ギリシャ語:κρατέρωμα
読み方:クラテロマ・クラテーロマ
ラテン文字:krateroma
ヘレニズム期ギリシャ語の κρατέρωμα(銅と錫の合金)に由来。さらに深い語源は不明。カサレヴサ系の文語で使われる。
日常的な同義語は μπρούντζος(青銅、ブロンズ)。材料は χαλκός(銅)と κασσίτερος(錫)の合金で、銅と亜鉛の合金である真鍮(ορείχαλκος)としばしば混同される。
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ギリシャ語:κρατέρωμα
読み方:クラテロマ・クラテーロマ
ラテン文字:krateroma
ヘレニズム期ギリシャ語の κρατέρωμα(銅と錫の合金)に由来。さらに深い語源は不明。カサレヴサ系の文語で使われる。
日常的な同義語は μπρούντζος(青銅、ブロンズ)。材料は χαλκός(銅)と κασσίτερος(錫)の合金で、銅と亜鉛の合金である真鍮(ορείχαλκος)としばしば混同される。
ギリシャ語:μπρούντζος
読み方:ブルドゾス・ブルドーゾス・ブルンドゾス・ブルンドーゾス
ラテン文字:mprountzos
μπρούντζος は、近代ヨーロッパ語 bronze に連なる語から入った借用語である。現代ギリシャ語では、銅と錫を中心にした合金としての青銅、ブロンズを指す。
χαλκός(銅、青銅) が銅そのものや古い意味での青銅を広く含みうるのに対して、μπρούντζος は合金としてのブロンズをより具体的に指しやすい。κασσίτερος(錫) はその代表的な構成金属の一つである。
主な意味は「青銅」「ブロンズ」。金属材料にも、ブロンズ像やブロンズ色にも使う。
ギリシャ語:ορείχαλκος
読み方:オリハルコス・オリーハルコス
ラテン文字:oreichalkos
古代ギリシャ語の ὀρείχαλκος(黄銅、山の銅)に由来。もとはアッカド語 ēru/wēru(銅)と χαλκός(銅)からなる合成語で、両要素とも「銅」。ギリシャ語話者は後に第1要素を ὄρος(山)の与格 ὄρει- と結びつけ直し、「山の銅」の語として定着した。
プラトンの『クリティアス』では、ὀρείχαλκος がアトランティスの宝物として金銀に次ぐ貴重な金属と語られる。ラテン語に入った orichalcum はさらに aurum(金)と結びつけ直されて「金色の神秘の合金」として伝承に残り、スペイン語 oricalco, フランス語 orichalque, イタリア語 oricalco もここから。
χαλκός が銅や青銅(銅・錫)を広く言うのに対し、ορείχαλκος は銅・亜鉛の真鍮に限定して使う。別合金のブロンズは μπρούντζος。派生語 ορειχάλκινος(真鍮製の), ορειχαλκουργός(真鍮職人), ορειχαλκώνω(真鍮メッキをする)。
ギリシャ語:αλουμίνιο
読み方:アルミニオ・アルミニーオ
ラテン文字:alouminio
αλουμίνιο は、近代ヨーロッパ語 aluminium / aluminum に連なる語から入った借用語である。現代ギリシャ語では、軽くて加工しやすい金属としてのアルミニウムを指す。
μέταλλο(金属) の中でも、軽さ、耐食性、日用品への使いやすさで語られやすい。窓枠、鍋、缶、箔などの材料名でよく出てくる。
主な意味は「アルミニウム」「アルミ」。工業材料としても、日用品の材質名としても使う。
ギリシャ語:ατσάλι
読み方:アトゥサリ・アトゥサーリ
ラテン文字:atsali
ατσάλι はトルコ語 çelik(鋼)に由来する借用語である。現代ギリシャ語では、硬くて強度の高い金属材料としての鋼、スチールを言う基本語として定着している。
μέταλλο(金属) の中でも、構造材や刃物、工具などに使う鋼を指す語である。σίδερο(鉄、アイロン) が鉄を広く言うのに対して、ατσάλι はより加工された鋼材の感じが強い。
主な意味は「鋼」「スチール」。硬さ、耐久性、刃や構造材への適性と結びつきやすい。
ギリシャ語:χαλκός
読み方:ハルコス・ハルコース
ラテン文字:chalkos
古代ギリシャ語の χαλκός(銅、青銅)に由来。さらなる起源は確かでなく、印欧諸語の語彙よりもむしろギリシャ語以前の基層語に属するとされる。古代では銅製の釜や壺、銅貨の意味にも使われた。
