#仕事
該当語 26 件。単語の詳細は各ページで確認できます。
ギリシャ語:πορνεία
読み方:ポルニア・ポルニーア
ラテン文字:porneia
古代ギリシャ語の πορνεία(売春、不品行)に由来。これは πορνεύω(売春する、不品行を行う)に、抽象名詞を作る接尾辞 -ία が付いた語である。
πορνεύω は πόρνη(売春婦)から作られた動詞。πόρνη は古代ギリシャ語の πέρνημι(売る)と関係し、さらに印欧祖語で「売る、対価を得る」ことを表す語根に遡る。
派生語には πορνεύω、πορνείο、πορνικός などがある。英語 pornography, pornographic などの porno- も、古代ギリシャ語 πόρνη / πορνεία の語族に由来。
現代ギリシャ語では、対価を伴う性的行為や、それに関わる社会現象などを指す。聖書・教会の文脈では、より広く「性的な不品行」を指す語として用いられる。
キリスト教神学の七つの大罪(επτά θανάσιμα αμαρτήματα)では、教会系の一覧で πορνεία が「色欲」にあたる語として使われることがある。
現代の一般的な一覧では λαγνεία が使われることが多い。対応する美徳としては σωφροσύνη(節制、慎み、貞潔)などが挙げられる。
ギリシャ語:πάγκος
読み方:パンゴス・パンゴース
ラテン文字:pangos
イタリア語 banco(台、腰掛け、商人の台)からの借用。現代ギリシャ語では πάγκος と μπάγκος の形がある。
banco の語根は、古高ドイツ語 bank などゲルマン系の「長い腰掛け、台」を表す語。英語 bench(ベンチ)も同じゲルマン系の語に属する。
英語 bank(銀行)も、もとは両替商や商人が使う台を表すイタリア語 banca / banco に由来。家具や台を表す語が、商取引の場を経て金融機関の意味へと発展した。
πάγκος は作業台、店のカウンターや陳列台、複数人が座る長い腰掛けなどを指す。指小形 παγκάκι は、公園などにある「ベンチ」を指す語として一般的。
海事の文脈では、船の航行を妨げる砂地や岩場の浅瀬を指すこともある。この意味もイタリア語 banco の「浅瀬、砂州」に対応している。
関連語は、τραπέζι(テーブル)、πάγκος κουζίνας(キッチンカウンター)、πάγκος εργασίας(作業台)、πάγκος πωλητή(売り手の台)、παγκάκι(ベンチ)など。
ギリシャ語:αεροπορική εταιρεία
読み方:アエロポリキ エテリア・アエロポリキー エテリーア
ラテン文字:aeroporiki etaireia
αεροπορικός(航空の)の女性形 αεροπορική と εταιρεία(会社、企業)からなる連語。
旅客や貨物を航空機で運ぶ会社を指す。
関連語には αεροπλάνο(飛行機)、αεροδρόμιο(空港)、αεροπορική γραμμή(航空路線)、αεροπορικό εισιτήριο(航空券)などがある。
ギリシャ語:προσανατολίζω
読み方:プロサナトリゾ・プロサナトリーゾ
ラテン文字:prosanatolizo
προσ-(προς の合成形)と ανατολή(東、日の出)に、動詞を作る接尾辞 -ίζω が付いた語。東を基準に向きを定める発想から。
「方位を定める、方向づける」や、再帰的な προσανατολίζομαι(方向をつかむ、見当をつける)の意味は、フランス語 orienter / s'orienter からの翻訳借用。英語 orient, orientate も同じく「東」を表す語に由来する。
派生語に προσανατολισμός(方位、見当、方向づけ)など。対義的な語には αποπροσανατολίζω(方向感覚を失わせる、攪乱する)や αποπροσανατολισμός(方向感覚の喪失、攪乱)がある。
類義語として κατευθύνω(向ける、導く、方向づける)、κατεύθυνση(方向、方針)などが挙げられる。
ギリシャ語:προσανατολισμός
読み方:プロサナトリズモス・プロサナトリズモース
