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ギリシャ語:μία
読み方:ミア・ミーア
ラテン文字:mia
古代ギリシャ語 εἷς(一)の女性形 μία を継承。現代ギリシャ語では、男性形は ένας、中性形は ένα。
もとは「一」を表す数詞だが、中世ギリシャ語の段階で「ある人、誰か」を指す不定用法も加わった。現代ギリシャ語では数詞のほか、不定冠詞や不定代名詞としての役割も担う。
アクセントのない短い形 μια は、通常の不定冠詞・不定代名詞や、μια ... μια ..., μια και, μια που などの固定表現で広く使われる。μία は、数としての「一」や「ただ一つ」をはっきり出すときに現れやすい。
関連語には μονάδα(単位、ユニット)、μοναδικός(唯一の、独特の)、καθένας(各自、誰でも)、κανένας(誰か、誰も〜ない)などがある。
ギリシャ語:μηδέν
読み方:ミデン・ミデーン
ラテン文字:miden
古代ギリシャ語の μηδέν(何もないもの)に由来。μηδέν は μηδείς(誰もない、何もない)の中性形で、さらに μηδέ(そして〜ない)と εἷς(一)に分解できる。
数としての 0、目盛りの基準、評価の最低値などの用法は、フランス語の nul(le) や zéro などからの意味借用で定着した。このフランス語の zéro はイタリア語や中世ラテン語を経て、アラビア語の sifr(空、ゼロ)に遡る。英語の zero や cipher も同じ語源につながる。
派生語には μηδενικός(ゼロの、無の)、μηδενίζω(ゼロにする、無効にする)、μηδενισμός(ニヒリズム、無化)などがある。
ギリシャ語:τέσσερις
読み方:テセリス・テーセリス
ラテン文字:tesseris
古代ギリシャ語の τέσσαρες / τέσσερες(四)を継承。さらに印欧祖語で「四」を表す語根に遡る。
現代ギリシャ語では、τέσσερις が男性・女性、τέσσερα が中性に用いられる。属格は性にかかわらず τεσσάρων。辞書では、現代形 τέσσερις の語尾 -ις は τρεις(三)の形に引かれて整えられたものとされる。
ラテン語 quattuor、フランス語 quatre、英語 four も同じ系統に属する。ギリシャ語の τετρα- は「四」を表す合成要素で、τετράγωνο(正方形)、τετράφυλλος(四つ葉の)などに現れる。
関連語に τέταρτος(第四の、4番目の)、τετράδα(四つ組、4人組)、τετραπλός(四倍の)などがある。
ギリシャ語:πρώτος
読み方:プロトス・プロートス
ラテン文字:protos
古代ギリシャ語の πρῶτος(第一の、最初の)に由来。πρῶτος は古代ギリシャ語 πρό(前に、先に)と同系統の語であり、さらに「前に、先に」を表す印欧祖語の語根に遡る。
ラテン語 primus(第一の)、prior(前の)、フランス語 premier、英語 first, fore, former なども同じ系統に属する。現代の「第一級の、最上位の」という意味の一部は、フランス語 premier からの意味借用によって強まった。
πρώτος は序数詞として「1番目の」を表すほか、時間的に「最初の」、位置や順位で「先頭の」といった意味を持つ。さらに、品質や重要性で「第一級の、主要な」などの意味でも使われる。
名詞的には ο πρώτος / η πρώτη / το πρώτο の形で「第一の人・もの」を指す。副詞としては πρώτα(まず、以前は)、πρώτον(第一に)など。
関連語に δεύτερος(第二の)、τρίτος(第三の)、τελευταίος(最後の)、πρώιμος(早い、早熟の)、πρωί(朝)、πρωτεύουσα(首都)など。
ギリシャ語:φυσικός
読み方:フィシコス・フィシコース
ラテン文字:fysikos
