ギリシャ語:τετράφυλλο
読み方:テトラフィロ・テトラフィーロ
ラテン文字:tetrafyllo
τετράφυλλος(四つ葉の、四枚の葉を持つ)の中性形。形容詞としては四枚の葉や板状の部分を持つものを表し、中性名詞 το τετράφυλλο は四つ葉や四葉形を指す。
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ギリシャ語:τετράφυλλο
読み方:テトラフィロ・テトラフィーロ
ラテン文字:tetrafyllo
τετράφυλλος(四つ葉の、四枚の葉を持つ)の中性形。形容詞としては四枚の葉や板状の部分を持つものを表し、中性名詞 το τετράφυλλο は四つ葉や四葉形を指す。
ギリシャ語:τετράφυλλος
読み方:テトラフィロス・テトラフィーロス
ラテン文字:tetrafyllos
ヘレニズム期ギリシャ語の τετράφυλλος(四つ葉の)に由来。
τέσσερις(4、四)を語根とする連結形の τετρα- と、φύλλο(葉)から構成される。
形容詞としては、四枚の葉や板状の部分を持つものを指す。植物では τετράφυλλο τριφύλλι(四つ葉のクローバー)、建具では τετράφυλλη πόρτα(四枚戸)や τετράφυλλο παράθυρο(四枚の窓)などのように使われる。
中性形の τετράφυλλο は、植物学や幾何学では名詞としても使われる。
関連語には τετράφυλλο τριφύλλι(四つ葉のクローバー)、τυχερό τριφύλλι(幸運のクローバー)、γούρι(縁起物、幸運のお守り)などがある。
ギリシャ語:χρυσή τομή
読み方:フリシ トミ・フリシー トミー
ラテン文字:chrysi tomi
χρυσός(金、金の)の女性形 χρυσή と τομή(切断、分割、交点)からなる連語。
数学では、ある線分を二つに分けたとき、全体と大きい部分の比が、大きい部分と小さい部分の比に等しくなる分割やその比を指す。記号 φ で表され、値はおよそ 1.618。
別名には χρυσός λόγος(黄金比)や χρυσός κανόνας(黄金律、黄金比の別称)などがある。他にも χρυσή μετριότητα(黄金の中庸)、Θεϊκή αναλογία(神聖比)などの呼び名が存在する。エウクレイデスは άκρος και μέσος λόγος(外中比)という表現を用いた。
比喩的には、対立する意見や利害のあいだで見つける「ちょうどよい落としどころ、妥協点」を指す。
ギリシャ語:τομή
読み方:トミ・トミー
ラテン文字:tomi
古代ギリシャ語の τομή(切ること、切断、切れ目)に由来。τομή は動詞 τέμνω(切る、切り分ける)から作られた名詞。τέμνω はさらに印欧祖語で切ることを表す語根に遡る。
幾何や図面の「交わり、断面」の意味は、フランス語 coupe や section からの意味借用で定着した。
韻律で詩行の途中に置かれる切れ目を指す用法はヘレニズム期ギリシャ語にも見られる。
比喩的な「根本的な革新、転換」は、ドイツ語 Einschnitt からの意味借用。
関連語に τέμνω(切る)、τμήμα(部分、区分)、τομέας(部門、分野)、ανατομία(解剖学)、καισαρική τομή(帝王切開)など。
幾何では σημείο τομής(交点)、χρυσή τομή(黄金比、妥協点)という連語でも使う。
ギリシャ語:τόξο
読み方:トクソ・トークソ
ラテン文字:toxo
古代ギリシャ語の τόξον(弓、弧)を継承。中世以降に末尾の -ν が落ちて今の形になった。
電弧(ηλεκτρικό τόξο)、地質学・地政学の「弧」、弦楽器の弓といった近現代の用法は、フランス語 arc やイタリア語 arco からの意味借用で定着した。
連語に ουράνιο τόξο(虹)、ηλεκτρικό τόξο(電弧)、αορτικό τόξο(大動脈弓)、νησιωτικό τόξο(島弧)、ελληνικό τόξο(ヘレニック弧、地質)など。派生に τοξότης(射手、射手座)。
