#🐟 魚
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ギリシャ語:ιχθύς
読み方:イフシス・イフシース・イフティス・イフティース
ラテン文字:ichthys
古代ギリシャ語の ἰχθύς(魚)に由来。中世以降、魚を表す一般的な単語として使われるようになったのは ψάρι(ὀψάριον から)で、ιχθύς は書き言葉や学術的な文脈、οστεϊχθύες(硬骨魚類)、χονδριχθύες(軟骨魚類)のような分類名で残っている。英語 ichthyology(魚類学)、ichthyosaur(魚竜)の ichthyo- も同じ起源。先頭大文字の Ιχθύς は星座名、全大文字の ΙΧΘΥΣ はキリスト教で Ιησούς Χριστός Θεού Υιός Σωτήρ(イエス・キリスト、神の子、救世主)の頭字語として用いられる。
ギリシャ語:σκορπιός
読み方:スコルピオス・スコルピオース
ラテン文字:skorpios
古代ギリシャ語の σκορπίος(サソリ)を継承。母音の衝突を避ける音節の合体(シニゼーシス)で現代の σκορπιός の発音と形になった。先頭大文字の Σκορπιός は星座と占星術でさそり座, その期間に生まれた人を指す固有名的用法。
同じ σκορπίος の語族に σκορπίνα(カサゴ), σκορπαινίδης(カサゴ科), σκορπιώδης(サソリに似た形の)。魚の名として使うときの σκορπιός は σκορπίνα より小型で, 大きな頭部と鰓蓋の棘を持つ近縁種を指す。
英語 scorpion はこの語がラテン語 scorpius / scorpio を経て入ったもの。scorpionfish(カサゴ類の総称)も同じ語源で, 英語でもギリシャ語同様「サソリ」の語が魚の名にも使われている。
ギリシャ語:πεταλούδα
読み方:ペタルダ・ペタルーダ
ラテン文字:petalouda
基本の「蝶」を表す πεταλούδα は、中世ギリシャ語 πεταλούδα の形で現れ、現代ギリシャ語でもそのまま日常語として使われている。さらに古い前史には揺れがあり、πέταλον(葉、花びら)に由来するという見方や、πετηλίς(バッタの一種)との関係をみる説がある。
競泳の「バタフライ」は、英語 butterfly の影響を受けて加わった意味である。カオス理論でいう φαινόμενο της πεταλούδας(バタフライ効果)も、英語 butterfly effect に対応する言い方として広がった。
羽を大きく開いた蝶の姿から、πεταλούδα は似た形のものにも広く使われる。競技では κολύμπι(水泳、泳ぎ、泳法)の泳法名になり、道具では μαχαίρι(ナイフ、包丁、メス、刃)の一種や自動車部品、釣り具を指すことがある。さらに、淡水の ψάρι(魚、騙されやすい人、新兵、無口な人)の一種の名にもなっている。
主な意味は「蝶」。そこから競泳のバタフライ、羽のように開く形のもの、医療用のバタフライ針、さらにフナ属の淡水魚まで指す。
ギリシャ語:σκαθάρι
読み方:スカサリ・スカサーリ・スカタリ・スカターリ
ラテン文字:skathari
σκαθάρι は、古代ギリシャ語 κάνθαρος(甲虫や魚の名)から σκάνθαρος(甲虫名)が現れ、そこから中世ギリシャ語 σκανθάριον(小さな甲虫名)を経て現在の形になった語。現在の形では、語中の n と θ(ギリシャ文字)の並びが同化して単純化され、語頭の s- も冠詞と続けて発音される中で定着したと説明される。
虫の意味では κανθαρίδα(ツチハンミョウ)や σκαραβαίος(フンコロガシ、スカラベ)と近く、魚の意味では κάνθαρος(文語的な魚名・甲虫名)と重なる。車の意味でも σκαραβαίος(フンコロガシ、スカラベ)という呼び方がある。
主な意味はコウチュウ目の虫を広く指す語。そこから、地中海の ψάρι(魚)である Spondyliosoma cantharus の名にも、Volkswagen Beetle という αυτοκίνητο(自動車、車)の愛称にも使われる。