古代ギリシャ語の φυσικός(自然に関する、自然の)に由来。これは φύση(自然、本性)に対応する古代ギリシャ語 φύσις から作られた形容詞で、さらに動詞 φύω(生じる、育つ、生やす)へと遡る。語根は「育つ、生まれる」を表す印欧祖語にまで至る。
現代の「自然の、天然の、自然な」という意味の一部は、フランス語 naturel や英語 natural からの意味借用によって整えられた。「物理の、物理学の」や名詞の「物理学者」の意味は、フランス語 physique, physicien や英語 physics, physicist との対応によって定着したもの。古代には φυσικός φιλόσοφος(自然を探究する哲学者、自然哲学者)という表現も存在した。
英語 physics, physical, physician, physiology なども同じ古代ギリシャ語 φύσις の語族に属する。関連語として φύση(自然、本性)、φυσική(物理学)、φυσικά(自然に、もちろん)、φυσιολογία(生理学)、φυσιολογικός(生理的な、正常な)などがある。
名詞としては、ο φυσικός / η φυσικός が「物理学者、物理教師」を指す。女性にも同じ形 φυσικός を用いる。中性形 το φυσικό は「性質、気質」のほか、印刷・図版などで実物と同じ大きさを指す用法などを持つ。
ギリシャ語:μαζικός
読み方:マジコス・マジコース
ラテン文字:mazikos
μάζα(質量、かたまり、大衆)に、形容詞を作る接尾辞 -ικός が付いた語。フランス語 en masse(大量に、一斉に)に対応する形で定着した。
関連表現に μαζική παραγωγή(大量生産)、μαζικές μετακινήσεις(大規模な移動)、μέσα μαζικής ενημέρωσης(マスメディア)、μαζικά μέσα ενημέρωσης(マスメディア)、μέσα μαζικών μεταφορών(大量輸送機関、公共交通機関)、μαζική κοινωνία(大衆社会)などがある。
物理・化学では μαζικός αριθμός(質量数)のように使われる。
ギリシャ語:μάζα
読み方:マザ・マーザ
ラテン文字:maza
古代ギリシャ語の μᾶζα(大麦の練り粉、麦餅、こねた塊)に由来。
μᾶζα は古代ギリシャ語の動詞 μάσσω(こねる)に関係し、さらに印欧祖語で「こねる、形作る」ことを表す語根に遡る。
物理の「質量」、一般的な「大量、かたまり」、社会的な「大衆」の意味は、フランス語 masse からの意味借用によって定着した。
フランス語 masse はラテン語 massa を経て、古代ギリシャ語 μᾶζα に遡る。そのため、古代ギリシャ語由来の語がラテン語・フランス語を経て近代的な意味を伴って再導入された形になる。
英語 mass、massive、mass media も同じ系統に属する。
派生語には μαζικός(大量の、大衆的な)、μαζικά(一斉に、大量に)、μαζικότητα(大衆性、大規模さ)などがある。
物理学の分野では ατομική μάζα(原子質量)、μοριακή μάζα(分子量)、κέντρο μάζας(質量中心)などの表現で使われる。
人々のまとまりを指すときは、複数形 οι μάζες(大衆、民衆)として現れることが多い。
近い意味を持つ語には πλήθος(群衆、多数)、λαός(民衆、国民)などが挙げられる。
ギリシャ語:μόνος
読み方:モノス・モーノス
ラテン文字:monos
古代ギリシャ語の μόνος(一人の、唯一の)を継承。意味の中核は古代から大きく変わらず、「一人で、ほかに連れがない」「ほかに同類がない、唯一の」を表す。
代名詞的に「一人で、孤独に」(連れがほかにいない状態、家族のない暮らしや寂しさを伴う場面)、「自力で」(他人の助けなしに自分自身で行う)、「自発的に」(他人の強制ではなく自らの意志で)の用法を持つ。形容詞的には「唯一の」(ほかに類がない、たった一つの)を表す。
