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方位磁石、コンパス、ピュクシス

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基本情報

ギリシャ語

πυξίδα

読み方

ピクシダ・ピクシーダ

ラテン文字表記

pyxida

変化パターン

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日本語訳

  1. 方位磁石、コンパス
  2. 指針、ガイド(比喩)
  3. ピュクシス(考古学)

英語訳

compass, pyxis

語源・派生・関連語

古代ギリシャ語 πυξίς(属格 πυξίδος、対格 πυξίδα、ツゲ製の小箱)の対格 -ίδα を主格として再形成した形を、近代以降に書き言葉から再導入し、「方位磁石、コンパス」の意味をイタリア語 bussola から意味借用(σημασιολογικό δάνειο)として加えた学術借用(λόγιο διαχρονικό δάνειο)。

源にある古代の πυξίς は、πύξος(ツゲの木、Buxus 属)から派生した「ツゲ製の小箱」を意味する語で、古代ギリシャ・ローマ世界で化粧品・宝飾品・薬品などの小物を保管するための一般的な容器を指した。古代の πύξος はギリシャ語成立以前の地中海地域の言語層から入ったと見られる先ギリシャ語基層の借用語。

中世以降、地中海航海術の発達とともに磁針を収める容器として πυξίς / πυξίδα が用いられるようになり、イタリア語 bussola(< ラテン語 buxus「ツゲ」由来、bossolo「小箱」)の影響で「方位磁石」の意味が固まった。同じ古代の πυξίς からラテン語 pyxis(小箱、特に聖体容器)を経て、英語 box(箱), ドイツ語 Büchse(缶、容器), フランス語 boîte(箱、← buxida)など、ヨーロッパ各語の「箱」関連語彙の源となっている。星座名 Pyxis(らしんばん座、「南の天空のコンパス」)も同じ系統。

派生・関連語族として ραδιοπυξίδα(無線方位測定機), πυξιδοθήκη(コンパスケース), πύξος(ツゲの木)。類義語に μπούσουλας(口語的なコンパス、← イタリア語 bussola)。なお、製図用の「コンパス(円を描く道具)」はギリシャ語では διαβήτης(古代以来「渡る、跨ぐ」の意味から)で、πυξίδα とは別の語。考古学では古代の小箱の名として πυξίδα が今も学術用語として残り、ξύλινη πυξίδα(木製のピュクシス), πήλινη πυξίδα(陶製のピュクシス)など、原義の「小箱」の用法も生きている。

方位磁石、コンパス

風配図と磁針を備え、北の方角を指し示す測定器具。

  • γυροσκοπική πυξίδα(ジャイロコンパス)
  • μαγνητική πυξίδα(磁気コンパス)
  • ναυτική πυξίδα(航海用コンパス、羅針盤)
  • ψηφιακή πυξίδα(デジタルコンパス)
  • απόκλιση πυξίδας(磁気偏角)

指針、ガイド

比喩的に、行動の指針となるものや中心的な軸を指すのにも使われる。

  • Η θρησκεία ήταν η πυξίδα της ζωής του.
  • 宗教が彼の人生の指針であった。
  • Religion was the compass of his life.

ピュクシス

考古学用語として、古代において宝飾品などの小物を保管するために使われた小さな容器を指すのにも使われる。

  • ξύλινη πυξίδα(木製のピュクシス)
  • πήλινη πυξίδα(陶製のピュクシス)
  • πυξίδα από ελεφαντόδοντο(象牙のピュクシス)
  • τριποδική πυξίδα(三脚付ピュクシス)

関連項目

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