ギリシャ語:χταπόδι
読み方:フタポディ・フタポーディ
ラテン文字:chtapodi
χταπόδι は中世ギリシャ語の οκταπόδι(タコ)に由来する。現代ギリシャ語では語頭の o が落ちた χταπόδι が日常形として定着している。
やや硬い文脈では οκτάπους(タコ)という形も見られる。まれに κταπόδι(タコ)という形も使われるが、ふつうは χταπόδι が最も自然で一般的である。
海の生き物を広くいう ψάρι(魚)に対して、χταπόδι は頭足類としてのタコを具体的に指す語。生息環境の語としては θάλασσα(海)と結びつきやすく、近い海産物として καλαμάρι(イカ)や σουπιά(コウイカ)も並ぶ。類義語として πολύποδας(タコ、ポリプ)もあるが、χταπόδι のほうが日常的で食卓の語としてもなじみやすい。
指小語の χταποδάκι(小さなタコ)は、小ぶりのタコや、やわらかく親しみをこめた言い方として使われる。
主な意味は、八本の腕を持つ海の動物としての「タコ」。食材としてもそのまま使われる。そこから、触手のように何本も伸びる形にたとえて、荷物を固定する伸縮ゴムひもや、車の排気マニホールドも χταπόδι と呼ぶ。
ギリシャ語:γαύρος
読み方:ガヴロス・ガーヴロス
ラテン文字:gavros
魚の γαύρος(アンチョビ)は、古代ギリシャ語の ἔγγραυλίς(ヨーロッパアンチョビ)にさかのぼる。これがビザンツ期の ἔγγραυλος(イワシ、アンチョビの類)となり、音の入れ替わりや同化を経て、現代ギリシャ語の γαύρος になった。学名 Engraulis encrasicholus の属名 Engraulis も、この古い語形とつながる。
樹木の γαύρος(シデノキ)は、魚の語義とは別系統と考えられている。γάβρος / γράβος(シデノキ)のような古い形と結びつけられ、シデノキを指す異形や地方形が、現在の発音に寄って γαύρος と重なったものとみられる。
日常語で広く「魚」を表す基本語は ψάρι(魚)で、γαύρος はその中でも群れで泳ぐ小型の海の魚を指す。近い小魚として σαρδέλα(イワシ)があり、どちらも食卓にのぼる身近な魚だが、γαύρος はアンチョビの類をいう。樹木の意味では δέντρο(木、樹木)の一種として使われる。指小語に γαυράκι(小さなアンチョビ、小ぶりの γαύρος)もある。
ギリシャ語:ξιφίας
読み方:クシフィアス・クシフィーアス
ラテン文字:xifias
古代ギリシャ語の ξιφίας(メカジキ)を継承。ξίφος(剣)に「〜のような, 〜を持つ」を表す接尾辞 -ίας を付けた形で, もとは「剣を持つもの」「剣のようなもの」。長く突き出た吻を剣に見立てた魚名。中世ギリシャ語では ξιφιός の形も使われ, 現代でも並行して残る。
同じ ξίφος の語族に ξιφήρης(抜き身の剣を持った), ξιφομαχία(剣闘), ξιφολόγχη(銃剣), ξιφίδιο(短剣)。
ふつう「魚」を言うのは ψάρι(魚)で, ξιφίας はその中の種名。学術・文語的には ιχθύς(魚)も並ぶ。学名 Xiphias gladius は古代ギリシャ語 ξιφίας にラテン語 gladius(剣)を足したもので, ギリシャ・ラテン両系統から「剣の魚」を二重に言っている。英語 xiphoid(剣状の), xiphoid process(剣状突起, 胸骨下端の骨)も同じ ξίφος の系統を引く。
ギリシャ語:πέστροφα
読み方:ペストゥロファ・ペーストゥロファ
ラテン文字:pestrofa
ギリシャ語:τόνος
読み方:トノス・トーノス
ラテン文字:tonos
古代ギリシャ語の τόνος(張り, 音の高さ, アクセント)を継承。動詞 τείνω(張る, 伸ばす)から作られた名詞で, 印欧祖語で「張る」を表す語根に続く。ラテン語 tonus, 英語 tone も同じ語源。
音楽の音程, 声の調子, 文体や色のトーン, 機器の通知音といった現代の用法は, フランス語 ton と英語 tone からの意味借用で整った。