英語の接頭辞 mono-(モノレール、モノクロなど)はこの μόνος を要素として取り込んだもの。英語の monk も μόνος から派生した古代ギリシャ語の μοναχός(一人で暮らす者、修道士)から、後期ラテン語の monicus(μοναχός の異形 monachus に由来)、原西ゲルマン語の *munik、古英語の munuc を経て入った語。
派生に μοναξιά(孤独、寂しさ), μοναχός(一人で、修道士), μοναδικός(唯一の、独特の), μονάδα(単位、ユニット)。合成語に μονοθεϊσμός(一神教), μοναστήρι(修道院), μονόκερως(一角獣、いっかくじゅう座)。
同じ綴りで強勢位置の異なる μονός [monós](単一の、奇数の)は別の語で、古代 μόνος から απλός(単純な), διπλός(二重の)の語形をモデルに強勢が移って分かれたもの。
ギリシャ語:μονός
読み方:モノス・モノース
ラテン文字:monos
古代ギリシャ語の μόνος(唯一の、一人の)に由来し、もとは最後から2番目の音節にあったアクセントが、απλός(単純な)や διπλός(二重の)のように最後の音節に移って分かれた語。意味の中核は「単一の、ほかと組み合わさず一つだけで成り立つ」で、これが数学的な「奇数の」の意味も担う。
形容詞として「単一の、1つからなる」(διπλός「二重の」, τριπλός「三重の」の対義)、「一人用の、シングル用の」(διπλός「ダブル」の対義)、「奇数の」(άρτιος / ζυγός「偶数の」の対義、περιττός と同義)の3つの意味で使う。中性複数形 τα μονά は名詞的に「奇数」または「奇数番号の車」を指す。
英語の接頭辞 mono-(モノレール、モノクロなど)や英語の monk(修道士)は、いずれも同じ古代 μόνος から派生した語で、μονός とも語源を共有する。
同じ綴りでアクセント位置の異なる μόνος(一人で、唯一の)は、もとの古代 μόνος の形と意味を直接受け継いだ語で、こちらは代名詞的・形容詞的に「一人で、唯一の」を表す。
ギリシャ語:κωδικός
読み方:コディコス・コディコース
ラテン文字:kodikos
名詞 κώδικας(コード、法典、写本)から作られた形容詞・名詞で、フランス語・英語の code をモデルにした形。
κώδικας はヘレニズム期ギリシャ語 κῶδιξ(写本)に由来し、もとはラテン語の codex(板、写本、法典)からの借用。対格 κώδικα が現代の主格形になった。古代の意味は写本(codex)が中心だが、現代の「通信のコード、暗号、法典、規範」などの用法は、フランス語 code からの意味借用で広がった。
英語の code も同じラテン語 codex を語源とする。
ギリシャ語:διπλός
読み方:ディプロス・ディプロース
ラテン文字:diplos
古代ギリシャ語の διπλόος(縮約形 διπλοῦς、折り重なった、二重の)を継承。ヘレニズム期以降、他の形容詞にならって -ός 形に整え直された διπλός が一般的になっている。
δίς(二度)に「〜重、〜倍」を表す接尾辞 -πλος を付けた形容詞。同じ作りに απλός(一重の、単純な)、τριπλός(三重の)、πολλαπλός(多重の)などがある。
印欧祖語で「二度」を表す語根に由来する δίς は、ラテン語 duplex(二重の、英語 double の元)や英語 twin などと同系。
ギリシャ語:μέτρο
読み方:メトゥロ・メートゥロ
ラテン文字:metro
古代ギリシャ語の μέτρον(尺度、はかり方)を継承。印欧祖語で「はかる」を表す語根に由来。
メートル法の長さの単位としての意味は、フランス語の mètre を借用することで近代に定着した。
英語の meter、metric、音楽用語の metronome(メトロノーム)なども、ラテン語の metrum を経て同じ μέτρον から派生した語。
ギリシャ語:μισό
読み方:ミソ・ミソー
ラテン文字:miso