ラテン文字:prosanatolismos
動詞 προσανατολίζω(方位を定める、方向づける)に、動作や結果を表す名詞語尾 -μός が付いた語。προσανατολίζω は προς(〜へ)と ανατολή(東、日の出)をもとにした動詞で、東を基準に向きを定める発想から作られている。
「方位、見当、方向づけ」の意味は、フランス語 orientation からの翻訳借用。orientation は orient / orienter に由来し、ラテン語 oriens(昇るもの、東)に遡る。英語 orientation も同じ系統。ギリシャ語の ανατολή も「昇ること、東」を表し、語源は別だが意味の発想が対応している。
関連語に προσανατολίζω(方位を定める、方向づける)、αποπροσανατολισμός(方向感覚の喪失、攪乱)、κατεύθυνση(方向、方針)、ορίζοντας(地平線、水平線)、πυξίδα(方位磁針)などがある。
ギリシャ語:διεύθυνση
読み方:ディエフシンシ・ディエーフシンシ・ディエフティンシ・ディエーフティンシ
ラテン文字:diefthinsi
動詞 διευθύνω(管理する、指揮する、方向づける)に、動作や結果を表す名詞語尾 -ση が付いて作られた語。
διευθύνω は古代ギリシャ語 διευθύνω(まっすぐにする、導く、管理する)に由来。接頭辞 δια- と εὐθύνω(まっすぐにする、正す)からなる構成である。εὐθύνω は εὐθύς(まっすぐな、直接の)と同じ語族で、ευθεία(直線、まっすぐに)にも関連。
「管理、指揮」や「方向」の意味は、フランス語 direction からの意味借用によって整えられた。また「住所、宛先」の意味は、フランス語 adresse からの意味借用で定着したもの。
関連語に διευθυντής(管理者、校長、取締役、指揮者)、διευθύντρια(女性の管理者、女性指揮者)、διευθυντικός(管理の、指導的な)、κατεύθυνση(方向)、προσανατολισμός(方位、見当)などがある。
ギリシャ語:εταιρεία
読み方:エテリア・エテリーア
ラテン文字:etaireia
古代ギリシャ語の ἑταιρεία(仲間関係、結社、団体)を継承。
古代ギリシャ語の ἑταῖρος(仲間、同志、同行者)から派生した抽象名詞で、もとは「仲間どうしの結びつき」「同志のつながり」を表していた。古代アテナイでは政治クラブや結社を ἑταιρεῖαι と呼んだ。
ἑταῖρος はさらに ἕτης(同じ氏族の者、一族の者)にさかのぼる。語根は印欧祖語で「自己、自身」「自分の集団」を表す語に起源を持ち、ラテン語 sodalis(仲間、結社員)と同根。
「会社、企業」の意味はフランス語 compagnie / société、英語 company からの意味借用で近代に定着した。歴史的には Φιλική Εταιρεία(友愛協会、1814 年設立)が独立革命の準備組織として有名。
綴りは εταιρεία(古代の -εία を保った形)と εταιρία(簡略化された -ία の形)の二形が並行して使われる。教育・公文書・法律では εταιρεία、商業現場では両方が見られる。本ページは εταιρεία を見出しとし、εταιρία を別形として立てる。
派生語に εταιρικός(会社の、企業の)、συνεταιρισμός(協同組合)など。
「会社、企業」の意味で類義語に επιχείρηση(事業、企業)、関連語に οίκος(屋号、商社)、φίρμα(ブランド、商号)、τραστ(信託、トラスト)。
「学会、団体」の意味で関連語に σύλλογος(会、サークル)、σύνδεσμος(連盟、組合)、σωματείο(社団、組合)。
ギリシャ語:εργοδότης
読み方:エルゴドティス・エルゴドーティス
ラテン文字:ergodotis
