ギリシャ語表記索引: σ
σ から始まる単語 128 語。
σ から始まる単語 128 語。
ギリシャ語:σάλτσα
読み方:サルツァ・サールツァ
ラテン文字:saltsa
イタリア語の salsa(塩味のついたもの、調味された汁)からの外来借用。中世以降にギリシャ語に入り、写本には σάρτσα のつづりも現れたが、子音連続を発音しやすくした σάλτσα の形が定着した。イタリア語 salsa はラテン語 salsus(塩で味付けされた)の女性形 salsa に由来し、ラテン語 sal(塩)にさかのぼる。「塩」を表す印欧祖語の語根を共有し、古代ギリシャ語の ἁλς, ἁλός(塩、海)も同じ語根からの継承で同根。ラテン語 sal からは英語 sauce(仏 sauce 経由), salad(仏 salade 経由), salsa(西 salsa), sausage(古仏 saussiche 経由), salt など料理関連の語が世界中に広まった。
類義語に σως(ソース。フランス語・英語 sauce 由来の外来借用で、西洋料理レストランや洋食メニューの硬い文脈で使う), άρτυμα(調味料、薬味。古代ギリシャ語由来で、調理に使う風味付けの素材一般を指す書き言葉の硬い形), έμβαμμα(つけだれ、ディップ。古代ギリシャ語の ἐμβάπτω「浸す」由来), ζωμός(煮汁、出汁。古代ギリシャ語由来)。σάλτσα はパスタ・肉料理・サラダなどに添える液状またはとろみのある調味された調理物全般を指す形として広く使う。派生に σαλτσούλα(小さなソース、ちょっとしたソース。指小形), σαλτσιέρα(ソース入れ、グレービーボート)。
ギリシャ語:σαρδέλα
読み方:サルデラ・サルデーラ
ラテン文字:sardela
中世ギリシャ語 σαρδέλα を継承した語。イタリア語 sardella(sarda の指小形), フランス語 sardine と同じ流れで、ラテン語 sardus(サルデーニャの、サルデーニャの魚)に行き着く。英語 sardine もフランス語 sardine 経由の同源語。
指小形に σαρδελίτσα。近い小魚に γαύρος(アンチョビ), αντσούγια(塩蔵アンチョビ), παπαλίνα。軍の俗語では制服の階級章や線飾りを指し、σιρίτι(縁テープ)や γαλόνι(ガロン)と同じ文脈に出る。
ギリシャ語:σάρκα
読み方:サルカ・サールカ
ラテン文字:sarka
中世ギリシャ語 σάρκα(肉、← 古代ギリシャ語 σάρξ「肉」の対格 σάρκα が主格として再形成)が現代まで受け継がれた継承語(κληρονομιά)。古代の不規則な格変化(主格 σάρξ、属格 σαρκός、対格 σάρκα)の中で、対格 σάρκα を主格として固定する活用パラダイムの再編(μετάπλαση)を経て、現代ギリシャ語の σάρκα になった。古代の主格 σάρξ は書きことばに残るのみ。
源にある古代の σάρξ(属格 σαρκός、肉、肉体、生身)は、印欧祖語の「肉、切り身」を表す語根に由来する説と、地中海・前ギリシャ語基層の語とする説がある(Beekes は基層語起源を支持)。古代ギリシャ語の文献では、ホメロス以来「人や動物の体の柔らかい部分、肌、肉付き」を中心義とし、骨(ὀστοῦν)と対置される身体構成要素として用いられた。
新約聖書のギリシャ語では、σάρξ は「肉、肉体」を表すと同時に、ヘブライ語 בָּשָׂר bāśār(肉、人間性、弱さ)の翻訳語として神学的に重い意味を担った。「肉と霊」の対立(σάρξ と πνεῦμα)は、パウロ書簡(特にローマ書 7-8 章、ガラテヤ書 5 章)の中心概念で、人間の物質的・倫理的弱さを指す神学用語として、現代ギリシャ語にもその意味の層が残っている。
