ギリシャ語:ελληνικός καφές
読み方:エリニコス カフェス・エリニコース カフェース
ラテン文字:ellinikos kafes
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ギリシャ語:ελληνικός καφές
読み方:エリニコス カフェス・エリニコース カフェース
ラテン文字:ellinikos kafes
ギリシャ語:άτμισμα
読み方:アトゥミズマ・アートゥミズマ
ラテン文字:atmisma
ατμός(蒸気)から動詞 ατμίζω(蒸気にする、ベイプを吸う)が作られ、そこに接尾辞 -μα を加えて成立した名詞。
「湯気を立てること」という本来の意味は動詞からの自然な派生。一方、電子たばこの「ベイプ(Vape)」の意味は、2011年にフランス語 vapotage からの翻訳借用によって新しく加わった。
ατμός 自体は、古代ギリシャ語の ἀτμός(蒸気)に由来。
ギリシャ語:καπνίζω
読み方:カプニゾ・カプニーゾ
ラテン文字:kapnizo
ギリシャ語:τσιγάρο
読み方:ツィガロ・ツィガーロ
ラテン文字:tsigaro
ヴェネツィア語 cigaro からの借用。もとはスペイン語 cigarro に由来し、その源はユカタン・マヤ語 siyar(タバコの葉を吸う)。
派生語に αποτσίγαρο(吸い殻)、τσιγαράδικο(たばこ店)、τσιγαροθήκη(たばこケース)など。
関連語は πούρο(葉巻)。英語 cigarette も同じ語源で、フランス語 cigarette(小さい cigare)から作られた。
ギリシャ語:μπίρα
読み方:ビラ・ビーラ
ラテン文字:bira
ヴェネト方言(ヴェネツィア語)の bira(ビール)からの外来借用(δάνειο)。ヴェネト方言 bira はさらにドイツ語 Bier(ビール)にさかのぼる。中世末期から近世にかけて、ヴェネツィア共和国の地中海貿易と中欧醸造文化の伝播の中で、ギリシャ語に取り入れられた。
ドイツ語 Bier は古高ドイツ語 bior、共通ゲルマン語 *beuran にさかのぼり、最終的な起源はラテン語 bibere(飲む、英語 beverage の語源)から派生したという説が有力。一方、ヴェネト方言 bira を経由したルートでは、フランス語 bière, イタリア語 birra, ルーマニア語 bere など、ヨーロッパ各語に広まった国際語。
古代以来のギリシャ語固有のビール語彙には ζύθος(古代エジプトのビール、書きことば、現代でも文章語として残る)があり、現代では μπίρα が日常の中心語、ζύθος が古典・公文書・商業文書の専門語として並んで使われている。
派生・関連語族として μπιρίτσα, μπιρούλα(小さなビール、可愛い言い方、指小形), μπιραρία / μπυραρία(ビアホール、← イタリア語 biraria), μπύρα(ビール、別綴り)。類義語に κρασί(ワイン), ποτό(飲み物、酒一般), ούζο(ウーゾ、アニス入りスピリッツ), τσίπουρο(ツィプロ、グラッパに似た蒸留酒)。換喩的に「一本・一缶のビール」を指す数えられる名詞としても使い、Πήρα δυο μπίρες(ビールを 2 本買った)のような数値表現が日常的。
ギリシャ語:σπίρτο
読み方:スピルト・スピールト
ラテン文字:spirto
イタリア語 spirito(アルコール、スピリッツ、精神、霊、息)からギリシャ語に入った外来借用(δάνειο)。借用の過程で、無強勢の [i] が脱落(συγκοπή)して σπίρτο の形に整えられた。古いイタリア語形 spirto の段階で借用されたとする説もある(Tri 注記)。Tri は意味 2 の「マッチ」に対して伊 spirito との対応を明記する。
源にあるイタリア語 spirito は、ラテン語 spīritus(息、呼吸、霊、精神、← spīrāre「息をする、吹く」)の継承で、本来は「息」「霊魂」を意味した。中世以降、錬金術の文献で「揮発性の物質」「蒸留して得られる強い液体」を spīritus と呼ぶようになり、近代の英語 spirits(蒸留酒、霊魂), フランス語 esprit(精神、機智), ドイツ語 Spiritus(アルコール)といった語の意味展開につながった。「息・霊」が「揮発する液体」「燃えるもの」へと比喩で結びつけられた、地中海・西欧文化に共通の意味展開。
ギリシャ語 σπίρτο の意味の中心は、近代に「マッチ」へと移った。これは、マッチの製造に用いられる可燃性のリン化合物・硫黄が古い時代に「アルコール(スピリッツ)」と呼ばれていたことから、火を点ける小さな棒を「アルコール棒」のように呼んだ用法が定着したもの。同じパターンで英語 match(マッチ), ドイツ語 Streichholz(マッチ棒)も、それぞれ別の経路で「火を点ける道具」の名前を確立した。
源にあるラテン語 spīritus は、印欧祖語の「息、吹く、活気」を表す語根に由来し、英語 spirit, inspire(息を吹き込む), expire(息を吐き出す→死ぬ), respire(呼吸する), perspire(汗をかく), conspire(共に息をする→陰謀を企てる)が同じ語根から派生した、ヨーロッパ語の「息・精神・呼吸」の語彙の根幹。古代ギリシャ語の対応概念は πνεῦμα(息、霊、精神、← πνέω「息をする、吹く」)で、神学・哲学の語彙として並走する系譜を持つ。
