ギリシャ語:γενναίος
読み方:イェネオス・イェネーオス・ゲネオス・ゲネーオス
ラテン文字:gennaios
ゆ から始まる単語 15 語。
ゆ から始まる単語 15 語。
ギリシャ語:γενναίος
読み方:イェネオス・イェネーオス・ゲネオス・ゲネーオス
ラテン文字:gennaios
ギリシャ語:φίλος
読み方:フィロス・フィーロス
ラテン文字:filos
古代ギリシャ語の φίλος を継承。古代では形容詞「親愛な、愛しい」と名詞「友、味方」の両義を持ち、ホメロス詩ではしばしば「自分の、身近な」という所有・帰属のニュアンスでも用いられた(ἐμὰ φίλα τέκνα「わが子ら」)。印欧語の語源については諸説あり確定しないが、古アイルランド語 bil(善良な、穏やかな)や西ゲルマン系の「穏やかな、親切な」を意味する語と同根とみる説がある。Beekes は「愛しい」ではなく「自分に属する、伴う」がもとの意味だった可能性を指摘しており、ホメロスでの用法ともよく合う。
語頭の φιλο- と語尾の -φιλος は古代から現代まで続くきわめて生産的な合成要素で、「何かを愛する・好む・親しむ人」を表す合成語を数多く生み出してきた。人名の Θεόφιλος(テオフィロス「神の友」)、Φίλιππος(フィリポス「馬を愛する者」)をはじめ、φιλοσοφία(哲学「知を愛すること」)、φιλάνθρωπος(博愛の、人類愛の)、φιλελεύθερος(自由を愛する、自由主義的な)、βιβλιόφιλος(愛書家)など枚挙にいとまがない。この合成要素は西欧諸語にも取り入れられ、英語の philo-/-phile(philosophy、philanthropy、bibliophile など)はすべてこの φίλος に由来する。
親しみをこめた呼び方には φιλαράκι(親友、仲間)、φιλάρας(相棒)、くだけた会話では φίλε や φίλε μου(やあ君、友よ)があり、親しい関係そのものは名詞 φιλία(友情、友愛)、関係の土台になる好感は συμπάθεια(好意、親しみ)で言う。反対の位置を占めるのは εχθρός(敵)、αντίπαλος(対抗者、ライバル)、国家間の関係では εχθρικός(敵対的な)。
ギリシャ語:ταχυδρομείο
読み方:タヒドゥロミオ・タヒドゥロミーオ
ラテン文字:tachydromeio
カサレヴサ(公用語的文語)の ταχυδρομεῖον(郵便局)に由来。形のうえでは ταχυδρόμος(郵便配達員、もとは「速く走る人」)に、場所や施設を表す接尾辞 -είο が付いた語と見られる。
ταχυδρόμος は ταχυ-(速い)と δρόμος(道、走ること)からなる。ταχυ- は古代ギリシャ語 ταχύς(速い)に由来し、ταχύτητα(速度、速さ)と同じ語族に属する。
英語 tachycardia(頻脈)などの tachy- や、hippodrome、aerodrome などの -drome も、それぞれ ταχύς と δρόμος に関わるギリシャ語由来の要素である。
関連語には ταχυδρόμος(郵便配達員)、ταχυδρομικός(郵便の)、ταχυδρομικός κώδικας(郵便番号)などがある。
ギリシャ語:ταχυδρομικός
読み方:タヒドゥロミコス・タヒドゥロミコース
ラテン文字:tachydromikos
ταχυδρομείο(郵便局、郵便)に、形容詞を作る接尾辞 -ικός が付いた語。ταχυδρομείο はカサレヴサの ταχυδρομεῖον に由来し、さらに ταχυδρόμος(郵便配達員)へさかのぼる。
連語には ταχυδρομικός κώδικας(郵便番号)、ταχυδρομικά τέλη(郵便料金)、ταχυδρομική κάρτα(郵便はがき)などがある。
名詞としては ο ταχυδρομικός が「郵便職員」、複数中性の τα ταχυδρομικά が「郵便料金」を指す。副詞には ταχυδρομικά / ταχυδρομικώς(郵便で)がある。
関連語には ταχυδρόμος(郵便配達員)、ταχυδρομείο(郵便局、郵便)、ταχυδρομικός κώδικας(郵便番号)などがある。
ギリシャ語:χιόνι
読み方:ヒョニ・ヒョーニ
ラテン文字:chioni
古代ギリシャ語 χιών(女性名詞、雪)の指小形 χιόνιον(小さな雪、雪片)が、中世ギリシャ語 χιόνι を経て現代まで受け継がれた継承語(κληρονομιά)。指小辞が原形と入れ替わって新しい主格となるのは、ギリシャ語の名詞語形成によく見られるパターン。
源にある古代の χιών は、印欧祖語の「雪、寒冷」を表す語根に由来し、ラテン語 hiems(冬), ヒッタイト語 gimi-(冬), サンスクリット hima-(雪、寒冷、ヒマラヤ「雪の住処」の hima- と同根), アルメニア語 jiwn(雪)など、印欧語族の「雪・冬」語彙の中核を成す。同じ χιών から派生した英語 chionophile(雪好き、寒冷好き), ラテン語 chioneus(雪のような)など、近代の地理学・生態学の専門用語が広まる。