ヨーロッパ語の関連語彙としては、ラテン語経由で carō(肉、属格 carnis、← 英 carnal「肉的な」, carnage「殺戮」, carnivore「肉食動物」, incarnation「受肉」)が並走する別系統。ギリシャ語 σάρξ とラテン語 carō は、地中海の身体・宗教語彙として、東西の文脈で並走しつつ、ヨーロッパの神学・解剖学・倫理学の語彙の根幹を成してきた。
派生・関連語族として σαρκικός(肉的な、官能的な、形容詞), σαρκώδης(肉づきのいい、書きことば), σάρκωμα(肉腫、← 医学用語、腫瘍を表す英 sarcoma の語源), σαρκοφάγος(石棺、肉食の、← σάρξ + φάγος「食べる者」, 文字どおり「肉を食らうもの」、英 sarcophagus), σαρκοβόρος(肉食の、書きことば), σαρκασμός(皮肉、嘲笑、← σαρκάζω「歯を見せる、肉を引きむしるように笑う」), σαρκαστικός(皮肉な、← 仏 sarcastique), ένσαρκος(肉体を備えた、書きことば), ασκητής(苦行者、← α-「ない」+ σάρκα「肉」を否定する者、ただし語源は ἀσκέω「鍛える」が正確)。「肉」を介した派生語族は、医学・神学・修辞学・倫理学の語彙にまたがる極めて生産的な系譜を持つ。
意味の領域では、κρέας(食用の肉)が料理・食材寄り、σάρκα は身体の構成要素・宗教的概念寄り、と棲み分けがある。慣用句では με σάρκα και οστά(生身の、本人がじかに、文字どおり「肉と骨で」), σάρκα από τη σάρκα μου(わが身を分けた存在、文字どおり「私の肉から肉」、聖書由来の表現)が頻出する、身体性を強調する表現の宝庫。
ギリシャ語:σατανάς
読み方:サタナス・サタナース
ラテン文字:satanas
ヘブライ語 שטן(śāṭān, 敵対者)がギリシャ語に Σατανᾶς の形で借用され, 七十人訳聖書・新約聖書を通じて悪魔の名として用いられ, そのまま現代ギリシャ語に受け継がれた。
同じ σατανάς の語族に σατανικός(悪魔的な), σατανικότητα(悪魔的な性質), σατανισμός(悪魔崇拝), σατανιστής(悪魔崇拝者), αρχισατανάς(大魔王)。
英語 Satan, フランス語 Satan も同じヘブライ語を源にし, ギリシャ語訳聖書を経由して各言語に入った。日常の慣用表現では διάβολος(悪魔, ギリシャ語で「中傷する者」)のほうが圧倒的に多く使われ, σατανάς は宗教的・格式高い文脈と, 「ずる賢い人」「いたずらっ子」の比喩で出てくる。
ギリシャ語:σβήνω
読み方:ズヴィノ・ズヴィーノ
ラテン文字:svino
中世ギリシャ語 σβήνω(消す、消える)が現代まで受け継がれた継承語(κληρονομιά)。中世形は、古代ギリシャ語 σβέννυμι(消す、消える、不規則な活用を持つ -μι 動詞)のパラダイム再編(μετάπλαση)の結果で、受動相アオリスト 1 人称単数 ἔσβην, 3 人称複数 ἔσβησαν の語幹 σβησ- を取り出し、新しい能動相アオリスト έσβησα を作って、現在形 σβήνω を能動相アオリストの語幹から逆形成(αναδρομικός σχηματισμός)した。これは古代の不規則な -μι 動詞が中世期に現代型の活用パターン(έλυσα-λύνω のような単一語幹活用)に整えられる典型例。
源にある古代の σβέννυμι(消す、消える、抑える)は、印欧祖語の「消す、抑える、止める」を表す語根に由来し、サンスクリット kṣíyate(消える、滅びる), リトアニア語 gęsti(消える)と関連する古層語。古代ギリシャ語の文献では、ホメロス以来「火を消す」を中心義として、そこから「怒りを抑える」「渇きを癒す」「命が消える」へと比喩展開を広げてきた、概念領域の広い動詞。
