日本語索引: い
い から始まる単語 59 語。
い から始まる単語 59 語。
ギリシャ語:σπίτι
読み方:スピティ・スピーティ
ラテン文字:spiti
ラテン語の hospitium(もてなし、宿。hospes「客、主人」から)がヘレニズム期ギリシャ語に入って ὁσπίτιον となり、中世ギリシャ語 ὁσπίτιν を経て今に至る継承。冠詞 το と結びついて τὸ ὁσπίτιν が τὸ σπίτιν と再分節され、語頭の ο- が落ちて今の形に落ち着いた。英語 hospital(病院), hospitality(もてなし), hostel(ホステル), host(主人)はいずれも同じ hospes の系譜からラテン語・古フランス語を経由して入った借用で、σπίτι と語根を共有する。
類義語に κατοικία(住居。行政や公式の文脈で使う硬い語), οίκος(家、館。古代ギリシャ語由来で企業名や施設名に残る硬い語), νοικοκυριό(所帯、家政), σπιτικό(家庭、一家。建物よりも家庭生活の意味合いが強い)。σπίτι は住まいそのものをふつうに指す形として広く使う。派生に σπιτάκι(小さな家、物置、犬小屋。指小形), σπιταρόνα(大邸宅。増大形), σπιτικός(家庭の、自家製の), σπιτίσιος(家庭の〜), σπιτώνω(住まわせる、囲う)。合成語に ξυλόσπιτο(ログハウス), αγροτόσπιτο(農家), δεντρόσπιτο(ツリーハウス), σκυλόσπιτο(犬小屋), παράσπιτο(離れ), πυργόσπιτο(塔のある家), φτωχόσπιτο(貧しい家), χαμόσπιτο(あばら家)。関連語に σπιτάλι(病院。ヴェネツィア語 spedal 等から入った別系統の借用だが、同じ hospitium 語族から出る)。
ギリシャ語:θυμός
読み方:シモス・シモース・ティモス・ティモース
ラテン文字:thymos
古代ギリシャ語の θῡμός(魂, 精神, 息, 勇気, 情熱)を継承。印欧祖語で「煙」を表す語根に続き, サンスクリット dhūmá(煙), リトアニア語 dūmas, ラテン語 fūmus(煙), 古代教会スラヴ語 dymŭ, アルバニア語 tym と同じ語族の仲間。英語 fume(煙, 立腹する)はラテン語 fūmus から。古代には魂や生命の息吹を幅広く指したが, 現代ギリシャ語では「怒り」に意味がしぼられた。
派生に動詞 θυμώνω(怒る), その過去分詞 θυμωμένος(怒っている)。
アクセント位置が異なる θύμος(胸腺)は別の語源で, タイム(百里香)の名から解剖学用語になった。類義の οργή(激しい怒り, 憤怒)は瞬間的な激情を, θυμός は一過性から持続的なものまで幅広い怒りを指す。
キリスト教神学の七つの大罪では、正教系・教会系の説明で θυμός ή οργή として「怒り」が挙げられることがある。現代の一般的な七つの大罪の一覧では οργή が「憤怒」にあたる語として使われやすい。対応する美徳としては μακροθυμία(寛容、忍耐)が挙げられる。
ギリシャ語:ζωντανός
読み方:ゾダノス・ゾダノース・ゾンダノス・ゾンダノース
ラテン文字:zontanos
ギリシャ語:αγανακτώ
読み方:アガナクト・アガナクトー
ラテン文字:aganakto
古代ギリシャ語の ἀγανακτῶ(憤る、苛立つ。-εω 動詞 ἀγανακτέω の縮約形)を継承。派生語に αγανάκτηση(憤り)、αγανακτισμένος(腹を立てている、イライラしている)など。
αγαναχτώ の形も併用される。古代の ἀγανακτῶ から続く口語的な系譜であり、中世ギリシャ語において κτ が χτ に変化したことで成立した。
ギリシャ語:πηγαίνω
読み方:ピェゲノ・ピェゲーノ・ペゲノ・ペゲーノ
ラテン文字:pigaino
中世ギリシャ語の πηγαίνω を継承。
古代ギリシャ語の ὑπάγω(「退く」「立ち去る」の意。ὑπό「〜の下へ」と ἄγω「導く」の結合)に由来。
中世ギリシャ語で未完了形 ὑπῆγον が ὑπῆγα を経て πήγα になり(語頭の ὑ- が「アオリストの増音」と誤分析されて切り離された)、この πήγα に -αίνω 接尾辞がついて新しい現在形 πηγαίνω が類推で形成された(έμαθα → μαθαίνω と同じパターン)。中世には ὑπαγαίνω のような中間形も並行して存在した。同義語として日常的に使われる短縮形の πάω などがある。
