ギリシャ語表記索引: ξ
ξ から始まる単語 17 語。
ξ から始まる単語 17 語。
ギリシャ語:ξανθός
読み方:クサンソス・クサンソース・クサントス・クサントース
ラテン文字:xanthos
古代ギリシャ語の ξανθός(金色の、ブロンドの)に由来。χρυσαφένιος(黄金色の)が金の輝きや光沢を含むのに対し、ξανθός は色調としての金色やブロンドを表す。
ギリシャ語:ξενοδοχείο
読み方:クセノドヒオ・クセノドヒーオ
ラテン文字:xenodocheio
ギリシャ語:ξένος
読み方:クセノス・クセーノス
ラテン文字:xenos
古代ギリシャ語の ξένος(よその人、客人、外国の)を継承。現代の「外国の」「外国人」の使い方は、フランス語 étranger、英語 foreigner からの意味借用で広がった。
派生語に ξενίζω(もてなす、変だと感じる)、ξενικός(外来の)、ξενιτιά(異郷、異国暮らし)。合成語に ξενοδοχείο(ホテル、直訳「客を受け入れる所」)、ξενοδόχος(ホテル経営者)、ξεναγός(旅行ガイド)、φιλοξενία(ホスピタリティ)、φιλόξενος(もてなし好きの)、ξενοφοβία(外国人嫌悪)。
旅人をもてなす ξενία は聖なる義務とされ、Ζεὺς Ξένιος(客人の守護神ゼウス)がその守護者だった。英語 xenophobia(外国人嫌悪)、xenogenesis(異種生殖)、化学元素の xenon(キセノン、「よそ者」の意でギリシャ語から造られた名)は同じ語源につながる。
ギリシャ語:ξενυχτώ
読み方:クセニフト・クセニフトー
ラテン文字:xenychto
接頭辞 ξε-(外へ、すっかり)と νύχτα(夜)から、中世ギリシャ語の ξενυχτώ(夜更かしする)ができ、現代ギリシャ語に受け継がれた。
ξε- は古代ギリシャ語の前置詞 εκ(〜から、外へ)に連なる接頭辞。ξενυχτώ では、夜を越えて眠らずに過ごす感覚につながる。
中心は、夜の間眠らずに起きていること。自分が徹夜する場合だけでなく、人のそばに夜通し付き添うことや、赤ん坊の泣き声などが人を寝かせないことにも使う。そこから、朝方まで遊ぶ、夜遊びする意味にもなる。
名詞の ξενύχτι(夜更かし、徹夜)は、この動詞から作られた語。ύπνος(睡眠)を削り、夜を越して起きているという発想を共有する。
近い語に ξαγρυπνώ(眠らずに夜を過ごす)がある。ξενυχτώ は夜更かしや夜遊びにも使う日常的な語で、ξαγρυπνώ は眠れずに起きていることや見守ることに多い。
ギリシャ語:ξηρασία
読み方:クシラシア・クシラシーア
ラテン文字:xirasia
古代ギリシャ語の ξηρασία(乾き、乾燥状態)を継承。形容詞 ξηρός(乾いた)から動詞 ξηραίνω(乾かす、乾く)を経て作られた名詞。ヘレニズム期は「乾燥状態」一般を指したが、今は特に長期間の無降雨、つまり干ばつを言うことが多い。
派生語に ξηρότητα(乾燥度、素っ気なさ)など。近い語に ανυδρία, αβροχιά, ανομβρία(どれも「雨・水の不足」)。反対は υγρασία(湿気、湿度)。ギリシャ語の ξηρός は英語の xero- にも入って、xerography(乾式複写、「Xerox」の語源), xerophyte(乾生植物)などを作る。
ギリシャ語:ξηρός
読み方:クシロス・クシロース
ラテン文字:xiros
古代ギリシャ語の ξηρός(乾いた)に由来。中世以降の音変化を経た ξερός が一般の形として使われ、ξηρός は古い綴りのまま並んで残った。辛口ワインの ξηρός οίνος、ドライアイスの ξηρός πάγος、乾電池の ξηρό στοιχείο など現代ギリシャ語の定型表現の多くは、フランス語 sec / sèche の対応形に倣って加わった。
派生語に ξηρασία(乾燥、干ばつ)、ξηραίνω(乾燥させる)、ξηρότητα(乾燥度)。合成語に ξηροθερμικός(高温乾燥の)、ξηρόμυαλος(ドライな頭脳の、理屈っぽい)。対義語は υγρός(湿った、液体の)。
英語 xerophyte(乾生植物)、xerostomia(口腔乾燥症)、xerography(乾式電子写真、複写機 Xerox の由来)は古代ギリシャ語 ξηρός をもとにした学術造語で、同じ語源につながる。
ギリシャ語:ξινό
読み方:クシノ・クシノー
ラテン文字:xino