書きことばの語族には、古代継承の名詞 σβέση(消火、書きことば), σβέσιμο(消すこと、口語), σβησμένος(消えた、過去分詞), ασβέστης(生石灰、← α-「ない」+ σβέννυμι の語幹、文字どおり「消えない火」の比喩、英 asbestos「アスベスト」も同源)が並ぶ。アスベストは古代ギリシャ語で「消えない繊維」と呼ばれた鉱物が現代の建材として国際語化した、ギリシャ語の遠い影響の例。
派生・関連語族として σβήσιμο(消すこと、消火、口語), σβησμένος(消えた、消されている), σβηστήρας(消火器、← σβήνω + -τήρας 道具名接尾辞), σβήστης(消火担当の人), αυτοσβέσιμος(自然に消える、書きことば), ασβεστόλιθος(石灰岩、← ασβέστης「石灰」+ λίθος「石」), ασβέστης(生石灰、消石灰)。古い綴りの異形に σβύνω(書きことば寄りの古い形)が残るが、現在の標準綴りは σβήνω。
対義語は ανάβω(火をつける、点ける、点火する)で、点火と消火、点灯と消灯のペアで現れることが多い。Άναψε / έσβησε το φως(明かりをつけた/消した), Ανάβει και σβήνει(点いたり消えたり)のような対比表現が日常会話に頻出する。
意味の領域は極めて広く、火・明かりを消すこと(Έσβησα τη φωτιά「火を消した」, Σβήσε το φως「明かりを消して」), 機械・画面の電源を切ること(σβήνω την τηλεόραση「テレビを消す」, έσβησε ο κινητήρας「エンジンが止まった」), 文字・データを消すこと(σβήνω τον πίνακα「黒板を消す」, σβήνω αρχεία「ファイルを削除する」), 比喩で命・希望・夢が消えること(έσβησε ήρεμα「静かに息を引き取った」, έσβησε η ελπίδα「希望が消えた」), 渇き・痛みを和らげること(σβήνω τη δίψα「渇きをいやす」), 料理で仕上げに液体を加えること(σβήνω με κονιάκ「コニャックを回しかける」), 口語で相手を圧倒すること(Τους έσβησε όλους!「皆を圧倒した」)まで連続的に展開する、現代ギリシャ語の最も生産的な動詞の一つ。
ギリシャ語:σβούρα
読み方:ズヴラ・ズヴーラ
ラテン文字:svoura
回転の音をまねた擬音起源とされる中世ギリシャ語 σβούρα をそのまま継承した語。指小形に σβουρίτσα、派生動詞 σβουρίζω(こま回しする), その名詞化 σβούρισμα(回転の動き)がある。休みなく動き回る人を比喩で言うほか、木工の回転刃機械も指す。
ギリシャ語:σειρά
読み方:シラ・シラー
ラテン文字:seira
古代ギリシャ語の σειρά(紐, 鎖, 列)に由来。もとは「紐, 鎖」の意味が中心で, 後に「列, 配列」にも使われるようになった。現代の「順序, シリーズ, 連続番組」の用法はフランス語 série, ordre, 英語 serial からの意味借用で輪郭が整った。
同じ σειρά の語族に σειριακός / σειραϊκός(連続の, 連番の), σειρούλα(小さな列), παλιοσειρά(古いシリーズ), 合成語 συμβολοσειρά(文字列), στοιχειοσειρά(文字組版)。軍隊では同期入隊の兵士集団を σειρά と呼び, くだけた呼びかけ「おい同期」としても使う(正式名称 ΕΣΣΟ: Εκπαιδευτική Σειρά Στρατευσίμων Οπλιτών)。
英語 series, serial, serialize もラテン語 serere(つなぐ, 編む)から生まれた語で, σειρά と共通の印欧語根に連なる。トルコ語 sıra(順番, 列)は中世ギリシャ語 σειρά からの借用。
ギリシャ語:σεισμός
読み方:シズモス・シズモース
