποίησις(作ること、創造すること)から。もともとは広く「何かを作り出すこと」を意味したが、しだいに韻文や文学的な創作を指す語として使われるようになり、現代ギリシャ語の ποίηση に至った。
ラテン語の poesis、フランス語の poésie、英語の poetry や poesy も同じ語源から来ている。ποίηση は、ギリシャ語の中で受け継がれてきた語であると同時に、西欧語の「詩」という語ともそのままつながっている。
近い語に ποίημα(個別の詩作品、詩)がある。ποίημα が一つひとつの作品を指しやすいのに対し、ποίηση は「詩という芸術」「詩作」という抽象的な意味でも、作品群全体をまとめて言う意味でも広く使われる。
派生語には ποιώ(作る)、ποιητής(詩人)、ποιητικός(詩的な)がある。ποίησις がもともと「作ること」を意味したため、詩だけでなく創作一般につながる語族が周辺に残っている。
主な意味は「詩」「詩作」。散文の πεζογραφία(散文文学)と対比される文学芸術の一分野を指すほか、個別の詩作品、特定の時代や作者による詩作品群、さらには風景や感情に宿る「詩情」「情趣」を表すのにも使われる。
ギリシャ語:στοιχείο
読み方:スティヒオ・スティヒーオ
ラテン文字:stoicheio
古代ギリシャ語の στοιχεῖον(列をなすもの、段階)から。転じて「物質の構成成分」「基本単位」「アルファベットの文字」を指すようになった。近代以降はフランス語の élément(要素)や principe(原理)の語義に対応する形で、科学、法学、社会学など幅広い分野で用いられる。
英語の element の語源はラテン語の elementum(要素)だが、これはギリシャ語の στοιχεῖον の概念を翻訳借用したものと考えられている。
同じ στοιχεῖον を起源とする στοιχειό(守護霊、精霊) とはアクセントの位置が異なる別の語である。
派生語に στοιχειώδης(初歩的な、基本的な)や στοιχειώνω(幽霊が出る、根付く)がある。
主な意味は「要素」「成分」で、物質や事柄を構成する最小単位を指す。比喩的に、人の性格、情報のデータ、あるいは自分が得意とする分野(本領)を指す際にも使われる。化学では元素(χημικό στοιχείο)、印刷では活字、哲学では四元素というように、幅広い分野でそれぞれ専門的な意味を持つ。文脈に応じて συστατικό(成分)や δεδομένα(データ)とも言い換えられる。
ギリシャ語:γλώσσα
読み方:グロサ・グローサ
ラテン文字:glossa
古代ギリシャ語の γλῶσσα(舌、言語)を継承。μητέρα γλώσσα(母語), νεκρή γλώσσα(死語), ξύλινη γλώσσα(官僚的で空疎な言葉づかい)など、言語にまつわる現代の言い回しはフランス語・英語からの意味借用で入っているものが多い。
派生語に γλωσσικός(言語の), γλωσσολογία(言語学), πολύγλωσσος(多言語の、多言語話者), γλωσσομαθής(外国語に通じた)。関連語に διάλεκτος(方言), ιδίωμα(土地言葉、言い回し)。英語 glossary, glottis, polyglot も同じ古代ギリシャ語から。
ギリシャ語:λόγος
読み方:ロゴス・ローゴス
ラテン文字:logos
λόγος は古代ギリシャ語の λέγω(集める、選ぶ、話す)に由来する名詞。古代から「言葉」「話」「理性」「根拠」「計算」などを広く表し、現代ギリシャ語でもその多義性を引き継いでいる。
英語の logic は、λόγος から派生した古代ギリシャ語 λογική(論理学)を経て伝わった語。-logy も λόγος を含む -λογία に由来し、「〜についての学」「論」をつくる。λόγος は現代ギリシャ語の日常語であると同時に、英語の学術語にも痕跡を残している。
通常の複数は λόγοι だが、具体的な「言葉、発言」を表すときは λόγια がよく使われる。λόγια は古代の λόγιον(託宣、キリストの言葉)に由来する形で、現代ギリシャ語では口語的な「言葉、話」として広く現れる。
ομιλία(演説、スピーチ)は、まとまった話を指しやすい。κουβέντα(日常のおしゃべり、会話)は、よりくだけた会話に寄る。派生語には、ちょっとした言葉を表す λογάκι(ちょっとした言葉)や、短くつまらない演説を皮肉っぽく言う λογύδριο(短くつまらない演説)がある。
主な意味は「言葉」「話」「理性」「理由」。人間の話す能力、具体的な発言、演説、評判、命令や約束、説明責任や理由、理性的な判断、神学上の「ロゴス」、数学的な比率まで、非常に広い範囲をカバーする。