ギリシャ語:γνώμη
読み方:グノミ・グノーミ
ラテン文字:gnomi
古代ギリシャ語の γνώμη(判断、認識、考え、格言)を継承。
古代ギリシャ語の動詞 γιγνώσκω(知る、認識する、判断する)から派生した名詞で、もとは「知る手段」「判断する力」を表し、そこから「判断、見解、格言」の意味に展開した。
語根は印欧祖語で「知る」を表す語に起源を持ち、ラテン語の (g)nōscere(知る)と同根。ラテン語経由で英語の know, knowledge, recognize, cognition, gnostic, agnostic などの語族が広がっている。
英語 gnome(格言、教訓)もこの γνώμη が直接の起源。
近代に入って「個人の主観的な意見、見方」という用法は、フランス語・英語の opinion からの意味借用により広まった。
「意見、見方」を表す語として、ふだん広く使われるのは άποψη など。
対して γνώμη は、専門家の見解、世論、公的な意見表明、法律の場面などで使われることが多い。関連語に αντίληψη(認識、見方)、εκτίμηση(評価、見立て)、κρίση(判断、批評)、πεποίθηση(信念、確信)など。
語源を共有する γνώση(知識)と同じ語族。
ギリシャ語:πέτρα
読み方:ペトゥラ・ペートゥラ
ラテン文字:petra
古代ギリシャ語の πέτρα(岩, 岩盤)を継承。「大きな岩」から「石」全般へ意味が広がった。
英語の人名 Peter, ペテロ は同根の Πέτρος(男性形, 岩)から。新約聖書マタイ 16:18 でイエスが弟子シモンをそう呼んだことに由来する。英語 petroleum(石油)は πέτρα とラテン語 oleum(油)からの合成で「石の油」, petrify(石にする, 恐怖で固まらせる)も同じ系統。
指小形に πετρούλα, πετραδάκι(小石)。派生に πέτρινος(石の), πετρώνω(石化する)。合成に πετρέλαιο(石油), πετρογραφία(岩石学)。λίθος も同じ「石」を指す古代由来の語で, 現代ギリシャ語では鉱物学, 医学, 合成語に残る。ふつうの「石」には πέτρα を使う。
ギリシャ語:συνείδηση
読み方:シニディシ・シニーディシ
ラテン文字:syneidisi
古代ギリシャ語の συνείδησις(意識、良心)に由来。συν-(共に)と οἶδα(知っている)からなる σύνοιδα(共に知っている、内心で知っている)に関わる名詞で、文字どおりには「共に知っていること」を表す。
もとは自分の内で何かを知っていること、とくに自分の行為の善悪を知っている感覚を指した。現代ギリシャ語では、道徳的な良心だけでなく、意識、自覚、覚醒状態、職業的良心、歴史意識や階級意識、信条まで幅広く使われる。
近代にはフランス語 conscience(意識、良心)との対応も重なり、哲学・心理・社会の語としての範囲が拡大。英語 conscience もラテン語 conscientia を経た翻訳借用(calque)であり、「共に知る」という発想を共有している。
固定表現には καθαρή συνείδηση(清らかな良心)、κρίση συνειδήσεως(良心の葛藤)、επαγγελματική συνείδηση(職業的良心)、ιστορική συνείδηση(歴史意識)、αντιρρησίας συνείδησης(良心的兵役拒否者、良心的反対者)などがある。
ギリシャ語:λίθος
読み方:リソス・リーソス・リトス・リートス
ラテン文字:lithos
古代ギリシャ語の λίθος(石)に由来。起源はよくわかっていない。英語の接尾辞 -lith, -lite(〜石)や litho-(lithography「石版画」、lithosphere「岩石圏」、monolith「一枚岩」など)、元素名 lithium(リチウム)はこの語から。
現代ギリシャ語は文語的な語で、ふつうは πέτρα を使う。λίθος は地質学や医学、建築の文脈、歴史的な慣用句に残る。男性名詞のほか、λυδία λίθος(試金石)や φιλοσοφική λίθος(賢者の石)のような固定表現では女性名詞として使う。派生語に形容詞 λίθινος(石の)、合成語の ασβεστόλιθος(石灰岩)、λιθόσφαιρα(岩石圏)など。