古代ギリシャ語 ἐργοδότης(仕事を委託する人、← ἔργον「仕事」+ -δότης「与える者」、← δίδωμι「与える」)を、近代以降に書きことばから再導入した学術借用(λόγιο διαχρονικό δάνειο)。さらに、ドイツ語 Arbeitgeber(雇用主、文字どおり「仕事を与える者」)の意味用法を取り込んだ意味借用(σημασιολογικό δάνειο)の側面も併せ持つ、二層構造を持つ近代の労働法用語。
源にある古代の ἔργον(仕事、活動、業)は、印欧祖語の「働く、なす」を表す語根に由来し、英語 work, ドイツ語 Werk と同族。同じ ἔργον からは、現代ギリシャ語に極めて広範な派生語族が継承される:εργασία(労働、仕事), εργαλείο(道具), εργαζόμενος(労働者), εργατικός(勤勉な、労働者の), εργοστάσιο(工場), εργοδότης(雇用主), εργοδοσία(雇用関係), συνεργασία(協力、共同作業), ενέργεια(エネルギー、活動)が並ぶ、近代労働・産業の語彙の根幹。
源にある古代の δίδωμι(与える、贈る)は、印欧祖語の「与える」を表す語根に由来し、ラテン語 dō, dare(与える、← 英 donate, donor), サンスクリット dā-(与える)と同族。古代ギリシャ語の δίδωμι から派生した名詞 -δότης(〜を与える者)は生産的な造語要素で、近代以降の社会・職業語彙の中で多くの合成名詞をつくる:αιμοδότης(献血者、← αίμα「血」+ -δότης), εργοδότης(雇用主), χρηματοδότης(資金提供者), παροχοδότης(給与支給者、書きことば), αδειοδότης(許可与え主、行政語), νομοθέτης(立法者、別系統だが類似パターン), αρθρωτής(演説者、別系統)。
近代労働法の用語としての εργοδότης は、19-20 世紀のドイツ・フランス・イギリスの労働法・社会保険法の発達を背景に、ギリシャ語にも近代造語として整備された。ドイツ語 Arbeitgeber(仕事を与える者 = 雇用主)と Arbeitnehmer(仕事を受ける者 = 労働者)の対概念が、ギリシャ語にも εργοδότης / εργαζόμενος として翻訳借用され、近代労働法の中核語彙として確立された経緯を持つ。
派生・関連語族として εργοδότρια(女性の雇用主、← εργοδότ(ης) + -τρια), εργοδοτικός(雇用主の、形容詞), εργοδοτικό περιβάλλον(雇用主の環境), εργοδοτική εισφορά(雇用主負担分), εργοδοτική οργάνωση(経営者団体), εργοδοτική σχέση(雇用関係), εργοδοσία(雇用関係、雇用主の集合)。
近代労働法・社会保険の用語としては、εργοδότης(雇用主)と対になる εργαζόμενος(労働者), υπάλληλος(職員、被用者)の二語が中心で、雇用関係の構造を表す体系を成す。同じ労働関係の領域には、契約の σύμβαση(契約、雇用契約), 給与の μισθός(給与), 保険の ασφάλιση(社会保険), 退職の συνταξιοδότηση(退職、年金支給), 解雇の απόλυση(解雇), 失業の ανεργία(失業)が並び、現代ギリシャの労働法・社会保障の語彙体系の中核を担う。
ギリシャの労働市場・労働法の文脈では、εργοδότης は IKA(旧社会保険機構), EFKA(現国民社会保険機構)の保険料負担者、税法上の源泉徴収義務者、労働組合との交渉相手として、近代社会の重要な経済主体として位置づけられる。経済危機(2009 年以降のギリシャ債務危機)の文脈でも、εργοδότες の役割と責任が、社会・政治の議論の中心的なテーマとして頻出する。
ギリシャ語:βάρδια
読み方:ヴァルディア・ヴァールディア
ラテン文字:vardia
北イタリアの海洋都市ヴェネツィアで話されたヴェネツィア語 vardia(見張り、当番)からの借用。同源のイタリア標準語形は guardia で、英語 guard, ward もこの系統。海事用語の見張り当番が「勤務交代、シフト」の意味に広がった。
ギリシャ語:γραφείο
読み方:グラフィオ・グラフィーオ