形容詞 ξινός(酸っぱい、すえた、気難しい)の中性単数形が、名詞として用いられるようになった語。
味覚の関連語には γλυκό(甘味)、πικρό(苦味)、αλμυρό(塩味)などがある。
料理や製菓では、口語で κιτρικό οξύ(クエン酸)を指すことがある。正式な名称は κιτρικό οξύ。
ギリシャ語:ξινός
読み方:クシノス・クシノース
ラテン文字:xinos
中世ギリシャ語 ξινός(酸っぱい)が現代まで受け継がれた継承語(κληρονομιά)。中世形は、ヘレニズム期 *οξινός(古代 ὄξινος「酸っぱい、酢のような」, ← ὄξος「酢」+ -ινος 形容詞接尾辞)の語頭の無強勢母音 [o] が脱落(αποβολή)し、再分節(ανασυλλαβισμός [o-oksi > oksi > o-ksi])を経て ξινός の形に整えられた。語頭脱落は、定冠詞との続き発音 το οξινό > τοξινό > το ξινό のような連音の中で起こった現代ギリシャ語に共通する音韻変化のパターン。
源にある古代の ὄξος(酢、酸っぱい液体、酸味)は、印欧祖語の「鋭い、刺すような」を表す語根に由来し、ラテン語 acer(鋭い、激しい、← 英 acrid「辛辣な」, acrimony「辛辣さ」), ラテン acidus(酸っぱい、← 英 acid), サンスクリット akrá-(鋭い), 英語 edge(縁、刃)と関連する古層語。古代ギリシャ語の ὄξος は新約聖書のマタイ伝 27:48 でイエスが十字架で与えられた「すっぱいぶどう酒」の名前にもなり、地中海の食文化と宗教文化の中で深い意味を担った語。
書きことばの古典形 ξίδι(酢、← 古代 ὄξος の継承形)は現代ギリシャ語にも継承され、調理用語として広く使われる。同じ ὄξος から派生した語族には ξίδι(酢), ξιδάτος(酢漬けの), ξύδι(古い綴り), οξέως(鋭く、書きことば), οξύ(酸、化学用語), κιτρικό οξύ(クエン酸), οξυγόνο(酸素、← オキシ-、英 oxygen の語源), οξειδώνω(酸化する), οξύς(鋭い、急性の、書きことば)が並ぶ、化学・食品・医学の語彙の根幹を成す系譜。
味を表す基本語の体系では、γλυκός(甘い), πικρός(苦い), αλμυρός(塩辛い、しょっぱい)と並ぶ五つの基本味(最近の科学では旨味 ουμάμι を加えて六つ)の一つを担う。それぞれの中性形 το γλυκό, το πικρό, το ξινό, το αλμυρό は、味そのものを名詞として指す対の形をなしている。
派生・関連語族として ξινούτσικος(やや酸っぱい、口語の指小形容詞), υπόξινος(やや酸っぱい、書きことば), ξινίζω(酸っぱくなる、すえる、動詞), ξινισμένος(酸っぱくなった、過去分詞), ξινιστήρι(酸味料、ピクルス用容器、口語), ξινό(酸味、クエン酸、中性形が名詞化), ξινομυζήθρα(酸味のあるミジスラチーズ), ξινόμηλο(酸っぱいリンゴ), ξινόγαλο(バターミルク、酸乳), γλυκόξινος(甘酸っぱい、複合語), ξινολάχανο(ザワークラウト), ξινάδα(酸っぱさ、口語)。複数形 τα ξινά(柑橘類)は、レモンやオレンジのような酸味の強い果実の総称として広く使われる。
比喩用法では、人の表情・態度・人柄が「気難しい・不機嫌・とげのある」感じを表す広い領域があり、ξινή έκφραση(しかめた表情), ξινό ύφος(とげのある態度), ξινά μούτρα(むくれた顔)が頻出する。慣用句では μου βγαίνει κάτι ξινό(楽しかったはずのことが嫌な結末になる、つけが回る、文字どおり「何かが酸っぱく出る」), περσινά ξινά σταφύλια(去年の酸っぱいブドウ、もはや重要でない過去のこと)が、酸味の比喩を介して感情・運命・記憶を語る慣用表現の中核を成す。
ギリシャ語:ξιφίας
読み方:クシフィアス・クシフィーアス
ラテン文字:xifias
古代ギリシャ語の ξιφίας(メカジキ)を継承。ξίφος(剣)に「〜のような, 〜を持つ」を表す接尾辞 -ίας を付けた形で, もとは「剣を持つもの」「剣のようなもの」。長く突き出た吻を剣に見立てた魚名。中世ギリシャ語では ξιφιός の形も使われ, 現代でも並行して残る。
同じ ξίφος の語族に ξιφήρης(抜き身の剣を持った), ξιφομαχία(剣闘), ξιφολόγχη(銃剣), ξιφίδιο(短剣)。
