ギリシャ語:βιολίστας
読み方:ヴィオリスタス・ヴィオリースタス
ラテン文字:violistas
イタリア語 violista(ヴィオラ奏者), フランス語 violiste(ヴィオラ奏者)からギリシャ語に入った外来借用(δάνειο)に、ギリシャ語の男性名詞語尾 -ας を付けて整えた近代の職業名。源にあるイタリア語・フランス語の形は、楽器名 viola(ヴィオラ、← 中世ラテン語 viola「弦楽器」)に動作主名詞接尾辞 -ist(a) / -iste を付けたもので、近代音楽の職業語彙としてヨーロッパ全域に広まった国際語の一つ。
源にあるイタリア語の接尾辞 -ista, フランス語の -iste, 英語の -ist は、すべてギリシャ語起源の動作主名詞接尾辞 -ιστής に発する国際造語要素。古代ギリシャ語の -ιστής が中世ラテン語に -ista として取り入れられ、近代ヨーロッパ語に広まった結果、再びギリシャ語に逆輸入される現象が活発に起こっている。同じ系譜の語族には、πιανίστας(ピアニスト、← 伊 pianista), σαξοφωνίστας(サックス奏者), σολίστ(ソリスト、← 仏 soliste), αρτίστας(アーティスト、← 伊 artista), ορεκτρίστας(オーケストラ奏者)が並び、近代音楽の職業語彙の中心を成す。
源にある楽器名 viola(ヴィオラ)は、中世ラテン語 viola を起源とし、ヴァイオリンよりやや大きく低めの音域を担う擦弦楽器の名前として 16 世紀以降にヨーロッパ各語に広まった。ギリシャ語にも βιόλα(ヴィオラ)として定着しており、関連語族には βιολί(バイオリン), βιολονσέλο / τσέλο(チェロ), κοντραμπάσο(コントラバス)が並ぶ、弦楽四重奏の構成楽器名がすべてイタリア語起源で揃う体系。
ギリシャ語の文法的特徴として、男性名詞 -ας 系の活用パターンを取りながら、女性のヴィオラ奏者にも同形を使う通性名詞(επικοινωνού γένους)として機能する。同じ通性パターンを取る職業名には、ταμίας(会計係), νομικός(法律家), αρχιτέκτονας(建築家), ιατρός(医師、現代では女性にも同形)が並び、現代ギリシャ語の職業語彙のジェンダー中立化の流れを反映する。
派生・関連語族として βιολιστής(バイオリン奏者、← βιολί + -ιστής 内部派生), βιολιστάκι(小さなヴィオラ奏者、口語の指小形), βιολονσελίστας(チェロ奏者), ορχήστρα(オーケストラ), σύνολο μουσικής δωματίου(室内楽団)。学校・楽団・オーケストラ・室内楽の場面で広く使われる、近代音楽文化の語彙の一翼を担う職業名。

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