さらに口語では του λόγου (σου/του...) の形で、「あなた様」「彼自身」のように、やや丁寧または親愛をこめて人を指すことがある。こうした言い方は、日常の呼びかけや定型句にも残っている。
ギリシャ語:όρος
読み方:オロス・オーロス
ラテン文字:oros
古代ギリシャ語の ὅρος(境界、限界、定義)と ὄρος(山)に由来。
男性名詞のもとになった ὅρος は、もともと土地の境界を示す標石を指した。そこから論理学の「項」や「定義」の意味が生まれ、さらに「条件」「用語」へと広がった。同じ語源の動詞 ὁρίζω(境界を定める)は、英語 horizon(地平線)の語源でもある。
中性名詞 ὄρος は古代から一貫して「山」を意味する。現代ギリシャ語では文語的・地理学的な語で、日常的には βουνό が使われる。
現代ギリシャ語では気息記号が廃止され、どちらも όρος と書かれるが、文法上の性で区別が残り、男性名詞 ο όρος が条件や用語を、中性名詞 το όρος が山を表す。
ギリシャ語:γράφω
読み方:グラフォ・グラーフォ
ラテン文字:grafo
古代ギリシャ語の γράφω(刻む、引っかいて描く、書く)を継承。石や板に引っかいて字や絵を刻むことが古代の中心の意味で、道具の変化にともなって「書く」が中心になった。現代の「録音する、録画する」の用法は、英語 record、フランス語 enregistrer からの意味借用。
派生語に γραφή(書き込み、書類), γραφείο(事務所), γραφικός(絵画的な)。同じ語根から γραμμή(線), γράμμα(文字), διαγράφω(線を引く、消す), συγγράφω(執筆する)など。英語 graph, graphic や biography, photography, geography のような -graphy の付く語もすべて同じ古代ギリシャ語から。
ギリシャ語:όνομα
読み方:オノマ・オーノマ
ラテン文字:onoma
古代ギリシャ語の ὄνομα(名前)を継承。印欧祖語で「名前」を表す語根に続き、ラテン語 nōmen, サンスクリット語 nā́man, 英語 name, アルメニア語 anun などと同じ語源。語頭の ο- を外した -νομα に、ラテン nōmen, 英語 name に通じる n…m の骨格が見える。
英語の接尾辞 -onym(synonym 同義語, antonym 反意語, homonym 同音異義語, pseudonym 偽名)は ὄνομα から。onomatopoeia(擬声語)も ὄνομα + ποιέω(作る)からなる合成語 ὀνοματοποιία に由来し、「名を作ること」の意。
動詞は ονομάζω(名づける、呼ぶ), μετονομάζω(改名する)。形容詞に ονομαστικός(名の、主格の), ονομαστός(名高い), ανώνυμος(無名の)。合成語に ονοματεπώνυμο(氏名), ονοματοδοσία(命名)。姓を指すのは επώνυμο。
ギリシャ語:χρόνος
読み方:フロノス・フローノス
ラテン文字:chronos
古代ギリシャ語の χρόνος(時間、期間、時代、年)を継承。さらなる起源は確かでなく、古来さまざまな語との結びつけが試みられてきたが定説はない。
派生・複合語に χρονικός(時間の、年代記の)、χρονικό(年代記)、χρονολογία(年代学、年代順)、χρονόμετρο(クロノメーター、ストップウォッチ)、χρονοδιάγραμμα(スケジュール、工程表)、χρονοτριβή(時間の浪費、遅滞)、χρονογράφος(年代記作者、コラムニスト)、σύγχρονος(同時代の、現代の)、συγχρονίζω(同期させる)、διαχρονικός(通時的な、時代を超えた)、αναχρονισμός(時代錯誤)など。関連語に χρονιά(年、一年)、ώρα(時刻、1時間)。
英語 chronology(年代学)、chronological(年代順の)、chronic(慢性の)、chronicle(年代記)、chronometer(クロノメーター)、chronograph(クロノグラフ)、anachronism(時代錯誤)、synchronize / synchronous(同期する、同時の)、diachronic(通時的な)も同じ古代ギリシャ語 χρόνος をもとにした学術語。

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