ふつう「魚」を言うのは ψάρι(魚)で, ξιφίας はその中の種名。学術・文語的には ιχθύς(魚)も並ぶ。学名 Xiphias gladius は古代ギリシャ語 ξιφίας にラテン語 gladius(剣)を足したもので, ギリシャ・ラテン両系統から「剣の魚」を二重に言っている。英語 xiphoid(剣状の), xiphoid process(剣状突起, 胸骨下端の骨)も同じ ξίφος の系統を引く。
ギリシャ語:ξόρκι
読み方:クソルキ・クソールキ
ラテン文字:xorki
中世ギリシャ語の動詞 ξορκίζω(呪文を唱える、悪霊を追い払う)から逆形成(αναδρομικός σχηματισμός)でつくられた中性名詞で、ξορκ- 語幹に -ι の中性語尾がついた形。動詞 ξορκίζω 自体は古代ギリシャ語 ἐξορκίζω(誓わせる、追い払う)の語頭母音 ἐ- が脱落して中世期に成立した形で、ヘレニズム期からの連続的な継承の鎖の中にある継承語(κληρονομιά)。
源にある古代の ἐξορκίζω は、前置詞 ἐκ-(〜から外へ)と動詞 ὁρκίζω(誓わせる、← ὅρκος「誓い」)の合成で、文字どおり「外へ向かって誓わせる」「呪術的な力で悪霊を追い出す」を意味した。古代ギリシャ語ではもっぱら「誓いを立てさせる、強く要求する」の宗教・法的用法が中心だったが、ヘレニズム期のキリスト教文献で「悪霊を追い払う儀式」の語として固まり、現代の「呪文を唱える、まじないをかける」の意味に発展した。
ギリシャ語内部で並んで使われる学術借用形 εξορκισμός(悪霊祓いの儀式、エクソシズム)は、近代以降にヘレニズム期の ἐξορκισμός をそのまま再導入した形で、ξόρκι が日常の「呪文」全般を指すのに対し、εξορκισμός は宗教的・公式な悪霊祓いに限定される対の関係。
派生に εξορκισμός(悪霊祓い), ξορκίζω(呪文を唱える、追い払う), ξορκιστής(呪術師、まじない師), ξορκισμένος(呪われた、呪文をかけられた)。類義語に επωδή(呪文、呪歌。文章寄りの古典的な語), γητειά(民間呪術、まじないの実践), μάγια(魔術、まじない)。ξόρκι は具体的に「唱える文句としての呪文」を指す中心語で、日常のおまじないから民間信仰の伝統呪文まで幅広く使う。
ギリシャ語:ξυλάνθρακας
読み方:クシランスラカス・クシラーンスラカス・クシラントゥラカス・クシラーントゥラカス
ラテン文字:xylanthrakas
古代ギリシャ語の ξύλον(木)と ἄνθραξ(炭、石炭)を組み合わせて作られた学術借用で、フランス語 charbon de bois(木の炭、木炭)の意味を写した翻訳借用。charbon は「炭」、bois は「木」で、ἄνθραξ と ξύλον の組み合わせに対応している。アカデミー辞書は「επίσημο(正式)」と扱い、化学や工業の文脈によく出る。
類義語に ξυλοκάρβουνο(木炭、炭。話し言葉で日常的に使う)。関連語に άνθρακας(炭素、炭疽、炭疽病)。英語の anthracite(無煙炭)や anthrax(炭疽)も、この ἄνθραξ を起源とする。
ギリシャ語:ξύλο
読み方:クシロ・クシーロ
ラテン文字:xylo
古代ギリシャ語の ξύλον(切られた木、棒、木材)から。植物としての木そのものは δέντρο で言い、ξύλο は材としての木や棒に用いる。
英語 xylophone(木琴)の xylo- も、この ξύλον に由来。
材木そのものには ξυλεία も使う。接頭辞 ξυλο-, ξυλό-, ξυλ- は、ξυλουργός(大工)、ξυλοκόπος(きこり)、ξυλόσπιτο(木造の家、ログハウス)、ξυλοδαρμός(殴打、暴行)などの語を作る。木製のものだけでなく、棒で打つ発想から殴打などの意味にもつながる。
複数形 ξύλα は、燃料としての薪にもよく使い、τζάκι(暖炉)や φωτιά(火)の文脈に登場する。比喩では殴打やお仕置き、κρύο(寒さ)で体が棒のように硬くなった状態などを指す。
指小形 ξυλαράκι は小さな木の棒や小枝を指す言葉。聖遺物の τίμιο ξύλο, άγιο ξύλο は、キリストの十字架の木片のこと。

通性名詞
家族 
形容詞
色 
驚き 
施設・建物 
人 
時
夜
動詞 
災害 
天気
食べ物
飲み物
化学 
連語
物質
物理 
性格 
動物 
魔術 
火・炎
素材
植物