χαλκός は銅(copper)を指すのが基本で、歴史的・考古学的な文脈では銅と錫の合金、青銅(bronze)の意味も残る。銅と亜鉛の合金である真鍮(brass)は ορείχαλκος(古代 ὀρείχαλκος「山の銅」、ὄρος「山」と χαλκός の合成)、銅と錫の合金、青銅そのものを指す語には文語的な κρατέρωμα(ヘレニズム期ギリシャ語からの学術借用)と日常的な μπρούντζος(イタリア語由来の借用語)がある。
派生語に χάλκινος(銅の)、χάλκωμα(銅製品)、χαλκιάς(銅細工師)、χαλκουργός(銅工)、χαλκείο(銅工房)、χαλκεύω(銅を鍛える)など。
英語 Chalcolithic(銅石器時代)、chalcopyrite(黄銅鉱)、chalcography(銅版画)、orichalcum(古代の伝説的合金;のち真鍮)も同じ古代ギリシャ語 χαλκός をもとにした語。
ギリシャ語:σίδερο
読み方:シデロ・シーデロ
ラテン文字:sidero
σίδερο は古代ギリシャ語 σίδηρος(鉄)に由来し、中世ギリシャ語 σίδερον(鉄)を経て現代ギリシャ語に至った語である。現代ギリシャ語では、中性形 σίδερο が日常的な形として定着している。
μέταλλο(金属) の一種としての鉄を言う基本語であり、ρούχο(布製品、服、衣類) の文脈では、しわを伸ばす道具としてのアイロンの意味にも広がる。
主な意味は「鉄」。そこから、熱して衣類のしわを伸ばすアイロンを言うのにも使う。
ギリシャ語:μόλυβδος
読み方:モリヴドス・モーリヴドス
ラテン文字:molyvdos
古代ギリシャ語の μόλυβδος(鉛)に由来。ミケーネ期の粘土板にも mo-ri-wo-do の形で残る古い語で、ギリシャ語以前のアナトリア方面の言語から入った。リディア語の mariwda(暗い)と同じ系統で、鉛の暗い色につながる。
化学記号 Pb はラテン語 plumbum(鉛)から。現代ギリシャ語で科学用語として定着した背景にはフランス語 plomb(鉛)の影響がある。
日常会話では μολύβι(鉛筆、口語で鉛)を使い、μόλυβδος は鉱物学・化学・工業の文脈で出る語。μέταλλο(金属)の一つ。
派生語に μολυβένιος(鉛製の), αμόλυβδος(無鉛の), μολυβδίαση(鉛中毒)。合成語に μολυβδοσωλήνας(鉛管), χαλκομόλυβδος(銅鉛鉱)。
ギリシャ語:μολύβι
読み方:モリヴィ・モリーヴィ
ラテン文字:molyvi
μολύβι は古代ギリシャ語の μόλυβδος(鉛)につながり、中世ギリシャ語の μολύβιν(鉛)と μολύβι(鉛)を経た語。もともとは鉛そのもの、あるいは鉛を使ったものを指し、そこから芯を持つ細長い筆記具にも意味が広がった。近代にはフランス語 crayon(鉛筆、クレヨン)の意味的な影響も重なり、現代ギリシャ語の μολύβι では「鉛筆」がもっとも基本の意味になっている。
日常語で「鉛筆」と言うときは μολύβι が基本で、化学や金属の文脈で「鉛」をはっきり言うときは μόλυβδος のほうが改まった言い方になる。ペンシル型の化粧品も同じ語で呼ばれ、μάτι(目)、χείλος(唇)、φρύδι(眉)の輪郭を取る道具を表す。
指小語の μολυβάκι(小さな鉛筆、小ぶりのペンシル)は、小さな鉛筆や短い鉛筆、また化粧用のペンシルをやわらかく言う形としてよく使われる。
主な意味は「鉛筆」。そこから、アイライナーやリップライナーのようなペンシル型コスメ、口語の「鉛」や「弾丸」、さらに鉛のように重く沈む感覚へと意味が広がっている。χαρτί(紙)と並ぶと、計算やメモを始める具体的な道具立てを表しやすい。比喩では βαρύς(重い)の形容詞的な感覚と重なりやすい。
ギリシャ語:ήλεκτρο
読み方:イレクトゥロ・イーレクトゥロ
ラテン文字:ilektro
古代ギリシャ語 ἤλεκτρον(輝くもの, 琥珀)に由来。古代では琥珀のほか金と銀の天然合金(エレクトラム)も指した。擦ると静電気を帯びる琥珀の性質にちなみ, 近代に英語 electricity(電気), electron(電子)が作られ, 現代ギリシャ語ではそこから逆輸入する形で電気関係の語彙が広がった。