ラテン文字:seismos
古代ギリシャ語の σεισμός(揺れ、震動、地震)を継承。σείω(揺さぶる)を名詞化した語で、古代では γῆς σεισμός(大地の揺れ)の略として地震を指していた。
英語 seismic(地震の), seismology(地震学)も同じ語源。派生語に μετασεισμός(余震), σεισμικός(地震の)。
ギリシャ語:σελήνη
読み方:セリニ・セリーニ
ラテン文字:selini
古代ギリシャ語の σελήνη(月)に由来。σέλας(輝き, 光)と同じ語族で, 印欧祖語で「輝く」を表す語根から作られた語。「明るく輝くもの」という見方から, 夜空で光る天体の月を指すようになった。ギリシャ神話では月の女神セレーネー(Σελήνη)の名でもある。
英語 seleno-(月の〜, selenology 月学, selenography 月面図)は σελήνη からの学術的な連結形。化学元素の σελήνιο(セレン, 原子番号34)は, 地球の随伴天体という意味合いで, 先に命名された τελλούριο(テルル, ラテン tellus「大地」)と対になるように, スウェーデンの化学者ベルセリウスが月の名から名づけた。派生に σεληνιακός(月の), πανσέληνος(満月), ημισέληνος(半月), σεληνοφώτιστος(月光に照らされた), σεληνιάζομαι(てんかん発作を起こす, 月憑きになる)。
日常会話で「月」を指すときは φεγγάρι が一般的で, σελήνη は天文用語や公式の場面に使うことが多い。
ギリシャ語:σελόσια
読み方:セロシア・セローシア
ラテン文字:selosia
学名 Celosia のギリシャ文字転記。σελόζια とも表記する。ケイトウ属(Celosia)の植物を指し、とくに Celosia argentea の各品種が栽培される。
トサカケイトウ(とさか状の花序をもつ cristata 品種)は λειρί του κόκορα(オンドリのとさか)、羽毛ケイトウ(羽毛状の花序をもつ plumosa 品種)は αλεποουρά(キツネの尻尾)とも呼ばれる。
学名 Celosia は古代ギリシャ語 κήλεος(燃える)に由来し、花の炎のような外見にちなむ命名。
ギリシャ語:σεντέφι
読み方:セデフィ・セデーフィ・センデフィ・センデーフィ
ラテン文字:sentefi
トルコ語 sedef(真珠層、貝殻の内側)にギリシャ語の中性語尾 -ι がついた外来借用(δάνειο)。アクセントのない母音の上昇 [se > si] により σιντέφι の異形でも見られる。
トルコ語 sedef はアラビア語 صَدَف(ṣadaf、貝殻、真珠母貝)からの借用で、もともとは「貝殻」全般を指していた。中世以降のオスマン帝国の地中海支配とともに、貝殻装飾・螺鈿細工の語彙が一緒にギリシャ語にも入ったと見られる。
学術借用形に μάργαρο(真珠層、← 古代 μάργαρον「真珠」)があり、現代では μάργαρο が学術・文章寄りの語、σεντέφι が日常語と棲み分けが定まっている。同じ μάργαρ- 系統の語族として μαργαριτάρι(真珠、← μαργαρίτης「真珠」+ -άριον 指小辞)があり、σεντέφι(真珠層、貝の素材)の中で形成される宝石が μαργαριτάρι(真珠)になる、という対の関係。
派生・関連語に乏しい外来語の典型で、装飾素材としての用法に限られる。日常で「貝殻のような白く虹色の輝き」を指す比喩用法も持ち、宝飾品・楽器・家具の象嵌(インレイ)細工の素材として古来用いられてきた。
ギリシャ語:σημαία
読み方:シメア・シメーア
ラテン文字:simaia