ギリシャ語:επιφάνεια
読み方:エピファニア・エピファーニア
ラテン文字:epifaneia
古代ギリシャ語の ἐπιφάνεια(現れ、出現、姿)を継承。
形容詞 ἐπιφανής(はっきり見える、名高い)に性質を表す接尾辞 -ια を付けた名詞で、もとの動詞は ἐπιφαίνω(現れる、姿を見せる)。ἐπί-(〜の上に、前に)と φαίνω(光る、姿を現す)を合わせた語。
「物理的な表面、面」の意味は古代ギリシャ語の段階ですでにあった。比喩的な「外面、表面性」の意味はフランス語 superficie からの意味借用で広がった。
φαίνω は印欧祖語で「光る、現れる」を表す語根に由来する語。ギリシャ語の φως(光)、φαντασία(空想、想像)、φαινόμενο(現象)なども同じ語族に属する。英語の phenomenon、phase、phantom、fantasy、emphasis、epiphany(キリスト教の公現祭)なども仲間。
派生語に επιφανειακός(表面の、表面的な)など。関連語に εμφάνιση(現れ、外見)などがある。
ギリシャ語:κορυφή
読み方:コリフィ・コリフィー
ラテン文字:koryfi
ギリシャ語:ρίζα
読み方:リザ・リーザ
ラテン文字:riza
古代ギリシャ語の ῥίζα(根)を継承。印欧祖語で「根」を表す語根に続く語で, 植物の地中部分を指すところから, 土台や出どころを指す比喩にも使う。語学の「語根」, 数学の「根」, 化学の「基」という専門用法は, フランス語 racine とドイツ語 Wurzel からの意味借用で加わった。
英語 root(古ノルド語 rót 経由), ラテン語 radix(→ radical, radish), ドイツ語 Wurzel は同じ印欧祖語の語族の仲間。英語の接頭辞 rhizo-(根の〜, rhizome 根茎, rhizosphere 根圏)はこの語からラテン語経由で英語に入った。派生に ριζικός(根源的な, 徹底的な), ριζώνω(根を張る), ξεριζώνω(根こそぎにする)。
χορτάρι(草)や κλήμα(ブドウの木)の地下部分を指す具体的な用法のほかに, 人の出自や文化のルーツなど, 目に見えない土台も指すことが多い。
ギリシャ語:δευτερόλεπτο
読み方:デフテロレプト・デフテローレプト
ラテン文字:defterolepto
ヘレニズム期のギリシャ語 δευτερόλεπτον(属格 δευτερολέπτου、第二の細分、← δεύτερος「第二の」+ λεπτόν「細かく分けたもの」)を、近代以降に書き言葉から再導入した学術借用(λόγιο διαχρονικό δάνειο)。「時間の単位としての秒」の用法は、フランス語 seconde(第二の、秒)からの意味借用(σημασιολογικό δάνειο)として加わった層。
源にあるヘレニズム期の δευτερόλεπτον は、古代・中世の天文学で「角度の一分(μοίρα 60 分の 1)をさらに 60 等分した単位」、つまり現代の角秒(arcsecond, 1/3600 度)を指す術語だった。古代の δεύτερος(第二の)と λεπτόν(小さく細かいもの、細部)の合成で、文字どおり「第二の細分」を意味し、「分(πρῶτον λεπτόν, 第一の細分)をさらに分けたもの」のニュアンス。
古典ラテン語の翻訳借用として中世ラテン語 secunda minuta(第二の細分)が成立し、これが省略されて secunda となり、フランス語 seconde, 英語 second, ドイツ語 Sekunde など、ヨーロッパ各語の「秒」を意味する語の源となった。近代では時間単位の「秒」の意味がフランス語経由で再びギリシャ語に返り、δευτερόλεπτο が時間の中心語として定着した。
