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マス、トラウト

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基本情報

ギリシャ語

πέστροφα

読み方

ペストゥロファ・ペーストゥロファ

ラテン文字表記

pestrofa

変化パターン

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日本語訳

  1. マス、トラウト

英語訳

trout

語源・派生・関連語

ブルガリア語 пъстърва pŭstŭrva(マス)からギリシャ語に入った外来借用(δάνειο)に、語源俗解(παρετυμολογία)として ギリシャ語動詞 επιστρέφω(戻る、回帰する、産卵期に川を遡上するマスの行動の連想)の影響が加わって *επίστροφα に再形成されたと Tri が記す。バルカン半島でのスラヴ語との文化接触の中で取り入れられた、中世以降の動物・自然語彙の代表例。

源にあるブルガリア語 pŭstŭrva は、原スラヴ語 *pъstrava(斑点のある、まだら模様の)に由来し、マスの体表の斑点模様に由来する命名と解釈される。同じスラヴ語族からは、ロシア語 пстрюга / форель forel(マス), セルビア・クロアチア語 pastrva, ポーランド語 pstrąg, チェコ語 pstruh が並び、スラヴ諸語のマス語彙の共通祖となる。原スラヴ語 *pъstrъ(斑点のある、まだら)からは、地名・動物名・色彩語彙が広く派生し、東欧・バルカン半島の自然語彙の中核を成す。

語源俗解の引き手になった動詞 επιστρέφω(戻る、回帰する、← επι-「上に」+ στρέφω「向ける」)は、印欧祖語の「向ける、回す」を表す語根に由来し、ラテン語 stringo(締める、絞る), 英語 strong(強い、もとは「結びついた」)と同族。マスの遡上行動を連想して *επίστροφα(「戻ってくるもの」)の語形が定着したという観察に基づく民間語源は、外来借用語のギリシャ化を示す典型例。

ヨーロッパ各語の「マス」語彙では、ラテン語 trutta(マス、← 後期ラテン語、おそらく中世ガリア語起源)から、フランス語 truite, スペイン語 trucha, イタリア語 trota, 英語 trout, ドイツ語 Forelle(別系統)が広まり、ロマンス諸語と西欧の中核を成すが、ギリシャ語 πέστροφα はバルカン半島のスラヴ語経由の独自の系譜を保つ。学名 Salmo trutta(マス)はラテン語起源の命名。

派生・関連語族として πεστροφάκι(小さなマス、指小形), ιριδίζουσα πέστροφα(ニジマス、← ιριδίζω「虹色を帯びる」+ πέστροφα、英 rainbow trout の翻訳借用), πέστροφα ποταμού(川マス), πέστροφα ιχθυοτροφείου(養殖マス), καπνιστή πέστροφα(燻製マス)。

同じサケ科(Salmonidae)の魚の領域には、近い種として σολομός(サケ、サーモン、← ラ salmo), σολομοπέστροφα(サーモントラウト), αρκτικός σολομός(カラフトマス、北極サケ)が並び、淡水・汽水・海水の異なる生息環境を持つ系列として体系化されている。料理では、πέστροφα στη σχάρα(マスのグリル), πέστροφα μαριναρισμένη(マスのマリネ), πέστροφα γεμιστή(詰め物マス)など、ギリシャの伝統料理から国際料理まで広く使われる、北方寄り内陸の主要な食用魚。

ギリシャの淡水漁業では、エペイロス、テッサリア、マケドニアの山間部の川や湖(特にプレスパ湖、ヴゴリツィダ湖)でマスの自然繁殖と養殖が行われ、地域の食文化と観光資源として親しまれる。

マス、トラウト

淡水にすむ食用魚を指す基本語で、学名として Salmo trutta が挙げられる。養殖の話では πέστροφα ιχθυοτροφείου(養殖のマス)のように言い、料理では燻製や焼き物にしたマスにもそのまま使う。ιριδίζουσα πέστροφα(ニジマス)は、体の両側に赤みを帯びた虹色の線が見える種で、Oncorhynchus mykiss にあたる。

  • πέστροφα ιχθυοτροφείου(養殖のマス)
  • καπνιστή πέστροφα(燻製マス)
  • ψητή πέστροφα(焼きマス、グリルしたマス)
  • ιριδίζουσα πέστροφα(ニジマス)

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