古代ギリシャ語の ἥμισυς(半分)から。
ビザンチン期に ἥμισος という形になり、語頭の ἡ- が脱落して μισός となった。
見出しの μισό は形容詞 μισός(半分の)の中性形。中性名詞のように、量や距離、時間などの「半分」を表す際に用いられる。
英語 hemisphere(半球)などの接頭辞 hemi- はギリシャ語の ἡμι- から、ラテン語の semi-(半〜)も印欧祖語で「半分」を表す同じ語根から。ギリシャ語では語頭の s が母音の前で気息の h(ἡ-)になり、ラテン語では s が保たれた。
ギリシャ語:πολλά
読み方:ポラ・ポラー
ラテン文字:polla
古代ギリシャ語の形容詞 πολύς(多い、多くの)の中性複数形 πολλά を継承。
πολύς は印欧祖語の「満ちる、多い」を表す語根に由来し、英語の接頭辞 poly-(多くの)などもこの語根から派生している。
ギリシャ語:ποσοστό
読み方:ポソスト・ポソストー
ラテン文字:pososto
古代ギリシャ語の ποσόν(どれだけ、量)と序数接尾辞 -οστός(〜番目、〜分の一)から作られた語。
フランス語の tantième(quantième との対応から作られた「〜分の一」を表す語)を翻訳借用した語。
ギリシャ語:αριθμός
読み方:アリスモス・アリスモース・アリトゥモス・アリトゥモース
ラテン文字:arithmos
印欧祖語で「数える、並べる」を表す語根に起源を持ち、古代ギリシャ語の ἀριθμός(数、番号)を継承。
現代の電話番号、登録番号、車両ナンバーなどの「番号」の用法は、英語 number、フランス語 nombre、chiffre、numéro などからの意味借用で近代以降に広がった。
また、数量や統計指標としての用法も同様の経緯を持つ。αριθμός κυκλοφορίας(車両ナンバー、英語 vehicle registration number から)、αριθμός των χρωμοσωμάτων(染色体数、英語 chromosome number から)、ο νόμος των μεγάλων αριθμών(大数の法則、英語 law of large numbers から)など、複合表現にも翻訳借用が多く含まれる。
文法用語の「数(単数・複数)」を表す用法は、ヘレニズム期以降のギリシャ語からの継承。
英語の arithmetic(算術)は、ギリシャ語の ἀριθμητικός(計算の)をもとにした語。
ギリシャ語:τόνος
読み方:トノス・トーノス
ラテン文字:tonos
古代ギリシャ語の τόνος(張り, 音の高さ, アクセント)を継承。動詞 τείνω(張る, 伸ばす)から作られた名詞で, 印欧祖語で「張る」を表す語根に続く。ラテン語 tonus, 英語 tone も同じ語源。
音楽の音程, 声の調子, 文体や色のトーン, 機器の通知音といった現代の用法は, フランス語 ton と英語 tone からの意味借用で整った。
同じ綴りの τόνος には別の語源の語が重なる。重量単位の「トン」はフランス語 tonne からの借用。魚のマグロを指す τόνος(別綴り τόννος)はイタリア語 tonno からの借用で, その先はラテン語 thynnus, 古代ギリシャ語 θύννος(マグロ)に戻る。
派生に τονίζω(強調する, アクセントを置く), τονικός(トニックの)。合成語に ημιτόνιο(半音)。
ギリシャ語:διαφορά
読み方:ディアフォラ・ディアフォラー
ラテン文字:diafora
古代ギリシャ語の διαφορά(違い、隔たり)を継承。διά-(分けて、離れて)と φέρω(運ぶ、もたらす)からなる動詞 διαφέρω(異なる、隔たる)から。
引き算の「差」や価格の「差額」といった用法には、フランス語 différence からの意味借用なども重なる。
近い語に ομοιότητα(類似、共通性)、ισότητα(等しさ、平等)など。対義語には συμφωνία(一致、合意)が挙げられる。より抽象的には ταυτότητα(同一性、アイデンティティ)と対になることも多い。