ラテン文字:grafeio
ヘレニズム期ギリシャ語 γραφεῖον(記録所、文書館、← 古代 γραφή「書きもの」+ -εῖον 場所接尾辞)を、近代以降に書きことばから再導入した学術借用(λόγιο διαχρονικό δάνειο)。古代の γραφεῖον には「書字用具(書字板、ペン)」の意味と「記録所、文書館」の二つの意味があったが、現代の γραφείο は「事務所、オフィス」「机」の意味が中心で、フランス語 bureau(オフィス、机)の意味用法を取り込んだ意味借用(σημασιολογικό δάνειο)の層を併せ持つ。
源にある古代の γραφή(書きもの、書類、文書、絵)は、動詞 γράφω(書く、刻む、描く)の派生で、印欧祖語の「ひっかく、刻む」を表す語根に由来し、英語 carve, ドイツ語 kerben と同族。古代ギリシャ語の γράφω と γραφή は、書字・絵画・記録の語彙の根幹で、現代まで広範な派生語族が継承される:γράμμα(文字), γραμματική(文法), γραφικός(絵画的な、書記の), γράφημα(グラフ、書記), γραμματέας(書記、秘書), αυτογράφο(自筆、サイン), βιβλιογραφία(書誌、文献目録)が並ぶ、極めて生産的な語族。
接尾辞 -εῖον は、古代ギリシャ語の生産的な造語要素で、職業・場所・道具を表す中性名詞をつくる。同じパターンで作られた語族には、αρχείο(記録所、書庫、ファイル、← αρχή「始まり、原則」), σχολείο(学校、← σχολή「閑暇、講義」), διδασκαλείο(教員養成学校、← διδάσκω「教える」), βιβλιοπωλείο(書店、← βιβλίο + πωλώ), λεωφορείο(バス、← λεώς + φέρω), ζωολογείο(動物園、← ζώο + -λογ-)が並ぶ、19 世紀以降の現代ギリシャ語学術造語の中核を成す。
近代の意味用法「事務所、オフィス、机」は、フランス語 bureau の意味展開を取り込んだ近代の意味借用:フランス語 bureau は、もとは「机を覆う毛織物(bure)の覆い」を意味したが、近世以降に「机」「事務所」「行政機関」「公的部門」へと意味の中心が広がり、英語 bureau, ドイツ語 Büro, スペイン語 buró, イタリア語 burò として国際語化した。ギリシャ語 γραφείο は、この近代フランス語 bureau の意味用法をギリシャ語の素材で表す形で、近代行政・事務語彙の中核となった。
派生・関連語族として γραφειακός(オフィスの、事務的な、形容詞), γραφειοκρατία(官僚制、← 仏 bureaucratie「官僚政治」の翻訳借用、γραφεῖον + κράτος「支配」), γραφειοκράτης(官僚、← 仏 bureaucrate), γραφειοκρατικός(官僚的な、← 仏 bureaucratique), γραφεία ταξιδίων(旅行代理店), δικηγορικό γραφείο(法律事務所), ταξιδιωτικό γραφείο(旅行業者), αρχιτεκτονικό γραφείο(建築設計事務所), γραφείο διεκπεραίωσης(処理オフィス), γραφείο τύπου(広報事務所、プレスオフィス), γραφείο πληροφοριών(情報案内所), γραφείο εργασίας(仕事机、職業安定所)。
近代社会の形成に伴って整備された官僚制(γραφειοκρατία)は、19 世紀のドイツの社会学者 Max Weber の合理的官僚制論(rationale Bürokratie)の中核概念として、近代国家・近代企業の組織原理として理論化された。ギリシャ語 γραφειοκρατία は、近代国家の行政語彙の中核として、政府機関・公共部門・私企業の組織形態を語る上で頻出する重要な社会科学用語。
意味の領域は、物理的な空間(オフィスの部屋、建物の事務所スペース)から、組織・機関(公的事務所、私企業のオフィス、専門職の事務所), 道具(机、書斎机、デスク), 抽象的な機関(公的部門、官庁)まで連続的に展開する、現代社会の事務・行政の中核語彙。