同じ綴りの τόνος には別の語源の語が重なる。重量単位の「トン」はフランス語 tonne からの借用。魚のマグロを指す τόνος(別綴り τόννος)はイタリア語 tonno からの借用で, その先はラテン語 thynnus, 古代ギリシャ語 θύννος(マグロ)に戻る。
派生に τονίζω(強調する, アクセントを置く), τονικός(トニックの)。合成語に ημιτόνιο(半音)。
ギリシャ語:σαρδέλα
読み方:サルデラ・サルデーラ
ラテン文字:sardela
中世ギリシャ語 σαρδέλα を継承した語。イタリア語 sardella(sarda の指小形), フランス語 sardine と同じ流れで、ラテン語 sardus(サルデーニャの、サルデーニャの魚)に行き着く。英語 sardine もフランス語 sardine 経由の同源語。
指小形に σαρδελίτσα。近い小魚に γαύρος(アンチョビ), αντσούγια(塩蔵アンチョビ), παπαλίνα。軍の俗語では制服の階級章や線飾りを指し、σιρίτι(縁テープ)や γαλόνι(ガロン)と同じ文脈に出る。
ギリシャ語:σολομός
読み方:ソロモス・ソロモース
ラテン文字:solomos
σολομός(サケ、サーモン)は、ラテン語の salmo(サケ、サーモン)に由来する借用語で、中世ギリシャ語の *σολομός(サケ)を経て現代ギリシャ語の形になった。
日常語で広く「魚」を表す基本語は ψάρι(魚)で、σολομός はその中の具体的な魚名にあたる。文語的・学術的な文脈では ιχθύς(魚)も使われる。
同じサケ科の魚としては πέστροφα(マス、トラウト)と並べて扱われる。
誤った綴りとして σολωμός(サケ、サーモンの誤綴り)も見られるが、標準的な形は σολομός。
主な意味は、黒い斑点を持つ大型の回遊魚としての「サケ、サーモン」。魚そのものだけでなく、食材としてのサーモンや、その切り身、調理した料理にも使われる。
ギリシャ語:ψάρι
読み方:プサリ・プサーリ
ラテン文字:psari
古代ギリシャ語の ὄψον(調理された食べ物、おかず)から、ヘレニズム時代の縮小辞 ὀψάριον(小さな魚、魚の切り身)が生まれ、さらに中世ギリシャ語の ψάρι(魚)を経て現在の ψάρι(魚)に至った。
この語群は古い段階では、とくに魚料理を指すこともあった。
現在の形になった背景には、το οψάριον(その魚、小さな魚)のように冠詞と続けて発音される中で、語頭の母音 ο(オミクロン)が落ちたとされる音変化がある。
古代ギリシャ語由来の ιχθύς(魚)は、現代では魚座や魚類のような硬い表現に残る。一方、日常会話で「魚」を表す基本語は ψάρι である。
派生語には ψαράκι(小さな魚)、ψαρούκλα(大きな魚)、ψαράκας(間抜けな人、新兵のような未熟者をからかって言う語)がある。数量や釣果を表す関連語に ψαριά(漁獲、漁獲量)がある。
主な意味は、水中に生息する脊椎動物としての「魚」。食材としての魚も同じ語で表す。比喩では沈黙や環境へのなじみにくさを表すことがあり、俗語では騙されやすい人や新兵、無口な人、歌の下手な人を指すこともある。
ギリシャ語:γλώσσα
読み方:グロサ・グローサ
ラテン文字:glossa
古代ギリシャ語の γλῶσσα(舌、言語)を継承。μητέρα γλώσσα(母語), νεκρή γλώσσα(死語), ξύλινη γλώσσα(官僚的で空疎な言葉づかい)など、言語にまつわる現代の言い回しはフランス語・英語からの意味借用で入っているものが多い。
派生語に γλωσσικός(言語の), γλωσσολογία(言語学), πολύγλωσσος(多言語の、多言語話者), γλωσσομαθής(外国語に通じた)。関連語に διάλεκτος(方言), ιδίωμα(土地言葉、言い回し)。英語 glossary, glottis, polyglot も同じ古代ギリシャ語から。

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