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パンジー

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基本情報

ギリシャ語

πανσές

読み方

パンセス・パンセース

ラテン文字表記

panses

変化パターン

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日本語訳

  1. パンジー

英語訳

pansy

語源・派生・関連語

フランス語 pensée(パンジー、思想、考え)からギリシャ語に入った外来借用(δάνειο)。借用の過程で、フランス語の女性形 pensée を、ギリシャ語の男性名詞語尾 -ές(μενεξές「スミレ」のような他のフランス・トルコ語起源の花の名前のパターン)に整えて、πανσές の形に定着した。

源にあるフランス語 pensée(思想、考え、パンジー)は、ラテン語 pensāre(考える、よく考える、← pendō「秤にかける」)の動詞由来名詞で、「思想、考え」と「パンジーの花」の二つの意味を持つ多義語。「パンジー」の名前の由来は、フランスの民間伝承で、この花の独特の顔のような花弁の模様が「物思いに沈む人の顔」を連想させることから「pensée(考え、物思い)」と呼ばれるようになった、という解釈が広く知られる。シェイクスピアの『ハムレット』第 4 幕第 5 場でオフィーリアが「ローズマリー、これは思い出のため。お願い、覚えていてね、最愛の人。それからパンジー、これは考えのため」(And there is pansies, that’s for thoughts)と語る有名な場面でも、英語 pansy の語源が pensée(考え)に由来することが暗示されている。

ヨーロッパ各語の「パンジー」語彙は、すべてフランス語 pensée 系の系譜:英語 pansy(← 古フランス語 pensee, 16 世紀), スペイン語 pensamiento(パンジー、思想), イタリア語 viola del pensiero(思想のスミレ), ドイツ語 Stiefmütterchen(小さな継母、別系統だが面白い民間語源)が並ぶ。「考える花」の比喩がヨーロッパ各語で共有されている、文化的な命名の典型例。

植物学的には Viola tricolor var. hortensis(ガーデンパンジー、Viola × wittrockiana)で、スミレ科(Violaceae)の Viola 属の園芸品種。野生のヨーロッパ原産のサンシキスミレ(Viola tricolor)から、19 世紀初頭にイギリスで交配・選抜されて作られた近代の園芸品種で、大きな花びらと多様な色彩(紫、黄、白、青、ピンク、赤、黒、混色)が特徴。世界で最も人気のある園芸花の一つとして、春・秋の花壇・鉢植え・寄せ植えの中核を担う。

派生・関連語族として πανσέδες(複数形), πανσές μωβ(紫のパンジー), πανσές πολύχρωμος(多色のパンジー), πανσές κίτρινος(黄色のパンジー), φυτεύω πανσέδες(パンジーを植える), πανσέ (女性名) など、ギリシャの女性名(パンセ)としても使われる。

近い概念として、より小型のスミレ族の βιολέτα(スミレ、← 伊 violetta), μενεξές(スミレ、← トルコ語), ίον(スミレ、書きことばの古典形)が並走する。πανσές はパンジー(園芸品種、大きな花), βιολέτα は野生のスミレ(小さな花、香りが良い), μενεξές はトルコ・東地中海の伝統的なスミレの呼称、と棲み分けがある。

ギリシャの園芸文化では、πανσέδες は秋から春にかけての主要な花壇・鉢植えの花として、家庭・公園・市役所の街路装飾で広く使われる。色彩豊かな模様(特に「猫の顔」「子供の顔」のような特徴的な花弁の模様)が、子供にも親しまれる愛らしい花として、贈答・誕生日・春の象徴の中核を担う。

文学・詩・象徴の領域では、フランス語 pensée の二重の意味から、πανσές は「思いを伝える花」「物思いに沈む花」「思い出の花」のロマンティックな象徴として、特に春の出会いと別れの場面で文学的モチーフとして使われる、感性豊かな語。

パンジー

春や秋に花壇や鉢植えでよく見かける観賞用の花をいう。

  • μωβ πανσές(紫のパンジー)
  • πολύχρωμος πανσές(多色のパンジー)
  • φυτεύω πανσέδες(パンジーを植える)
  • Οι πανσέδες γέμισαν το παρτέρι με χρώμα.
  • パンジーが花壇を色で満たした。
  • The pansies filled the flower bed with color.

関連項目

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