ギリシャ語:συνάντηση
読み方:シナディシ・シナーディシ・シナンディシ・シナーンディシ
ラテン文字:synantisi
古代ギリシャ語の συνάντησις(出会い、遭遇)に由来。動詞 συναντώ(出会う、会う)からの名詞。
ギリシャ語:μισθός
読み方:ミスソス・ミスソース・ミストス・ミストース
ラテン文字:misthos
ギリシャ語:τρέξιμο
読み方:トゥレクシモ・トゥレークシモ
ラテン文字:treximo
中世ギリシャ語 τρέξιμον(走ること、← 動詞 τρέχω「走る」のアオリスト語幹 τρεξ- + -ιμον 動作の結果・行為を表す中性名詞接尾辞)が現代まで受け継がれた継承語(κληρονομιά)。語末の -ν が脱落して現代の τρέξιμο の形に整えられた。
接尾辞 -ιμο は、動詞のアオリスト語幹から動作・行為・結果を表す中性抽象名詞をつくる現代ギリシャ語の生産的な造語要素。同じパターンで作られた語族には、γράψιμο(書くこと、← γράφω「書く」), διάβασμα(読書、← διαβάζω「読む」、ただし -μα 接尾辞), μάζεμα(集めること、← μαζεύω), παίξιμο(遊ぶこと、演奏、← παίζω), φάγωμα(食べること、← τρώω), χτύπημα(叩くこと、← χτυπώ)が並び、動作の名詞化の中核的な造語パターン。
源にある古代の τρέχω(走る、走り去る、急ぐ、流れる)は、印欧祖語の「走る、回る、車輪」を表す語根に由来し、サンスクリット dhráj-(走る), アヴェスタ語 draxθa-(速い)と関連する古層語。古代ギリシャ語のアオリスト形は ἔδραμον(不規則)が標準で、ヘレニズム・中世期に正則化したアオリスト έτρεξα が現代の動詞活用の基盤となった。同じ動詞 τρέχω からは、δρόμος(道、走路、← 古代の τρέχω のアオリスト語幹由来), τροχός(車輪), διατρέχω(横切る、急ぐ), εκτρέχω(駆け出す), αναδρομή(遡及、再走行), καταδρομή(襲撃、襲来), υποδρομικός(亜音速の、書きことば)が出ている、走る・移動する概念領域の中核語族。
派生・関連語族として τρέχω(走る、流れる、動詞), τρεχούμενος(流動性の、流れる), τρέχοντας(走りながら、副詞的), τροχός(車輪), τροχαία(交通、交通警察), δρόμος(道、走路、距離), δρομέας(ランナー、走者), προδρομικός(先駆けの、書きことば), ξανατρέχω(再び走る), ανατρέχω(さかのぼる), καταδρομέας(特殊部隊員、襲撃兵)。
意味の領域は、まず体を動かして走ること(ランニング)が中心。そこから、用事を片づけるための奔走(とくに複数形 τρεξίματα では「雑事に追われる慌ただしさ」を強調), コンピュータでのプログラム実行(英 running の意味用法を取り入れた近代の意味借用、σημασιολογικό δάνειο), 自然な液体の流れ(まれな用法)まで連続的に展開する。同じ「走る・運動」の領域には、上位概念の άσκηση(運動、練習), 準備運動の ζέσταμα(準備運動、加熱), 軽い走りの τζόκινγκ(ジョギング、← 英 jogging), 競走の αγώνας δρόμου(競走), 短距離走の σπριντ(スプリント、← 英 sprint), マラソンの μαραθώνιος(マラソン、← 古代 Μαραθών の地名)が並び、動きの種類と速度・距離で言い分けられる。
複数形 τρεξίματα は奔走・雑事の慌ただしさを強調する用法で、τρεξίματα με την Αστυνομία(警察沙汰), τρεξίματα με τα δικαστήρια(裁判沙汰), τρεξίματα με το σπίτι(家のことでのごたごた)のように、生活上のトラブル・手続きの多忙さを表す慣用句で頻出する、口語の生活語彙の中核。