ギリシャ語:γιατρός
読み方:ヤトゥロ・ヤトゥロー
ラテン文字:giatros
古代ギリシャ語の ἰατρός(医者。動詞 ἰάομαι「治療する、癒やす」から行為者を作る接尾辞 -τρός を付けた形)を継承。中世ギリシャ語で語頭の無アクセント i- が後続母音との衝突を避けて滑音 [j] となり、γ- が前接して γιατρός の形が生まれた。古形 ἰατρός もそのまま ιατρός として学術借用で残り、改まった場面や医学用語で用いられる。英語の接頭辞 iatro-(治療)や接尾辞 -iatry(psychiatry「精神医学」), -iatrics(pediatrics「小児科学」)はこの ἰατρός を新ラテン語経由で受け継いだ学術借用。
類義語に ιατρός(医者。古形を保った硬い形で、公式・学術の文脈で使う)。γιατρός は医者を指すふつうの形として広く使う。文法上は男性名詞だが、男女共通の通性名詞として用いられ、冠詞で性を区別する(ο γιατρός / η γιατρός)。俗語的な女性形に γιατρίνα, γιάτρισσα, γιατρέσα。派生に γιατρεύω(治療する、癒やす), γιατρικό(薬、治療法), γιατρειά(治療、治癒), γιατρείο(診療所), αγιάτρευτος(治せない、不治の)。合成語に οδοντογιατρός(歯科医), τρελογιατρός(精神科医。俗称), γιατροσόφι(民間療法), γιατροπορεύω(治療する、世話をする)。
ギリシャ語:ιατρός
読み方:ヤトゥロス・ヤトゥロース
ラテン文字:iatros
古代ギリシャ語の動詞 ἰάομαι(治療する、癒やす)から派生した ἰατρός(医者)に由来。
日常会話では γιατρός が一般的で、ιατρός は公的な文書や医学的な文脈で用いられる。
英語の iatro-(治療の)や -iatry(医学、治療)、psychiatry(精神医学)などは同じ ἰατρός を語源とし、pediatrics(小児科学)などもこれに含まれる。
関連語には ιατρικός(医学の)、ιατρείο(診療所)、ιατρική(医学、医療)など。
ギリシャ語:καρέκλα
読み方:カレクラ・カレークラ
ラテン文字:karekla
中世ギリシャ語 καρέκλα(椅子)に由来する語で、トリ辞典では古代ギリシャ語 καθέδρα(座席、椅子)が後期ラテン語 caterca、それを経た中世のロマンス諸形(イタリア語 caregla 等)を経由してギリシャ語に戻った逆方向の借用、αντιδάνειο(再借用)として扱われる。古代ギリシャ語の語が外国語を経由して再びギリシャ語に入った例。
源にある古代の καθέδρα は κατά(下に)+ ἕδρα(座席、座る場所、← ἕζομαι「座る」)の合成で、もとは「腰を下ろす場所、座席」を意味した。同じ ἕδρα からは έδρα(本部、議席、本拠地、座席、面)が継承語として現代まで続き、καθέδρα 自体も書きことばで καθέδρα(議長席、教授職、← ラテン語 cathedra 経由で英語 cathedral, chair も同源)として並走する。
ラテン語 cathedra(座席、教師の椅子、司教座)を経由したヨーロッパ語の「椅子」語彙は同じ系譜で、フランス語 chaise / chaire, スペイン語 cátedra, 英語 chair などが並ぶ。ギリシャ語 καρέκλα はその系統の語が再びギリシャに戻ってきた形。
派生・関連語族として καρεκλάκι(小さな椅子、子ども用の椅子、指小形), καρεκλίτσα(小ぶりな椅子、指小形), καρεκλοπόδαρο(椅子の脚), καρεκλάς(椅子職人、椅子売り、書きことば)。家具語としては τραπέζι(テーブル)と組みで現れることが多く、肘掛けのある πολυθρόνα(アームチェア、肘掛け椅子), 背もたれのない σκαμπό(スツール、腰掛け)と言い分ける。比喩義としては、占める役職や権力の座を意味し、η μάχη της καρέκλας(椅子取り、ポスト争い), τρίζει η καρέκλα κάποιου(地位が危うい、文字どおり「椅子がきしむ」)のような表現で使われる。