派生・関連語族として μικροδευτερόλεπτο(マイクロ秒), νανοδευτερόλεπτο(ナノ秒), χιλιοστό του δευτερολέπτου(ミリ秒)。同じく時間単位の語族として ώρα(時間、時刻), λεπτό(分、← もとは「細かい」), χρόνος(時、時間、年)と並ぶ。比喩用法 σε κλάσμα δευτερολέπτου(一秒の断片で、一瞬で), υπόθεση δευτερολέπτων(数秒の問題)が日常で広く使われる。
数学・幾何では今でも角度の細かな単位「角秒」を指し、角度を 度(°)→ 分(′)→ 秒(″) と細分化する慣行は、古代ヘレニズム期の δευτερόλεπτον の用法を直接受け継いでいる。同じく γωνία(角、隅、アングル材)や弧を測る細かな単位として現役で使われる。
ギリシャ語:λεπτό
読み方:レプト・レプトー
ラテン文字:lepto
ヘレニズム期ギリシャ語 λεπτόν(小さな貨幣、度の60分の1、← 古代 λεπτός「薄い、細かい、小さい」の中性形 λεπτόν が名詞化)を、近代以降に書きことばから再導入した学術借用(λόγιο διαχρονικό δάνειο)。意味ごとに少しずつ別の経路で取り込まれており、「貨幣」「角度の分」「時間の分」がそれぞれ古代以来の用法を学術的に再導入する形でまとめられている。口語形 λεφτό は、子音連続 [pt > ft] の同化変化(ανομοίωση τρόπου άρθρωσης)を経た、継承の流れに乗った形。
源にある古代の λεπτός(薄い、細かい、小さい、繊細な、← 動詞 λέπω「皮をむく、剥ぐ」の派生)は印欧祖語の「皮を剥ぐ、薄く剥がす」を表す語根に由来し、英語 leper(ハンセン病患者、もとは「皮膚が剥がれる」の意), leprosy も同じ系譜を共有する。古代ギリシャ語の λεπτόν は、新約聖書のマルコ伝 12:42「ἔβαλεν λεπτὰ δύο([寡婦が]レプタを二枚入れた)」で知られる小さな銅貨「レプタ」の名前にもなり、「ごく小さなもの」の代名詞として広まった。
派生・関連語族として λεπτό-(細かい、繊細な、を表す連結形)が生産的で、λεπτοδείκτης(分針、← 独 Minutenzeiger の翻訳借用), λεπτοδουλειά(細工仕事、繊細な手仕事), λεπτοκαμωμένος(華奢な体つきの), λεπτό-δερμος(皮膚が薄い、敏感な), λεπτο-φωνία(か細い声), λεπτοκαρυά(ヘーゼルナッツの木、← λεπτό + καρυά、口語形 λεφτοκαρυά), λεπτόκαρυον / λεφτόκαρο(ヘーゼルナッツ)が出ている。19 世紀以降の科学用語ではフランス語 lept(o)- 連結要素として再輸出され、leptophonie, leptosome のような用法でヨーロッパ語に広まった、ギリシャ語起源の国際造語要素。
意味の領域では、時間単位として ώρα(時間、時刻、ώρα を 60 で割った単位が λεπτό)と組み、角度単位として μοίρα(度、μοίρα を 60 で割った単位が λεπτό)と組み、貨幣として ευρώ(ユーロ、ευρώ の 100 分の 1 が λεπτό)と組む、三層の用法が並走する。指小形 λεπτάκι(ちょっと、ちょっとの間), λεπτούλι(ほんの少しの間)は時間用法から派生した親しみのある形で、Μισό λεπτάκι!(ちょっと待って!)のように日常会話で頻出する。
ギリシャ語:έλλειψη
読み方:エルリプシ・エールリプシ
ラテン文字:elleipsi
古代ギリシャ語の ἔλλειψις(不足、欠け)から。ἐν-(中に)+ λείπω(残す、欠ける)からなる語で、λείπω は英語 leave と同じ語根から。
英語 ellipse(楕円)、ellipsis(省略)はこの ἔλλειψις から。幾何の意味は古代の数学者アポロニオスが円錐曲線の一つに名づけたもので、文体論の意味も古代の修辞学用語に由来する。
派生語に ελλειπτικός(楕円の、省略の、不完全な)、ελλιπής(不十分な、欠けた)など。関連語に έκλειψη(食、消失、同じ λείπω から)、ανυπαρξία(不在)、ένδεια(欠乏、窮乏)、έλλειμμα(赤字、不足分)など。