ギリシャ語:δημιουργία
読み方:ディミウルイア・ディミウルイーア・ディミウルギア・ディミウルギーア
ラテン文字:dimiourgia
δῆμος(人民)と ἔργον(仕事)が結びついた古代ギリシャ語の δήμια ἔργα(公共の仕事)にさかのぼる名詞 δημιουργός(職人, 創造者)から動詞 δημιουργώ(創造する)が派生し, その名詞形 δημιουργία を継承。表面的には δημιουργός は δήμιος(公の)と -ουργός(働く者, ἔργον「仕事」から派生した後接辞)の合成にあたる。
古代ギリシャ語の δημιουργός は、まず「職人、手工業者、技芸をもつ者」を指す語だった。ペロポネソス諸邦では「行政官、為政者」を表す用法もあった。さらに哲学の文脈では、プラトン『ティマイオス』で「世界の制作者(デミウルゴス)」として語られ、宇宙を形づくる存在を意味するようになった。このプラトン的な用法がヘレニズム期以降の神学に受け継がれ、キリスト教文化圏での「天地創造」「被造世界」の意味にもつながっている。
派生語に δημιουργός(創造者)、δημιουργώ(創造する)、δημιουργικός(創造的な)、δημιουργικότητα(創造性)、δημιούργημα(創作物)、αναδημιουργία(再創造)など。
ギリシャ語:εργασία
読み方:エルガシア・エルガシーア
ラテン文字:ergasia
古代ギリシャ語の ἐργασία(労働、仕事、商売、作品など)に由来。古代の基本語 ἔργον(仕事、作品)から動詞 εργάζομαι(働く)が派生し、その名詞形としてできた語。ἔργον は英語 work と同じ語源。ενέργεια(エネルギー)も ἐν-(中に)+ ἔργον からなる語で、同じ語根をもつ。
日常で「仕事」を広く指す δουλειά に対し、εργασία はよりフォーマルで、雇用、労働市場、契約など制度的な文脈で使われる。
派生語に εργάτης(労働者)、εργαλείο(道具)、έργο(仕事、作品)、εργασιακός(労働の、雇用の)など。合成名詞も多く、συνεργασία(協力)、επεξεργασία(処理、加工)、διεργασία(過程)、τηλεργασία(テレワーク)など。
ギリシャ語:συνεργασία
読み方:シネルガシア・シネルガシーア
ラテン文字:synergasia
ヘレニズム期ギリシャ語 συνεργασία(職能組合、ギルド、← σύν「共に」+ ἐργασία「仕事、労働」、← ἔργον「仕事」)を、近代以降に書きことばから再導入した学術借用(λόγιο διαχρονικό δάνειο)。さらに近代では、フランス語 collaboration(共同作業), coopération(協力)の意味用法を取り込んで「共同作業、協力関係」が中心義となった意味借用(σημασιολογικό δάνειο)の層も伴う、二層構造を持つ。古代の「ギルド・職能組合」の意味は現代では失われ、近代以降の意味だけが生きている。
源にある古代の ἔργον(仕事、活動、業、行為)は、印欧祖語の「働く、なす」を表す語根に由来し、英語 work, ドイツ語 Werk と同族。地中海・印欧語の「労働・仕事」を表す古い系譜の語で、ギリシャ語の派生語族は極めて広い。同じ ἔργον からは ενέργεια(エネルギー、活動、← εν-「中に」+ ἔργον、英 energy), εργασία(労働、仕事), εργαλείο(道具), εργοστάσιο(工場), εργοδότης(雇用主), εργαζόμενος(労働者), εργάτης(労働者), εργατικός(勤勉な、労働者の), χειρουργός(外科医、← χείρ「手」+ -ουργός「働く者」), μεταλλουργία(冶金、金属加工), γεωργία(農業、← γῆ「土地」+ -ουργία「働き」), λειτουργία(典礼、公的儀礼、← 「公の働き」、英 liturgy), ζωγραφική(絵画、← ζωή「命」+ -γραφία、もとは「動く絵」「生命を描くこと」), さらに国際語化した σύνεργος(協力者), συνεργασία(協力), αλληλεργασία(相互作業)が並ぶ、近代産業・労働・芸術の語彙の中核。