ギリシャ語:πηγή
読み方:ピイ・ピイー・ピギ・ピギー
ラテン文字:pigi
古代ギリシャ語の πηγή(泉, 湧き出る場所)に由来。現代の「光源」「情報源」「史料」などの用法はフランス語 source からの意味借用で整った。解剖学の「泉門」はフランス語 fontanelle に対応する用法。
派生に πηγαίος(もとからの, 自然に湧き出る), πηγάδι(井戸), πηγούλα(小さな泉)。合成に θερμοπηγή(温泉), θειοπηγή(硫黄泉), πετρελαιοπηγή(油井)。学術の文脈では複数形 πηγές が βιβλιογραφία(参考文献)と近い。
ギリシャ語:βιασύνη
読み方:ヴィアシニ・ヴィアシーニ
ラテン文字:viasyni
古代ギリシャ語の βία(力、暴力)から派生した動詞 βιάζω(強いる、急がせる)に由来。もとは「力で押す、強いる」感覚をもつ語。
「強いる、急がせる」から、時間に追われる焦りや急ぎを表す意味へと広がった。
類義語の βιάση(急ぎ、焦り)は文語寄り。一方、πρεμούρα や φούρια は口語寄りで、せかされた感じが強い。関連する形容詞には βιαστικός(急いでいる、性急な)や βίαιος(暴力的な、強制的な)などがある。
急ぐあまり丁寧さを欠いた雑な仕事にも使う。複数形 βιασύνες では、慎重さを欠いた性急な行動や場当たり的な振る舞いなどを指す。
ギリシャ語:κορυφή
読み方:コリフィ・コリフィー
ラテン文字:koryfi
ギリシャ語:νυφίτσα
読み方:ニフィツァ・ニフィーツァ
ラテン文字:nyfitsa
中世ギリシャ語 νυφίτσα を継承。
古代ギリシャ語 νύμφη(花嫁、若い女性、ニンフ)に指小辞 -ίτσα が付いた νυμφίτσα(小さな花嫁、娘)がもとの形で、中世に μ が落ちて νυφίτσα になった。
細身でしなやかに動くこの小動物に若い娘の優雅さを重ねた民俗的な命名で、ヨーロッパの他言語でもイタリア語 donnola(小さな貴婦人)のように「花嫁」「娘」のイメージでイタチを呼ぶ例が並行して見られる。
共通の語源を持つ関連語に νύφη(花嫁、嫁)、νυφικό(婚礼衣装)などがある。
ギリシャ語:άλγος
読み方:アルゴス・アールゴス
ラテン文字:algos
古代ギリシャ語の ἄλγος(苦痛)から。πόνος が痛み全般を広く表すのに対し、άλγος は医学的な文脈や深い精神的苦痛に使われる。医学用語の接尾辞 -αλγία(νευραλγία=神経痛など)はこの語から。英語 nostalgia も νόστος(帰郷)と ἄλγος をもとにした語。
ギリシャ語:αίρεση
読み方:エレシ・エーレシ
ラテン文字:airesi
動詞 αἱρέω(取る, 選ぶ)から派生した古代ギリシャ語の女性名詞 αἵρεσις(選択, 傾向, 学派)に由来。語尾 -σις が -ση に変わって現代ギリシャ語の αίρεση の形になった。
派生に αιρετικός(異端の, 選挙の), αιρεσιάρχης(異端の指導者), εξαίρεση(例外)。
英語 heresy(異端)もラテン語 haeresis を経て同じ語源。
ギリシャ語:θέση
読み方:セシ・セーシ・テシ・テーシ
ラテン文字:thesi
古代ギリシャ語 θέσις(属格 θέσεως、置くこと、設置、位置)の語末 -ις を中世以降の名詞語尾 -η に整えなおして、現代まで受け継がれた継承語(κληρονομιά)。基本義(場所、位置、姿勢、軍事的陣地)は古代以来の連続的継承だが、近代の多義(社会的地位、職務、見解・立場、論理・哲学の命題)は、フランス語 place / position からの意味借用(σημασιολογικό δάνειο)として加わった層と、書き言葉から再導入された学術借用(λόγιο διαχρονικό δάνειο)の層が混在している(Tri の詳細分析)。
源にある古代の θέσις は、動詞 τίθημι(置く、定める、立てる)から派生した抽象名詞で、もとは「置くこと、設置」「置かれた状態」を意味した。古典哲学では、論理・修辞・音楽の専門用語として用いられ、ヘーゲルの弁証法 thesis-antithesis-synthesis(θέση-αντίθεση-σύνθεση、正・反・合)の用語にも継承された。