派生に ηλεκτρίζω(帯電させる, しびれさせる), ηλεκτρικός(電気の), ηλεκτρισμός(電気)。合成語は ηλεκτρο- の形で作られ, ηλεκτρόνιο(電子), ηλεκτρονικός(電子の), ηλεκτρόλυση(電気分解), ηλεκτρομαγνητικός(電磁気の)など電気・電子に関わる語群を形成する。
琥珀を指すときはトルコ語由来の κεχριμπάρι を使うことが多い。
ギリシャ語:ασημένιος
読み方:アシメニョス・アシメーニョス
ラテン文字:asimenios
ギリシャ語:ασήμι
読み方:アシミ・アシーミ
ラテン文字:asimi
ギリシャ語:χρυσάφι
読み方:フリサフィ・フリサーフィ
ラテン文字:chrysafi
古代ギリシャ語で「金」を意味する χρυσός から、ヘレニズム期に指小語 χρυσάφιον が生まれ、中世ギリシャ語で χρυσάφι(ν) を経て現代の形に至った。もとは χρυσός の縮小形だったが、指小の意味は失われ、日常的に「金」を指す語として定着した。χρυσός が学術的・公的な場面でも用いられるのに対し、χρυσάφι は口語的な響きを持つ。
英語の chrysalis(さなぎ)や chrysanthemum(菊)も同じ χρυσός を語源に持つ。
χρυσάφι からは色彩を表す形容詞 χρυσαφής(金色の)が派生した。その中性形 χρυσαφί(黄金色)は色の名詞としても使われ、χρυσάφι(金)と綴りは同じだがストレスの位置が異なる。
主な意味は金属としての金や金製品。そこから富や財産の象徴、比喩的に非常に価値のあるもの、親愛の情を込めた呼びかけにも使われる。
ギリシャ語:χρυσός
読み方:フリソス・フリソース
ラテン文字:chrysos
フェニキア語 ḥrṣ, ヘブライ語 חָרוּץ(ḥārūṣ), アッカド語 ḫurāṣum など, 古代西アジアのセム語系で「金」を表す語から借用した古代ギリシャ語 χρυσός(金, 金の)を継承。
形容詞の χρυσός は中世に古代形 χρυσοῦς(音約形)を一般的な -ός 型に整え直した形で続いている。日常的に「金」を指す名詞は χρυσάφι(ヘレニズム期の指小語 χρυσάφιον から)。色を表す語は χρυσάφι から派生した χρυσαφής(金色の)や中性名詞 χρυσαφί(黄金色)で、素材を表す χρυσός とは区別される。
派生・複合語に χρυσώνω(金メッキする)、χρυσοχόος(金細工師)、χρυσοχοείο(金細工店、宝飾店)、χρυσόφυλλο(金箔)、χρυσοθήρας(金探し)、χρυσάνθεμο(菊)、χρυσαλλίδα(さなぎ)、χρυσόψαρο(金魚)、χρυσαφικά(貴金属、宝飾品)など。
英語 chrysalis(さなぎ)は古代ギリシャ語 χρυσαλλίς(金色のもの)をもとにした語で、さなぎの殻が金色に輝くことから名づけられた。chrysanthemum(菊)は χρυσός と ἄνθεμον(花)の合成で「金の花」の意。クリソライト(貴橄欖石)、クリソプレーズ、金緑石などの宝石名(英語 chrysolite / chrysoprase / chrysoberyl)も同じ χρυσός をもとにした学術語。4世紀の「金口ヨハネ」を指す Chrysostom は χρυσός と στόμα(口)の合成で「金の口」つまり雄弁を表す名。
ギリシャ語:μέταλλο
読み方:メタロ・メータロ
ラテン文字:metallo
古代ギリシャ語 μέταλλον(鉱山, 採掘場)から。そこから採掘される鉱物や金属に意味が移り, 語尾 -ον が脱落して現代ギリシャ語の μέταλλο の形になった。英語 metal はラテン語 metallum を経て同じ μέταλλον にさかのぼる。
派生に μεταλλικός(金属の, 金属質の), μετάλλινος(金属製の), μεταλλώνω(金属化する), μετάλλιο(メダル), μετάλλευμα(鉱石, 鉱物), μεταλλείο(鉱山), μεταλλουργία(冶金学), αμέταλλο(非金属)。合成語に μεταλλοβιομηχανία(金属工業), μεταλλογνωσία(金属学), μεταλλόφωνο(鉄琴), μεταλλωρυχείο(鉱山)。