
節と文
節と文について
節と文
- 節(clause)は主語と動詞句を含む最小の統語単位
- 文(sentence)は、単一の独立節か、複数の節から成る構造を指す
- 複数の節から成る場合、一つが主節、他は従属節(埋め込み節)となる
独立文
- 独立して文になる節を対象に、陳述・疑問・命令・願い/提案・感嘆・否定といった文の基本的な機能を扱う
- 機能に応じて、動詞の法(直説法・接続法・命令法)や小辞の選択にも違いが現れる
語順
- ギリシャ語は語順が柔軟で、格標示によって名詞句の役割が示される
- 語順の違いは、情報構造(トピックとフォーカス)と密接に関わる
従属節
- 従属節の種類(関係節・補文節・条件節・副詞節など)とそのつくりかた、従属節を含む文の構成を扱う
- 従属節は直説法または接続法の定動詞で表される(不定詞は存在しない)
等位接続・比較・照応
- 節どうしや構成要素どうしの接続(και, αλλά, ή など)
- 比較構文における2つの項の構成(από, παρά, σαν, ως など)
- 代名詞の参照先を決める照応の規則
一致のルール
- 名詞句内、述語と主語・目的語間、主語と動詞間で性・数・格が一致する規則
節と文
ここまでの章では、語の形(形態論)や句の構造(統語論)を扱ってきました。この章では、句より大きな単位である節と文を扱います。
節(clause)とは、主語と動詞句を(明示的または暗示的に)含む最小の統語単位です。文(sentence)は、単一の独立節か、複数の節から成る構造を指します。複数の節から成る場合、一つの節が主節となり、他の節は主節または別の従属節に構造的に依存します。これらは従属節(埋め込み節)と呼ばれます。
- 独立文:独立した文を対象に、文の基本的な機能(陳述・疑問・命令・感嘆・否定など)を扱う
- 語順:節の中で主要構成要素がどう並ぶか
- 従属節:従属節の種類とつくりかた、従属節を含む文の構成
- 等位接続・比較・照応:節や構成要素を結ぶ統語的手段
- 一致のルール:性・数・格の一致に関する規則
独立文
まず独立して文になる節を対象に、文の基本的な機能を取り上げます。事実を述べる陳述、問いかける疑問、命令、願いや提案、感嘆、そして否定です。これらの機能に応じて、動詞の法(直説法・接続法・命令法)や小辞の選択にも違いが現れます。法の体系そのものについては動詞句の章で扱っています。
法
直説法・接続法・命令法について

直説法と接続法(非直接法)の文
直説法と接続法(非直接法)の文について

肯定の命令文
肯定の命令文について

直接疑問文
直接疑問文について

否定文
否定文について

感嘆文
感嘆文について

語順
ギリシャ語では、節の主要構成要素(主語・動詞・目的語)の配置が非常に柔軟です。名詞句が格(主格・対格・属格)を持つため、語順によって文法的役割を示す必要がないからです。語順の違いは、情報構造、すなわち、どの要素が既知のトピックでどの要素が新しいフォーカスかと密接に関わります。
文中の主要構成要素の語順
文中の主要構成要素の語順について

主題化・転位構文・焦点化
主題化・転位構文・焦点化について

従属節
文全体の中心となる節(主節)に対し、主節の中に組み込まれて特定の役割を果たす節を従属節(埋め込み節)と呼びます。従属節は機能に応じて、関係節、間接疑問文・間接命令文、補文節、条件節、副詞節などに分類されます。
関係節
関係節について

間接疑問文と間接命令文
間接疑問文と間接命令文について

補文節
補文節について

条件節
条件節について

その他の副詞節
その他の副詞節について

等位接続・比較・照応
等位接続
節どうしや構成要素どうしを対等な関係で結ぶ手段です。連結(και)、逆接(αλλά, όμως)、選択(ή)などの接続詞が用いられます。
等位接続
等位接続について

比較
2つの項を比較する構文を扱います。比較級・最上級の語形の作り方については形容詞や副詞の章で扱っていますが、ここではその比較形が実際の文の中でどう使われるか、つまり2つの項をどう構成し、何で結ぶか(από, παρά, σαν, ως, όπως, τόσο…όσο など)を扱います。
比較表現
比較表現について

形容詞の比較形
形容詞の比較形について

副詞の比較級と最上級
副詞の比較級と最上級について

照応
代名詞や省略された主語・目的語が、何を指しているかを決める規則を扱います。ギリシャ語はゼロ主語言語(主語代名詞を省略できる)であるため、照応の規則は文の解釈にとって重要です。
照応
照応について

一致のルール
名詞句の内部、述語と主語・目的語の間、主語と動詞の間で、性・数・格がどのように一致するかを規定する規則です。
一致のルール
一致のルールについて