ギリシャ語:στρογγυλός
読み方:ストゥロンイロ・ストゥロンイロー・ストゥロンギロ・ストゥロンギロー
ラテン文字:stroggylos
中世ギリシャ語 στρογγυλός(丸い)が現代まで受け継がれた継承語(κληρονομιά)。中世形は、古代ギリシャ語 στρογγύλος(丸い、円形の)のアクセント位置を語末(λήγουσα)に移した活用パラダイム再編(μετακίνηση τόνου)の結果で、ομαλός(平らな), μακρουλός(細長い)といった他の語末アクセント形容詞の類推が働いた。書きことばの古典形 στρογγύλος はアクセント位置(前々から数えて)が中世形と異なり、解剖学の専門用語などで並走する。
源にある古代の στρογγύλος(丸い、球形の、円い)は、語源が確実ではなく、印欧祖語の「強い、固い」を表す語根(→ 英 strong)と関連する説や、地中海の前ギリシャ語基層に属する語とする説が論じられる。古代ギリシャ語の文献では、ホメロス以来の身体描写・船の形状・天体(地球の球形)など、多様な「丸さ」を表すのに使われた。
派生・関連語族として στρογγυλούτσικος(ほぼ丸い、丸っこい、口語の指小形容詞), στρογγυλάδα(丸さ、口語), στρογγυλάδι(丸い形のもの、口語), στρογγύλεμα(丸めること、書きことば), στρογγυλεύω(丸める、概数で言う、動詞), στρογγυλοποιώ(丸める、書きことば), στρογγυλά(丸く、副詞形), στρογγυλόμακρος(細長い、楕円形の), στρογγυλό πρόσωπο(丸顔), στρογγυλό τραπέζι(家具としての丸テーブル)。解剖学・医学の文脈では、書きことば形 στρογγύλος で Στρογγύλος μυς(円筋), στρογγύλος σύνδεσμος(円索)として並走する。
同じ「形・図形」の領域には、上位語の σχήμα(形、図形), 円の κύκλος(円、輪、サイクル), 球の σφαίρα(球、球体), 楕円の οβάλ(楕円、← 仏 ovale), 学術形の έλλειψη(楕円、書きことば、← 古代 ἔλλειψις), 卵形の ωοειδής(卵形の、書きことば)が並ぶ。στρογγυλός は「円や輪のように丸い」性質を表す日常形容詞として、平面的な丸さにも立体的な丸さにも使える基本語として機能する。
比喩用法は活発で、味わいがまろやかな(στρογγυλή γεύση、ワインの味、なめらかで角のない), 言い方が婉曲な(στρογγυλά λόγια、丸めた言葉、文脈により角の取れた言い回しまたは曖昧な物言い), 数字を概数で丸めた(στρογγυλός αριθμός、きりのいい数字)の意味展開を持つ。料理・精肉では中性形 το στρογγυλό(丸いもの)が牛・子牛のもも肉の特定部位を指す業界用語として使われる。慣用句では στρογγυλή τράπεζα(円卓会議、対等の立場での討論会)が頻出し、アーサー王の「円卓の騎士」の伝承から派生した政治・学術の対等性を象徴する慣用表現の中核。家具としての「丸テーブル」は中性形の στρογγυλό τραπέζι を使う。
ギリシャ語:ευθεία
読み方:エフシア・エフシーア・エフティア・エフティーア
ラテン文字:eftheia
古代ギリシャ語の εὐθεῖα(直線, まっすぐなもの)を継承。形容詞 εὐθύς(まっすぐな, 直接の)の女性形から名詞化した語で, 「まっすぐな線」がもとの意味。印欧祖語で「向きをまっすぐに定める」を表す語根に続く。
同じ εὐθύς の語族に現代の ευθύς(まっすぐな, 直接の), κατευθείαν(まっすぐに, 直接に), ευθύτητα(正直さ), 合成語 ευθύγραμμος(直線の), διεύθυνση(方向、住所)。
γραμμή(線)が曲線や折れ線を含む線一般を指すのに対し, ευθεία は曲がらないまっすぐな線に限って使う。対になる語は καμπύλη(曲線)で, 形容詞 καμπύλος(曲がった, 湾曲した)と名詞 καμπύλωση(湾曲, 屈曲)も同じ語族。
