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祈り、祈祷、デーシス

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基本情報

ギリシャ語

δέηση

読み方

デイシ・デーイシ

ラテン文字表記

deisi

変化パターン

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日本語訳

  1. 祈り、祈祷
  2. デーシス

英語訳

prayer, entreaty

語源・派生・関連語

中世ギリシャ語 δέησις(請い、祈り、嘆願)を、近代以降に書き言葉から再導入し、語尾 -σις を現代名詞語尾 -ση に整えなおした学術借用(λόγιο διαχρονικό δάνειο)。源にある古代ギリシャ語 δέησις(属格 δεήσεως、嘆願、強い請い)は動詞 δέομαι(乞う、必要とする、欠乏する)の名詞形で、もともとは「強く請うこと、切迫した請い」を意味する古代の語彙。

ヘレニズム期のキリスト教文献(七十人訳聖書・新約)で「神への祈祷、執り成しの祈り」の語として固まり、特に教会の典礼で公的な祈祷を指す語として中世以降一貫して使われ続けた。新約聖書のパウロ書簡(テモテへの手紙), 詩篇のギリシャ語訳などで頻出する語で、東方正教会の典礼・祈祷の中核語彙の一つとなっている。

並んで使われる広い「祈り」の語 προσευχή(古代以来の中核語、礼拝・感謝・神との対話を含む広い意味)と比べると、δέηση は「乞う」のニュアンスが強く、神への切実な願い・嘆願・公的な祈祷に限定される。同じ動詞 δέομαι から派生した古代の δέησις 系統と区別される、より日常的で個人的な祈りには προσευχή を使う、という対の関係。

派生・関連語族として δέομαι(古代の動詞、現代では文章語), παράκληση(哀願、← παρα-「そばで」+ καλέω「呼ぶ」, より個人的・切実な嘆願), ικεσία(嘆願、神々や上位者に救いを求める儀礼), λιτανεία(連祷、行列祈祷), μνημόσυνο(追悼祈祷)。

美術用語としては Δέησις(デーシス)の名で、ビザンツ・東方正教会の図像様式の一つを指す。玉座に座るキリスト・パントクラトールを中心に、聖母マリアと洗礼者ヨハネが左右から執り成しの祈りを捧げている構図で、その祈りの主題が δέησις(嘆願、執り成し)であることに由来する命名。

祈り、祈祷

神に対する祈りや願いを指す。特に教会での公的な祈祷や、死者の安息や健康といった特定の目的のために捧げられる祈りに用いられる。イコンの銘文では、献納者を示す定型表現としても見られる。

  • κατανυκτική δέηση(心を打つ祈り)
  • δέηση για τα θύματα(犠牲者のための祈祷)
  • δέηση υπέρ υγείας(健康を祈る祈祷)
  • αναπέμπω δέηση(祈りを捧げる)
  • κάνω δέηση(祈祷を行う)

デーシス

美術・宗教画で、玉座に座るキリスト(パントクラトール)を中心に、聖母マリアと洗礼者ヨハネが左右から執り成しの祈りを捧げている構図を指すのにも使われる。ビザンティン美術の代表的な図像のひとつ。

  • Δέηση του Χριστού(キリストのデーシス)
  • απεικόνιση της Δέησης(デーシスの描写)

関連項目

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