接頭辞 σύν- は「共に、一緒に」を表す古代以来の生産的な造語要素で、近代の翻訳借用語の素材としても活躍する。英語 syn-(synthesis, sympathy, symbol, system), フランス語 syn-(syncope, synchrone)の語源としても有名で、ギリシャ語起源の国際造語要素の中で最重要の一つ。同じ造語パターンで、近代以降にフランス語経由で取り入れられた語族には、συνεργία(共働、協力), συνέργεια(シナジー、← 英 synergy が σύνεργος から派生したものを再借用), συνεργαζόμενος(協力する人、協力する), συνεργασιακός(協力的な)が並ぶ。
派生・関連語族として συνεργάτης(協力者、共同制作者、男性形), συνεργάτρια(協力者、女性形), συνεργατικός(協力的な、形容詞), συνεργείο(修理工場、作業班、← συν- + -εργείο 場所接尾辞), συνεργασιακός(協力体制の、書きことば), συμπεριλαμβάνω(含む)。
同じ「協力・連携」の領域には、一時的な共同行動の σύμπραξη(共同行動、書きことば、← σύν + πράξη「行為」), 政治・組織の συνένωση(合併、連合), 同盟の συμμαχία(同盟、軍事同盟)が並ぶ。συνεργασία は最も広い「共同作業・協力関係」を指す中核語で、学術・報道の共同制作、国家間の協調、企業間の提携、職場の連携、人体の器官の連携まで広く展開する。比喩・否定の用法では συνεργασία με τον εχθρό(利敵協力、対敵協力)が、第二次世界大戦のナチ占領期以降に深刻な意味を帯びた歴史的な語として残る。
ギリシャ語:βιασύνη
読み方:ヴィアシニ・ヴィアシーニ
ラテン文字:viasyni
古代ギリシャ語の βία(力、暴力)から派生した動詞 βιάζω(強いる、急がせる)に由来。もとは「力で押す、強いる」感覚をもつ語。
「強いる、急がせる」から、時間に追われる焦りや急ぎを表す意味へと広がった。
類義語の βιάση(急ぎ、焦り)は文語寄り。一方、πρεμούρα や φούρια は口語寄りで、せかされた感じが強い。関連する形容詞には βιαστικός(急いでいる、性急な)や βίαιος(暴力的な、強制的な)などがある。
急ぐあまり丁寧さを欠いた雑な仕事にも使う。複数形 βιασύνες では、慎重さを欠いた性急な行動や場当たり的な振る舞いなどを指す。
ギリシャ語:θέση
読み方:セシ・セーシ・テシ・テーシ
ラテン文字:thesi
古代ギリシャ語 θέσις(属格 θέσεως、置くこと、設置、位置)の語末 -ις を中世以降の名詞語尾 -η に整えなおして、現代まで受け継がれた継承語(κληρονομιά)。基本義(場所、位置、姿勢、軍事的陣地)は古代以来の連続的継承だが、近代の多義(社会的地位、職務、見解・立場、論理・哲学の命題)は、フランス語 place / position からの意味借用(σημασιολογικό δάνειο)として加わった層と、書き言葉から再導入された学術借用(λόγιο διαχρονικό δάνειο)の層が混在している(Tri の詳細分析)。
源にある古代の θέσις は、動詞 τίθημι(置く、定める、立てる)から派生した抽象名詞で、もとは「置くこと、設置」「置かれた状態」を意味した。古典哲学では、論理・修辞・音楽の専門用語として用いられ、ヘーゲルの弁証法 thesis-antithesis-synthesis(θέση-αντίθεση-σύνθεση、正・反・合)の用語にも継承された。
源にある τίθημι は印欧祖語の「置く、立てる」を表す語根に由来し、英語 thesis(テーゼ、命題), theme(主題), hypothesis(仮説), antithesis(対立), synthesis(統合), parenthesis(括弧), prosthesis(補綴、義肢), metathesis(音位転換)など、近代の論理・哲学・科学・医学の中核語彙が広まる。