ギリシャ語:τετράγωνο
読み方:テトゥラゴノ・テトゥラーゴノ
ラテン文字:tetragono
古代ギリシャ語の τετράγωνον(正方形、四角いもの)から。τετρα-(四)と γωνία(角)からなる形容詞 τετράγωνος(四つの角をもつ)の中性形が名詞化したもの。
図形としての正方形を指すほか、数学では「二乗」の意味でも用いられる。フランス語の carré が四角形と二乗の両方を表すのと同様、近代的な概念を反映した意味借用といえる。
οικοδομικό τετράγωνο は、道路で囲まれた街の一区画(ブロック)を指す表現。日常会話では οικοδομικό を省略し、単に τετράγωνο と呼ぶことも多い。
関連語には γωνία(角、角度)や τρίγωνο(三角形)、小さな四角やマス目を意味する τετραγωνάκι など。動詞の τετραγωνίζω は、幾何学で「等面積の正方形を作る」ことや、数学で「二乗する」ことを表す。
ギリシャ語:τρίγωνο
読み方:トゥリゴノ・トゥリーゴノ
ラテン文字:trigono
古代ギリシャ語の τρίγωνον(三角形)から。これは τρι-(三)と γωνία(角、角度)からなる形容詞 τρίγωνος(三つの角を持つ)の中性形が名詞化したもの。
英語 trigonometry(三角法)の trigon- も同じ τρίγωνον に由来。一方、英語 triangle はラテン語 triangulum に由来する語であり、ギリシャ語 τρίγωνον を直接借りたわけではない。ただし、どちらも「三つの角」という構成は共通する。
幾何学では三角形を指すが、三角形をした菓子、楽器のトライアングル、三角定規や角度測定具などにも使われる。星座名では Βόρειο Τρίγωνο(さんかく座)や Νότιο Τρίγωνο(みなみさんかく座)などの形で現れる。
関連語に γωνία(角、角度)、τετράγωνο(正方形、四角いもの)、τριγωνάκι(小さな三角形)などがある。成句では ερωτικό τρίγωνο(三角関係)、προειδοποιητικό τρίγωνο(停止表示板)などの表現を作る。
ギリシャ語:σχήμα
読み方:スヒマ・スヒーマ
ラテン文字:schima
古代ギリシャ語の σχῆμα(形, 姿, ふるまい)に由来。ἔχω(持つ)のアオリスト語幹 σχ- に結果を表す -μα を付けて作られた語で, 持ち方・構えから形や姿へと意味が定まった。印刷の版型や書式を指す用法は, ドイツ語 Format の意味配置と重なって整った。図案や編成を指す用法は, フランス語 forme からの意味借用で加わった。インターネットの URL スキームやデータベースのスキーマは, 英語 scheme, schema を経由した専門用法。
英語 scheme, schema, フランス語 schéma, ドイツ語 Schema はラテン語 schēma を経て同じ語源。派生に σχηματίζω(形作る), σχηματισμός(形成, 編成), σχηματικός(概略の), μετασχηματίζω(変形する), μετασχηματιστής(変圧器)。
修道者の僧衣や位階を指す用法は, 中世ギリシャ語の σχῆμα を経て続いてきた宗教の語。古代の「姿, 身なり」から, 宗教生活における定まった身なりへと特殊化した。
ギリシャ語:κύκλος
読み方:キクロス・キークロス
ラテン文字:kyklos
古代ギリシャ語の κύκλος(円、輪、車輪)を継承。周期、シリーズ、人の輪、範囲、循環といった現代の抽象的・専門的な用法の多くはフランス語 cycle, cercle、英語 cycle からの意味借用で広がった。
修辞学には、一文の冒頭と末尾に同じ語を置いて円を描くように閉じる技法があり、これを κύκλος と呼ぶ。たとえば新約聖書『ピリピ人への手紙』4章4節の Χαίρετε ἐν Κυρίῳ πάντοτε· πάλιν ἐρῶ, χαίρετε(常に主にあって喜べ。もう一度言う、喜べ)は、冒頭と末尾が χαίρετε(喜べ)で閉じられている。