με τη διαφορά ότι は「ただし〜という条件で」、κάνει διαφορά は「差が出る、違いを生む」といった意味。専門語では ειδοποιός διαφορά(種差、特質的差異)や διαφορά δυναμικού(電位差)などの表現にも使われる。
ギリシャ語:δείκτης
読み方:ディクティス・ディークティス
ラテン文字:deiktis
文語的には、ヘレニズム期の δείκτης(示すもの、明らかにするもの)を土台にした語。のちにフランス語の indice・indicateur やドイツ語の Anzeiger・Anzeige になぞらえる形で意味が広がり、現代ギリシャ語では「針」「指数」「添字」「指示薬」のように、何かを示したり表したりするもの全般を表すようになった。
「人差し指」の意味は、ヘレニズム期の δεικτικός δάκτυλος(指し示す指)に沿う用法で、フランス語の index に対応する。χέρι(手、腕)の親指の隣にある指を指す。
口語寄りの綴りに δείχτης(「指針」「人差し指」で使われる別綴り)もあり、とくに具体物としての「指針」「人差し指」の意味で使われる。これは語中の /kt/ が /xt/ に寄った形。
主な核にあるのは「何かを指し示すもの」という感覚で、計器の針や指示棒のような具体物から、統計や経済の指数、数学や化学で使う添字・指示薬まで広く表す。固定した言い方では οικονομικός δείκτης(経済指標)や δείκτης νοημοσύνης(知能指数、IQ)がよく使われる。
ギリシャ語:μεγάλος
読み方:メガロス・メガーロス
ラテン文字:megalos
中世ギリシャ語 μεγάλος(大きい)が現代まで受け継がれた継承語(κληρονομιά)。古代ギリシャ語 μέγας(大きい、偉大な、← 単数主格男性形)が、中世期に複数形 μεγάλοι, 女性 μεγάλη, 連結前要素 μεγαλο- に共通する語幹 μεγαλ- を土台にして単数主格を再形成(μετάπλαση)し、語尾 -ος を取って μεγάλος の形に揃えた、活用パラダイム再編の典型例。古代の μέγας は屈折が不規則で、μέγας / μεγάλη / μέγα という三形を持っていたが、現代では男性も μεγάλος / μεγάλη / μεγάλο と規則化されている。
源にある古代の μέγας(大きい)は印欧祖語の「大きい、偉大な」を表す語根に由来し、サンスクリット mahā-(大きい), ラテン語 magnus(大きい), ゴート語 mikils(大きい、← 英 much の語源)と同族。地中海・印欧語の「大きい」語彙の中核を成す古い系譜の語で、ヨーロッパ各語の magnitude, magnify, mega-, macro- 等の語源にもなる。
学術造語の連結要素 μεγα- / μεγαλο- は、近代ヨーロッパ語に再輸出されてフランス語・英語の méga- / mega-(メガ、百万倍を表す国際単位接頭辞), megalopolis(巨大都市), megalomania(誇大妄想), megaphone(拡声器)の語源になった、ギリシャ語起源の生産的な国際語要素。これらは近代以降にギリシャ語に逆輸入される形で μεγαλομανία(誇大妄想), μεγαλούπολη(巨大都市)として再導入されている。
派生・関連語族として μεγαλείο(偉大さ、栄華、書きことば), μεγαλειότητα(陛下、敬称), μεγαλόπρεπος(壮麗な、書きことば), μεγαλόψυχος(寛大な、← μεγάλο + ψυχή「魂」), μεγαλώνω(大きくなる、育つ、動詞), μέγεθος(大きさ、サイズ、書きことば), μεγαλούτσικος(やや大きい、けっこう大きい、口語の指小形容詞), οι μεγάλοι(大人たち、複数形が名詞化)。比較級は μεγαλύτερος(より大きい), 最上級は μεγαλύτερος(最も大きい、文脈で)または ο πιο μεγάλος(最も大きい、口語)。