派生・関連語族として χιονιάς(吹雪、雪嵐), χιονιά(雪玉、ひと雪), χιονάκι(小雪、小さな雪片、指小形), χιονοθύελλα(吹雪), χιονόπτωση(降雪), χιονοδρομικό κέντρο(スキー場), χιονονιφάδα(雪片), χιονισμένος(雪の積もった), χιονώδης(雪のような), χιονοστιβάδα(雪崩), Χιονάτη(白雪姫、Snow White の翻訳借用)。類義語的に χειμώνας(冬、季節としての冬)と対の関係。
比喩的に「白さ・冷たさ」「テレビの砂嵐(受信不良時の白いノイズ)」を指す用法も日常で広く使われ、Τα χέρια μου είναι χιόνι(手が氷のように冷たい), Η τηλεόραση κάνει χιόνι(テレビに砂嵐が出る), Θα 'ρθουν χιόνια στα μαλλιά σου(髪に雪が降る = 白髪になる)など、定型表現が豊富。
ギリシャ語:δαχτυλίδι
読み方:ダフティリディ・ダフティリーディ
ラテン文字:dachtylidi
古代ギリシャ語 δάκτυλος(指)の派生語 δακτύλιος(指輪)の指小形 δακτυλίδιον(小さな指輪)が、中世ギリシャ語期に異化(ανομοίωση)で [kt > xt] の音変化を起こして δαχτυλίδι(ον) になり、現代まで受け継がれた継承語(κληρονομιά)。指小辞が原形と入れ替わって新しい主格となり、もとの「小さな指輪」のニュアンスは消えて、ふつうの「指輪」を指す中心語として定着した。
源にある古代の δάκτυλος(指、つま先、足の指)は、ギリシャ語成立以前の地中海地域の言語層から入ったと見られる先ギリシャ語基層の借用語と Beekes は見ている。同じ δάκτυλος から派生した英語 dactyl(詩律のダクテュル、強弱弱の音節パターン), dactylography(指紋学), pterodactyl(プテロダクティルス、翼竜、← πτερόν「翼」+ δάκτυλος), ラテン語 dactylus(ナツメヤシの実、← 指の形に似ることから)など、近代の韻律学・古生物学・植物学の専門用語の語幹となっている。
派生・関連語族として δάχτυλο(指、現代), δακτύλιος(環状物、書きことば、土星の輪 δακτύλιοι του Κρόνου など), δαχτυλιδάκι(小さな指輪、可愛らしい指輪、指小形), δαχτυλιδένιος(指輪のような、細く整った)。比喩用法として「指輪のような輪状の物」(ピストンリング δαχτυλίδια του εμβόλου, シガーバンド δαχτυλίδι του πούρου, 煙の輪 δαχτυλίδια καπνού, 巻き髪 μαλλιά δαχτυλίδια)に意味を広げる。
成句として άλλαξαν δαχτυλίδια(指輪を交換した = 婚約した), Έχει μέση σαν δαχτυλίδι(指輪のような腰 = 細くくびれた腰)など、婚約・身体描写の定型表現に深く根ざしている。指にはめる装身具としての指輪は κόσμημα の中心的な品目の一つ。
ギリシャ語:τόξο
読み方:トクソ・トークソ
ラテン文字:toxo
古代ギリシャ語の τόξον(弓、弧)を継承。中世以降に末尾の -ν が落ちて今の形になった。
電弧(ηλεκτρικό τόξο)、地質学・地政学の「弧」、弦楽器の弓といった近現代の用法は、フランス語 arc やイタリア語 arco からの意味借用で定着した。
連語に ουράνιο τόξο(虹)、ηλεκτρικό τόξο(電弧)、αορτικό τόξο(大動脈弓)、νησιωτικό τόξο(島弧)、ελληνικό τόξο(ヘレニック弧、地質)など。派生に τοξότης(射手、射手座)。
ギリシャ語:όνειρο
読み方:オニロ・オーニロ
ラテン文字:oneiro
ギリシャ語:κρίνο
読み方:クリノ・クリーノ
ラテン文字:krino
語源は不詳の借用語とみられる古代ギリシャ語 κρίνον(ユリ)を継承。古代ギリシャ語にはすでに中性形 κρίνον と男性形 κρίνος の両形があり, 中性形では語尾 -ον が脱落して現代ギリシャ語の κρίνο となり, 男性形 κρίνος と並んで使われている。
派生に κρινάκι(小さなユリ, 指小形), κρινένιος(ユリのような, ユリ色の), κρινώδης(ユリ状の)。合成語に αγριόκρινο(野生のユリ), νερόκρινο(水生のユリ), κρινολούλουδο(ユリの花), ροδόκρινο(バラ色のユリ), κρινάνθι(ユリの花), κρινόριζα(ユリの球根), κρινόλαδο(ユリの油)。
ギリシャ語:λείριον
読み方:リリオン・リーリオン
ラテン文字:lirion
古代ギリシャ語の λείριον(ユリ、とくに白ユリ)に由来。東地中海の古い植物名からの借用語と見られ、ラテン語 lilium を経て英語 lily の語源にもなった。
古代では κρίνον がユリ全般を指し、λείριον はマドンナリリー(Lilium candidum)を指すことが多かった。現代ギリシャ語では κρίνος / κρίνο がふつうで、λείριον はユリ属の学名 Lilium に対応する形や、植物名・文章語で見かける。
λείριον から派生した λειρί は、花の形をオンドリの頭のとさかに見立てた語。トサカケイトウは λειρί του κόκορα(オンドリのとさか)と呼び、学名 Celosia の転記 σελόσια も使われる。