古代ギリシャ語の σῆμα(印、信号、目印)から派生したヘレニズム期ギリシャ語 σημαία(軍旗、信号旗)を中世ギリシャ語が公式・軍事の文脈で書き継ぎ、現代ギリシャ語に学術借用として戻って「旗」全般を指す形に落ち着いた。英語 semantic(意味論の), semaphore(手旗信号), semiotics(記号論)はいずれも同じ σῆμα からラテン語・フランス語を経由して入った学術借用で、σημαία と語根を共有する。
類義語に λάβαρο(幟。ローマ帝政期の軍旗 labarum 由来で、宗教儀式や式典の旗を指す硬い語), παντιέρα(旗。イタリア語 bandiera 由来の外来借用で、出帆や戦闘の場面で使うやや古風な語), μπαϊράκι(旗。トルコ語 bayrak 由来の外来借用で、くだけた俗な響き)。σημαία は国家・組織・思想の象徴としての旗を指すふつうの形として広く使う。派生に σημαιάκι, σημαιούλα(小さな旗。指小形)。合成語に σημαιοφόρος(旗手), σημαιοστολισμός(旗での飾り付け), σημαιοστολισμένος(旗で飾られた)。関連語に σήμα(印、信号、標章), σημείο(点、徴候、場所), σημαίνω(意味する、合図する), σημείωση(メモ、注記)。
ギリシャ語:σημαντικός
読み方:シマディコス・シマディコース・シマンディコス・シマンディコース
ラテン文字:simantikos
動詞 σημαίνω(意味する, しるしを与える)から派生した古代ギリシャ語の形容詞 σημαντικός(意味を持つ, 指し示す)に由来。
現代の「重要な, 大事な」の意味は, フランス語 significatif や英語 significant からの意味借用によって広まったもの。
ギリシャ語:σημασία
読み方:シマシア・シマシーア
ラテン文字:simasia
古代ギリシャ語の σημασία(しるし, 指し示し)に由来。σημαίνω(示す, 意味する)に抽象名詞を作る -ία が付いた語で, σημαίνω 自体は σῆμα(しるし)から作られた動詞。「語やしるしが表す内容」という用法はヘレニズム期にすでに見え, 英語 meaning の意味配置と重なって整った。「重要性, 意義」の用法は, 英語 significance からの意味借用で加わった。
英語 semasiology(意味論)はこの語から作られた学術語。派生に σημασιολογία(意味論), σημασιολογικός(意味論の)。σημαίνω(示す), σημαντικός(重要な, 意味のある), σῆμα(しるし)が同じ σημ- の語族の仲間。
λέξη(単語, 語)が語そのものを指すのに対し, σημασία はその語が表す内容を指す。μετάφραση(翻訳, 訳文)では, 元の語や文の σημασία を別の言語に移す。
ギリシャ語:σημείο
読み方:シミオ・シミーオ
ラテン文字:simeio
古代ギリシャ語の σῆμα(しるし)から派生した σημεῖον(目印、しるし、信号)に由来。中世以降に語尾が整い、今の形になった。
同じ σῆμα の語族には σημαία(旗)、σημασία(意味、重要性)、σημειώνω(記す)、σημαντικός(重要な)などがある。英語の semiotics(記号論)、semantics(意味論)、semaphore(腕木通信)も同じ σῆμα 由来。
具体的な場所や図形の点から、文章や計画の箇所、時間の一点、程度の限界、兆候や記号まで、指し示す範囲は広い。時間の一点を表す στιγμή(瞬間)や、境目を表す όριο(限界、境界)と意味が重なる場面もあるが、σημείο は「ここ」と示せる具体的な印や一点に重心がある。
ギリシャ語:σημείο του ορίζοντα
読み方:シミオトゥオリゾダ・シミーオトゥオリゾダ・シミオトゥオリゾンダ・シミーオトゥオリゾンダ
ラテン文字:simeio tou orizonta