対義語は μικρός(小さい、← 古代 μικρός)。連結前要素 μεγαλο- は生産的で、Μεγάλη Βρετανία(グレートブリテン), Μεγάλη Εβδομάδα(聖週間), Μέγας Αλέξανδρος(アレクサンドロス大王)のような固有名や定型名を作る役割と、μεγαλόκαρδος(寛大な), μεγαλομάτης(目の大きい), μεγαλόπνοος(雄大な)のような形容詞合成を生む役割の両方を担う。比喩用法では καρδιά(心)と結びついて「寛大な心」, κεφάλι(頭)と結びついて「頭がよく回る人」を表す慣用句が頻出する。
ギリシャ語:τετράγωνο
読み方:テトゥラゴノ・テトゥラーゴノ
ラテン文字:tetragono
古代ギリシャ語の τετράγωνον(正方形、四角いもの)から。τετρα-(四)と γωνία(角)からなる形容詞 τετράγωνος(四つの角をもつ)の中性形が名詞化したもの。
図形としての正方形を指すほか、数学では「二乗」の意味でも用いられる。フランス語の carré が四角形と二乗の両方を表すのと同様、近代的な概念を反映した意味借用といえる。
οικοδομικό τετράγωνο は、道路で囲まれた街の一区画(ブロック)を指す表現。日常会話では οικοδομικό を省略し、単に τετράγωνο と呼ぶことも多い。
関連語には γωνία(角、角度)や τρίγωνο(三角形)、小さな四角やマス目を意味する τετραγωνάκι など。動詞の τετραγωνίζω は、幾何学で「等面積の正方形を作る」ことや、数学で「二乗する」ことを表す。
ギリシャ語:πόντος
読み方:ポドゥトス・ポードゥトス・ポンドゥトス・ポーンドゥトス
ラテン文字:pontos
現代ギリシャ語の πόντος には二つの起源がある。日常で使う「センチメートル, 得点, 編み目」の πόντος はヴェネツィア語 ponto(点)からの借用で, 元はラテン語 punctum(刺された点)。文学的な「大海, 外海」を指す πόντος は古代ギリシャ語の πόντος(海上の通路, 大海)を継承したもの。
ヴェネツィア語経由の πόντος の語族は英語側に多い。point(点, 得点), punctuation(句読点), puncture(穴, 穿孔), appointment(約束)もラテン語 punctum の子孫。「センチメートル」の正式な語は εκατοστό だが, 日常では πόντος が使われることが多い。
古代ギリシャ語の πόντος はもと「渡る通路」の意味で, 同じ語源からラテン語 pons(橋), 英語 pontoon(浮き橋), pontiff(教皇, もとは「橋を架ける者」)が出ている。海の意味では θάλασσα(海全般), πέλαγος(外海, 沖合)が日常を担い, πόντος は文学や古風な表現に残る。
ギリシャ語:παλάμη
読み方:パラミ・パラーミ
ラテン文字:palami
古代ギリシャ語の παλάμη(手のひら)を継承。ホメロスにすでに現れ、印欧祖語で「平たい、広い」を表す語根に続く。ラテン語 palma(手のひら、棕櫚)と語源を共有し、英語 palm, フランス語 paume はラテン語を経由して同じ語根に連なる。
同じ語根からギリシャ語内に πλατύς(広い), πλάγιος(斜めの), πλάξ(平板), πέλαγος(広い海原、外海)が派生。古英語 folm(手), 古アイルランド語 lám(手)も同じ語根に続く。
別形に απαλάμη(手のひら)。派生に παλαμάκια(拍手), παλαμίζω(手で触る、撫でる), παλαμοειδής(掌状の)。手全体は χέρι で、παλάμη は手首から指の付け根までの内側にかぎって使う。

形容詞
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