英語 cycle もラテン語 cyclus を経て同じ語源。印欧祖語の「回る」を表す語根から来た語で、英語 wheel も同じ語根を共有する。
ギリシャ語:μοίρα
読み方:ミラ・ミーラ
ラテン文字:moira
古代ギリシャ語の μοῖρα(分前、運命)を継承。動詞 μείρομαι(分配を受ける)から作られた語で、「割り当てられたもの」がもとの意味。印欧祖語で分配・割り当てを表す語根から続き、英語 merit(功績)もラテン語 mereō(値する)を経て同じ語源。
ギリシャ神話では Μοίρες(運命の三女神)が人の生死や境遇を定める存在として語られる。
軍の部隊名(大隊、飛行隊)と角度の「度」には、それぞれフランス語 escadron と degré からの意味借用が入って定着した。
派生語に μοιράζω(分ける、配る), μοιραίος(運命的な、致命的な), μοιρασιά(分け前、取り分)。合成語に κακόμοιρος(不幸な、かわいそうな), μεμψίμοιρος(文句の多い、不平を言う)。
類義語に τύχη(運命、幸運)。τύχη は偶然や巡り合わせを指し、μοίρα はあらかじめ定められた運命を指す。
ギリシャ語:έδρα
読み方:エドゥラ・エードゥラ
ラテン文字:edra
古代ギリシャ語の ἕδρα(座席、座る場所)からの学術借用。印欧祖語で「座る」を表す根に由来し、ἕζομαι(座る)と同根。ラテン語 sedēre(座る)、サンスクリット sad-(座る)、英語 sit / seat も同じ根から来た語。
古代ギリシャ語から続く合成語が多く、現代語でもそのまま使う:καθέδρα(椅子、教授職。κατά- + ἕδρα)、εξέδρα(演壇、桟敷。ἐξ- + ἕδρα)、ενέδρα(待ち伏せ。ἐν- + ἕδρα)、συνέδριο(会議。σύν- + ἕδρα)、πρόεδρος(議長、大統領。πρό- + ἕδρα)、πάρεδρος(陪席、助手。παρά- + ἕδρα)、πολύεδρο(多面体)、τετράεδρο(四面体)など。動詞形 εδρεύω は「本部を置く」。
英語 cathedral(大聖堂)、chair(椅子)は καθέδρα がラテン語 cathedra を経て入った語で、「司教座・教師が座る椅子」のイメージから分かれた。幾何学の polyhedron(多面体)、tetrahedron(四面体)、dihedral(二面の)、建築の exedra(壁龕、半円形のベンチ)、薬用植物 ephedra(マオウ)/ephedrine(エフェドリン)は ἕδρα の合成語から取った学術語。「座る」の根からは、ラテン語を経て英語 sedentary(座りがちの)、session(会期)も生まれている。
ギリシャ語:πλευρά
読み方:プレヴラ・プレヴラー
ラテン文字:plevra
古代ギリシャ語の πλευρά(脇, 脇腹, 肋骨)に由来。形も意味も古代からほとんど変わらないが, 現代の「側面」「陣営」「観点」などの比喩的な用法はフランス語 côté, 英語 side からの意味借用で輪郭が整った。英語 pleura(胸膜)もラテン語経由でこの語から入った医学用語。
派生に πλευρικός(側の, 肋骨の), πλευρίτιδα(胸膜炎), πλευρίτσα, πλευρούλα(指小形)。合成語に δίπλευρος(二辺の), ισόπλευρος(等辺の), τρίπλευρος(三辺の), πολύπλευρος(多面的な), αμφίπλευρος(両面の)。中性並行形 πλευρό も同じ語族で, 肋骨を言うときによく使う。
話し言葉で「側, 面」と言うときは μεριά もよく使う。πλευρά は幾何学や形式的な場面, 身体の部位(肋骨), 抽象的な「側面」や議論の「陣営」で選ばれる。立方体のような立体の面を πλευρές と呼ぶこともあるが, 幾何学の厳密な用語では面は έδρα にあたる。
ギリシャ語:γραμμή
読み方:グラミ・グラミー
ラテン文字:grammi