ギリシャ語の σημείο(点)と ορίζοντας(地平線)の属格 ορίζοντα を組み合わせた連語で、文字どおり「地平線の点」を意味する。フランス語 point cardinal(基本方位点、← ラテン語 cardinālis「基本の、要となる」), 英語 cardinal point of the horizon, ドイツ語 Himmelsrichtung(空の方向)など、ヨーロッパ各語の「方位」術語を翻訳し移した翻訳借用(μεταφραστικό δάνειο)として近代に成立した。
両構成要素はいずれも古代以来の継承語で、σημείο(古代 σημεῖον、しるし、点、信号)は σῆμα(しるし、印)の指小形, ορίζοντας(古代 ὁρίζων、属格 ὁρίζοντος、地平線、← ὁρίζω「区切る、定める」の現在分詞)も古代から「目に見える円形の境界線」として地球の地平線を指してきた。
近代地理学・航海術・気象学が確立するなかで、北・東・南・西の四方位(τα τέσσερα σημεία του ορίζοντα)と中間方位を含む 16 方位の体系が普及し、現代ではこの連語が「方角、方位」を指す中心語として定着している。
関連語族として πυξίδα(コンパス、方位磁石、← 方角を測る道具), κατεύθυνση(方向), διεύθυνση(方向、住所), προσανατολισμός(方位、見当)。四方位を表す中心語は βορράς(北), ανατολή(東、日の出), νότος(南), δύση(西、日没)で、いずれも古代以来の継承語。中間方位は北東 βορειοανατολικά, 南東 νοτιοανατολικά, 南西 νοτιοδυτικά, 北西 βορειοδυτικά と、四方位の合成で表す体系が定着している。
ギリシャ語:σιντέφι
読み方:シデフィ・シデーフィ・シンデフィ・シンデーフィ
ラテン文字:sintefi
σεντέφι の別綴り。意味は同じ。
ギリシャ語:σίφουνας
読み方:シフナス・シーフナス
ラテン文字:sifounas
古代ギリシャ語の σίφων(管、くだ、水を吸い上げる器具)を継承。
古代の3変化名詞(属格 σίφωνος)の対格 τὸν σίφωνα を基に、中世以降の主格 σίφωνας が新たに作られた(対格を基に主格を作り直すパターンは中世ギリシャ語によくある)。さらに、語中の ω [o] が前の唇音 [f] と後ろの鼻音 [n] の影響で [u] に変化して、現在の σίφουνας になった。
英語 siphon も同じ語源。
近い語に ανεμοστρόβιλος(つむじ風、竜巻)など。
ギリシャ語:σιωπή
読み方:シオピ・シオピー
ラテン文字:siopi
古代ギリシャ語の σιωπή(沈黙)を継承。ギリシャ語以前の古い層の語と考えられていて, 印欧祖語の語根までは確かな形で立っていない。話さないこと, 音がないこと, 口を閉ざすことを古代から一貫して表してきた。「音のない静けさ」「話題に触れない黙殺」まで含む広がりは, 英語 silence, フランス語 silence の意味配置と重なって整った。
英語 silence, フランス語 silence はラテン語 silentium(黙ること)に由来する別系統の語。派生に σιωπηλός(無言の, 寡黙な), σιωπώ / σιωπάω(黙る), σιωπηρός(暗黙の)。
似た意味の σιγή(沈黙)は由来が異なる別の語。ふだんの「沈黙, 静けさ」には σιωπή を使う。νύχτα(夜)や βράδυ(晩)と結びつきやすく, 夜の静けさには σιωπή を使うことが多い。

女性名詞
食べ物 

動物 

軍事 
身体・健康
果物 
信仰・神話
天文
星座 
動詞
火・炎
光と闇
生と死
動作 
玩具 
論理 
災害 


植物
花 
素材 
社会 
形容詞
評価 
言葉 
空間 
連語 
金属 
化学
元素 
余暇
情報・メディア 
施設・建物 
天気
風 
夜
感情