派生・関連語族として θέτω(置く、定める), θέμα(主題、テーマ、← 同じ τίθημι 由来), υπόθεση(仮説、事件、← ὑπό「下に」+ θέσις), σύνθεση(合成、統合), διάθεση(配置、気分、性質), ανάθεση(割り当て), αντίθεση(対立、反対), παρένθεση(括弧), μετάθεση(移動、転置), πρόσθεση(加算、付加), έκθεση(陳述、報告、展示)。
「物理的な場所」「座席」「姿勢」「順位」「役職」「定員」「状況」「見解」「役割」と、近代社会の「位置」をめぐる広い概念領域をひとつの語でカバーする多義語で、フランス語 place / position と意味の射程がよく対応する。類義語に μέρος(場所、部分), χώρος(空間、場所), στάση(姿勢、態度), πόστο(役職、持ち場)。指小形 θεσούλα は皮肉を込めて公務員の安定したポストを指すこともある。
ギリシャ語:εργάζομαι
読み方:エルガゾメ・エルガーゾメ
ラテン文字:ergazomai
古代ギリシャ語の ἐργάζομαι(働く、行う)に由来。古代の基本語 ἔργον(仕事、作品)に中動態の接尾辞 -άζομαι が付いた動詞。ἔργον は英語 work と同語源。ἐν-(中に)+ ἔργον の合成語 ἐνέργεια は、ενέργεια(エネルギー)と英語 energy の共通の源。
日常で「働く」を広く指す δουλεύω に対し、εργάζομαι はよりフォーマルで、公的・職業的な文脈で使われやすい。
派生語に εργασία(労働、仕事)、εργάτης(労働者)、έργο(仕事、作品)、εργοστάσιο(工場)、εργαλείο(道具)、εργοδότης(雇用主)など。合成動詞に επεξεργάζομαι(処理する、加工する)、συνεργάζομαι(協力する)、κατεργάζομαι(加工する)、περιεργάζομαι(詳しく調べる)など。
ギリシャ語:καρπός
読み方:カルポス・カルポース
ラテン文字:karpos
古代ギリシャ語の καρπός(実、収穫物、手首)を継承。「実」は印欧祖語の「摘む、刈り取る」を表す語根から続き、英語 harvest、ラテン carpō(摘む、carpe diem の carpe)も同じ系統。解剖学の英語 carpus(手根)は καρπός の「手首」の意味からきた語。「子」や「成果」の意味はフランス語 fruit にならった意味借用で加わった。
派生語 περικάρπιο は植物の果皮と、手首に巻くリストバンドの両方を指す。
解剖学では καρπός が手首を指し、日常では手首も含めて χέρι(手)と言うことが多い。
ギリシャ語:δουλειά
読み方:ドゥリア・ドゥリアー
ラテン文字:douleia
古代ギリシャ語の δουλειά を継承。もとは δοῦλος(奴隷)から作られた δουλεία(奴隷状態、隷属)で、母音連続を避ける音変化で δουλειά の形になり、意味も「仕事、労働」全般に移った。同じ綴りでストレス位置だけ異なる δουλεία(ドゥリーア)は「奴隷制度、隷属」を保ったまま別の語として残る。
派生語に動詞 δουλεύω(働く)、δουλευτής(働き者)、指小語 δουλίτσα(ちょっとした仕事)。類義語の εργασία(労働、業務)は ώρες εργασίας(労働時間)、σύμβαση εργασίας(雇用契約)など雇用・労働制度の定型語や複合語で使い、論文・レポート・作品といった「成果物としての仕事」も指す。δουλειά はふだんの「仕事」に使う。επάγγελμα(職業)は具体的な職種、κάματο は苦労を伴う重労働を指す。

男性名詞
道具
住居
地形 
社会
信仰・神話
七つの大罪 
連語
乗り物 
動詞
空間
教育
哲学・思考 
住所・行政区画
書類 




経済 
スポーツ
コンピュータ 
職業
学問
身体・健康
軍事
法
速度
感情
論理 
植物
家族