源にある τίθημι は印欧祖語の「置く、立てる」を表す語根に由来し、英語 thesis(テーゼ、命題), theme(主題), hypothesis(仮説), antithesis(対立), synthesis(統合), parenthesis(括弧), prosthesis(補綴、義肢), metathesis(音位転換)など、近代の論理・哲学・科学・医学の中核語彙が広まる。
派生・関連語族として θέτω(置く、定める), θέμα(主題、テーマ、← 同じ τίθημι 由来), υπόθεση(仮説、事件、← ὑπό「下に」+ θέσις), σύνθεση(合成、統合), διάθεση(配置、気分、性質), ανάθεση(割り当て), αντίθεση(対立、反対), παρένθεση(括弧), μετάθεση(移動、転置), πρόσθεση(加算、付加), έκθεση(陳述、報告、展示)。
「物理的な場所」「座席」「姿勢」「順位」「役職」「定員」「状況」「見解」「役割」と、近代社会の「位置」をめぐる広い概念領域をひとつの語でカバーする多義語で、フランス語 place / position と意味の射程がよく対応する。類義語に μέρος(場所、部分), χώρος(空間、場所), στάση(姿勢、態度), πόστο(役職、持ち場)。指小形 θεσούλα は皮肉を込めて公務員の安定したポストを指すこともある。
ギリシャ語:φράουλα
読み方:フラウラ・フラーウラ
ラテン文字:fraoula
中世ギリシャ語 φράουλα が、現代まで受け継がれた継承語(κληρονομιά)。中世期にイタリア語の fragola(イチゴ)から φράγουλα として入り、その後語中の [g] が脱落して φράουλα になったと見られる。
イタリア語 fragola は俗ラテン語 *fragula(イチゴ、← ラテン語 fragum「イチゴ」+ -ula 指小辞)に由来し、ラテン語 fragum 自体は印欧祖語起源の確実な対応を持たない。同じ俗ラテン語 *fragula から、フランス語 fraise, スペイン語 fresa(こちらは中世フランス語経由), イタリア語 fragola, ルーマニア語 fragă など、ロマンス語族の「イチゴ」語彙が広まった。中世の地中海貿易と農業文化の交流を通じて、ギリシャ語にもイタリア語経由で入ってきた経緯。
英語 strawberry(イチゴ)はラテン系列とは独立した英語固有の語族(古英語 strēowberge「散らばる果実」)で、植物学の学名 Fragaria(イチゴ属)はラテン語 fragum に基づく近代造語。
派生・関連語族として φραουλιά(イチゴの株、植物体), φραουλίτσα(小さなイチゴ、可愛いイチゴ、指小形), αγριοφράουλα(野イチゴ、← άγριος「野生の」+ φράουλα)。類義語的に同系の小さな赤い果実の語族として βατόμουρο(ブラックベリー), βύσσινο(サワーチェリー), κεράσι(チェリー), φραμπουάζ(ラズベリー、← フランス語 framboise), μύρτιλο(ブルーベリー)が並ぶ。
植物学では「イチゴ系のブドウ品種」(大粒で黄赤色の実、Fragola 種)も指し、Vitis labrusca のアメリカ系ブドウから派生した品種でイタリア・ギリシャでも栽培される。
ギリシャ語:φραουλιά
読み方:フラウリャ・フラウリャー
ラテン文字:fraoulia
ギリシャ語:ολοκίτρινος
読み方:オロキトゥリノス・オロキートゥリノス
ラテン文字:olokitrinos
κίτρινος(黄色い、黄色の)に、全体性を表す接頭辞 ολο- が付いた形。ολο- は古代ギリシャ語 ὅλος(全体の、全部の)に由来し、色形容詞に付くと「すっかり〜色の」「一面〜色の」を表す。
κιτρινωπός(黄色がかった、黄みを帯びた)は色合いに黄みがあることを表す。ολοκίτρινος は、全体が黄色に見える状態や、真っ黄色な様子を表す。

中性名詞
身体・健康 
家族
施設・建物 
感情
信仰・神話
七つの大罪 
形容詞
生と死 
動詞 
動作 
動物
哲学・思考
言葉
法 
物質
素材
地学 
知覚
社会 
職業 

水
情報・メディア
学問
物理
速度
仕事 
幾何
哺乳類
イヌ亜目 


国名 
空間
論理 
果物
食べ物
園芸・農業
色
赤系の色 