派生・関連語族として σπιρτόκουτο(マッチ箱、← σπίρτο + κουτί), σπιρτόξυλο(マッチ棒), σπιρτόζος(機知に富んだ、頭の切れる、← 伊 spiritoso「機知に富んだ」、人物形容詞), σπιρτοζίδικος(小生意気な、機知のある、口語), σπίρτο μοναχό(ずば抜けて頭の切れる人)。
同じ「火・マッチ・着火」の領域には、書きことば寄りの πυρείο(マッチ、火打ち具), 現代の対応道具の αναπτήρας(ライター), 火花の σπίθα(火花、きっかけ、残り火), ろうそくの κερί(ろうそく)が並ぶ。同じ「酒・アルコール」の領域には、上位概念の ποτό(飲み物、酒、飲酒), ワインの κρασί(ワイン), アルコール一般の οινόπνευμα(書きことば、← οἶνος「酒」+ πνεῦμα「息・霊」、文字どおり「酒の霊」、ラテン語 spīritus vini の翻訳), 蒸留酒の τσίπουρο(ツィプロ), ούζο(ウーゾ)が並ぶ。化学の文脈で σπίρτο του άλατος(塩酸、文字どおり「塩のスピリッツ」)が定型表現として残るのは、近代化学の創成期にラテン語 spīritus が「揮発性の液体」「酸」を表していた時代の名残で、当時の錬金術・化学語彙の遺産。
比喩用法では、人を褒めて σπίρτο と言うと「頭の回転が速く要領のいい人」を意味する。火が点くスピード感を機知の鋭さに重ねた口語の比喩で、近い表現に ξεφτέρι(タカ、転じて切れ者), σαΐνι(タカ、切れ者), τσακάλι(ジャッカル、やり手)が並ぶ。
ギリシャ語:κάπνισμα
読み方:カプニズマ・カープニズマ
ラテン文字:kapnisma
古代ギリシャ語の κάπνισμα(香を焚くこと, 燻蒸)に由来。動詞 καπνίζω(煙を出す, 燻す)に結果・動作を表す -μα が付いてできた語で, 背景には καπνός(煙)の語族がある。もとは神殿での香焚きや燻蒸の作業を指していたが, たばこの普及とともに「喫煙」が中心の意味に移り, フランス語 fumage からの意味借用で輪郭が整った。
同じ καπνός の語族に καπνίζω(煙を出す, たばこを吸う), καπνιστής(喫煙者), καπνιστός(燻製にした), καπνιστήριο(喫煙所)。英語の capno-(煙の)もこの καπνός から入った接頭辞で, capnomancy(煙占い), hypercapnia(高二酸化炭素血症)に見られる。
口語の φούμα, φουμάρισμα はイタリア語 fumare(煙を出す)から入った語。άτμισμα(電子たばこを吸うこと, ベイピング)は ατμός(蒸気)からの造語で, 従来の「喫煙」と区別する文脈で用いる。
ギリシャ語:κρασί
読み方:クラシ・クラシー
ラテン文字:krasi
古代ギリシャ語の κρᾶσις(混合)を継承。動詞 κεράννυμι(混ぜる)の語幹に状態・結果を表す接尾辞 -σις を付けた形で、もとは κρᾶσις οἴνου(ワインの混合)と言って水で割ったワインを指した表現が、やがて οἴνου を省いて κρᾶσις 単独でワインそのものを指すようになり、中世ギリシャ語 κρασίν を経て今の形に落ち着いた。英語 crater(火口、酒を混ぜる器が原義)や idiosyncrasy(気質、体質。ἴδιος「自分の」+σύν「共に」+κρᾶσις「混合」から)もこの κεράννυμι 系譜からラテン語を経由して入った学術借用。
類義語に οίνος(ワイン。古代ギリシャ語由来でラベル表記や詩歌・文芸の文脈で使う硬い形)。英語 wine や oenology(ワイン学)は οίνος から入った借用で、κρασί と同じワインを指すが語源は別系統。κρασί はワインを指すふつうの形として広く使う。派生に κρασάκι(一杯のワイン、愛称。指小形), κρασάς(ワイン好き、酒飲み), κρασάτος(ワインで煮込んだ、ワイン色の), κρασωμένος(ワインで酔った)。合成語に κρασοβάρελο(ワイン樽), κρασοπότηρο(ワイングラス), κρασοπότι(ワイングラス、盃)。
ギリシャ語:καπνός
読み方:カプノス・カプノース
ラテン文字:kapnos
古代ギリシャ語の καπνός(煙)を継承。印欧祖語で「煙、沸騰、激しい動き」を表す語根に遡るとされる。古代から現代まで基本の意味は「煙」で、そこから植物のタバコや、乾燥・加工した喫煙用のタバコ製品も指す用法が加わった。
派生語に κάπνισμα(喫煙), καπνίζω(喫煙する、燻す), καπνιστής(喫煙者), καπνιστός(燻製の), καπνοδόχος(煙突)。接頭辞 καπνο- で καπνοβιομηχανία(タバコ産業), καπνοκαλλιέργεια(タバコ栽培), καπνοπωλείο(タバコ店)などの合成語を作る。口語で部屋に立ち込める濃い煙は、トルコ語由来の ντουμάνι とも言う。英語の医学用語 hypercapnia(高炭酸ガス血症), hypocapnia(低炭酸ガス血症)の -capnia は、この καπνός を受け継いだ語根。